・子どもがいつも口を開けている気がする
・風邪でもないのに口で呼吸している
・寝ているときに口を開けている
・滑舌が悪い、いびきをかく
・歯並びが気になってきた
そんな日常の小さな気づきが、実は「口呼吸」のサインかもしれません。
口呼吸は、虫歯や歯並びの乱れだけでなく、集中力や免疫力にまで影響することがあります。この記事では、自宅で取り組める口呼吸改善のポイントをやさしく解説します。小児歯科医の視点から、子どもが無理なく鼻呼吸に切り替えるための習慣や工夫もご紹介。
読み終える頃には、お子さまの呼吸を見直し、健康への第一歩を踏み出すヒントが見つかるはずです。
どうして口呼吸は問題なの？
口呼吸は一見些細な癖に思えるかもしれませんが、実はお子さまの健康や発育に深く関わっています。鼻呼吸が本来の呼吸のかたちであるのに対し、口呼吸には多くのデメリットが存在します。特に成長期の子どもにとっては、口呼吸がもたらす影響が将来的な身体機能や顔立ち、歯並びにも影響することがあります。
口呼吸とは？
口呼吸とは、鼻ではなく口を開けて空気を吸ったり吐いたりする呼吸のことです。本来、人間の呼吸器官は鼻が主役です。鼻にはフィルターの役割があり、空気中の異物やウイルスを除去し、適度な湿度と温度に整えて肺へと送ります。しかし、口で呼吸すると、これらの大切な機能が働かなくなり、直接汚れた空気が体内に入ってしまいます。
子どもに多い口呼吸の原因
子どもが口呼吸になる背景には、いくつかの要因があります。
- アレルギー性鼻炎や風邪による鼻づまり
- 口の周囲の筋肉が弱く、口を閉じる力が弱い
- 歯並びや顎の発達に問題がある
- 姿勢の悪さによる呼吸の妨げ
- 無意識の癖（テレビを見ているときや寝ているときに口が開いている）
これらが重なり、気が付かないうちに口呼吸が習慣になっているケースが少なくありません。
放っておくとどうなるの？
口呼吸をそのままにしておくと、次のような影響が出ることがあります。
- 虫歯や歯周病のリスクが高くなる
- 歯並びの乱れ
- 口臭の原因
- 集中力の低下や学習への影響
- 睡眠の質の低下（いびきや無呼吸）
- 顔つきや姿勢の乱れ
また、免疫力の低下や風邪を引きやすくなるなど、健康への影響も少なくありません。
鼻呼吸との違いを知ることが第一歩
鼻呼吸は体を守るための天然のフィルターであり、空気を調整しながら取り込む大切な機能です。鼻呼吸ができている子どもは、睡眠の質もよく、成長ホルモンの分泌もスムーズに行われやすくなります。
まずは「うちの子はどんな呼吸をしているかな？」と日常の中で観察してみることが、改善への第一歩になります。食事中、テレビを見ているとき、寝ているときなど、口がポカンと開いていないか意識して見てみましょう。
続く項目では、口呼吸が子どもの発育にどのような影響を与えるか、より具体的に見ていきます。
口呼吸のリスクと子どもの発育への影響
口呼吸が習慣になると、お子さまの健やかな成長に様々な影響を及ぼします。見た目の変化だけでなく、健康面、精神面、学習能力など広い範囲に渡って問題が生じる可能性があります。ここでは、口呼吸がもたらす具体的なリスクと、発育段階でどのような影響があるのかを詳しくご紹介します。
顔立ちや骨格への影響
子どもの顔やあごは、成長とともに形成されていく過程にあります。口を常に開けている状態が続くと、舌の位置が下がり、上あごが狭くなったり、あごが後退したりすることがあります。その結果、
- 面長な顔つきになる
- 上あごが狭くなり歯が並ぶスペースがなくなる
- あごの発達が不十分になる
といった顔貌の変化が現れることがあります。これは、いわゆる「お口ぽかん顔」と呼ばれ、鼻呼吸ができている子と比べて顔の印象が大きく異なります。
歯並びの乱れ
口呼吸をしていると、舌の正しい位置である上あごの裏側につけることができず、舌の力が歯を内側から支えられなくなります。そのため、外からの唇や頬の圧力が強くかかり、
- 出っ歯
- 受け口
- 叢生（歯が重なり合う状態）
などの歯列不正が起こりやすくなります。歯並びの乱れは見た目だけでなく、かみ合わせの問題、咀嚼機能の低下、さらには発音や滑舌にも影響を与えます。
集中力や学習能力への影響
鼻呼吸と比較して、口呼吸では脳に取り込まれる酸素の量が少なくなる傾向があります。そのため、子どもの場合は次のような影響が見られることがあります。
- 学校で集中力が続かない
- ぼーっとしていることが多い
- 落ち着きがないと感じる
呼吸の質は睡眠の質にも直結しており、寝ている間にしっかりと脳と体を回復させられないと、翌日のパフォーマンスにも影響します。
免疫力の低下
鼻呼吸には、空気中のホコリやウイルスをフィルターでブロックする働きがあります。しかし、口呼吸ではそれらがダイレクトに体内に入ってしまうため、
- 風邪をひきやすくなる
- 喉が乾燥して炎症を起こしやすくなる
- アレルギー症状が悪化しやすくなる
など、免疫機能にも悪影響が出やすくなります。
睡眠の質の低下
口呼吸の子どもは、いびきをかいたり、無呼吸のような状態になることもあります。深い眠りが妨げられると、成長ホルモンの分泌にも影響し、体の成長や情緒面の安定にも影響を与えます。
このように、口呼吸は一見地味な習慣のようでいて、全身にさまざまな悪影響を及ぼします。だからこそ、気づいたときに早めに対処することがとても大切です。次の項目では、日常生活でできる簡単な改善方法をご紹介していきます。
自宅で簡単にできる！口呼吸を治すための習慣
口呼吸の癖を治すには、毎日の生活の中で「鼻で呼吸することが当たり前」となる習慣をつくることが大切です。病気や構造的な問題がない場合、意識とトレーニングで改善が期待できます。ここでは、家庭で無理なく取り入れられる口呼吸改善のための生活習慣をご紹介します。
まずは「気づく」ことからスタート
子ども自身が「今、自分は口で呼吸している」と気づくことが改善の第一歩です。
とはいえ、小さなお子さまが自覚するのは難しいこともあるので、親が以下のような場面でチェックしてあげましょう。
- 食事中に口を閉じていられるか
- 静かに遊んでいるときに口が開いていないか
- 寝ているときに口が開いていないか
- お話しているときに息継ぎが多すぎないか
習慣を変えるためには、まず「いつ・どんなときに口呼吸しているか」を知ることが重要です。
声かけと環境づくりがカギ
「口を閉じてね」と言うだけでは、お子さまにとってストレスになることもあります。以下のような声かけを意識すると、前向きに取り組みやすくなります。
- 「お鼻でスースーできるかな？」
- 「お口チャックでヒーローみたいだね！」
- 「鼻で呼吸するって、すごいんだよ！」
また、お子さまがリラックスして過ごせるよう、室内の空気が乾燥しすぎないようにしたり、寝るときに口元が自然に閉じるよう枕の高さを見直すのもおすすめです。
ガムを使ったトレーニング
咀嚼力（噛む力）と口のまわりの筋肉を鍛えるために、キシリトール入りガムを使ってトレーニングするのも効果的です。
- 左右バランスよく噛む
- しっかり10〜15分噛み続ける
- 噛む間は口を閉じて噛むように意識する
これにより、口唇閉鎖力（口を閉じる力）が鍛えられ、自然と口が閉じやすくなります。
姿勢を整えるだけでも変わる
猫背や前かがみの姿勢は、胸やお腹を圧迫し、鼻呼吸をしにくくする原因になります。イスに座っているときや、テレビを見ているときの姿勢にも注目しましょう。
- 背筋をまっすぐにする
- あごを引く
- 足が床についている高さのイスを使う
こうした姿勢の見直しは、呼吸を楽にし、集中力アップにもつながります。
口呼吸は、日常の「ちょっとしたこと」の積み重ねで変えていけます。無理なく、楽しみながら取り組める工夫が続けるコツです。次のセクションでは、さらに口まわりの筋肉を鍛えることで鼻呼吸をサポートするトレーニングについてご紹介していきます。
お口まわりの筋トレで鼻呼吸をサポート
口呼吸を治すためには、日常生活での習慣づけに加えて、「お口まわりの筋肉」をしっかり鍛えることがとても大切です。特に口を閉じるために必要な唇や舌、頬の筋肉がしっかりしていないと、口がポカンと開いたままになり、鼻呼吸が難しくなります。ここでは、自宅で親子で楽しく取り組めるお口の筋トレをご紹介します。
お口ぽかんを防ぐ「口唇閉鎖筋」って？
唇のまわりには、「口輪筋（こうりんきん）」という筋肉があります。この筋肉が弱いと、口を自然に閉じておくことができず、無意識に口が開いてしまいます。つまり、口唇閉鎖筋を鍛えることで、口を閉じて鼻で呼吸する準備が整います。
家庭でできる！お口まわりのトレーニング例
① ペットボトルトレーニング
【用意するもの】
空の500mlペットボトル（キャップ付き）
【やり方】
- ペットボトルの先端を唇だけでくわえる（歯は使わない）
- 唇の力だけでペットボトルを支える
- 5秒間キープを3回くり返す
※最初は水を少しだけ入れて重さを調整してもOK。唇だけでキープするのがポイントです。
② ストローでぶくぶくうがい
コップに少し水を入れ、ストローを使って「ぶくぶく〜」と口の中で泡を立てるようにうがいします。この動きで舌と頬の筋肉を使い、呼吸をコントロールする力がつきます。
③ ガムトレーニング
ガムを左右均等に噛むようにしながら、口をしっかり閉じた状態をキープします。片側ばかりで噛む癖がある子は、意識して反対側も使いましょう。
④ ベロ体操（舌の筋トレ）
- 舌を思いきり前に出す（5秒キープ）
- 上あごの裏に舌をつけて「チッチッチ」と音を出す
- 舌をほっぺに押し付けて「グリグリ」と動かす
こうした体操を毎日続けることで、舌の筋肉が鍛えられ、正しい舌の位置「上あごの裏側」に自然と収まるようになります。
トレーニングは「楽しく」が大切
筋トレと聞くと少し大変そうですが、ゲーム感覚で取り組めばお子さまも楽しく続けられます。たとえば、
- ペットボトルキープ時間を測ってタイムアタックにする
- ガム噛み競争をして左右の回数を数える
- 鏡を見ながら表情筋チェックゲームをする
などの工夫で、笑いながら取り組める時間に変わります。
お口の筋トレは、毎日少しずつでも続けることが大切です。強い意志や我慢よりも、楽しく習慣化することで、自然な鼻呼吸が身についていきます。次の章では、こうしたトレーニングを子どもが継続しやすくなる工夫について詳しくお伝えします。
子どもに楽しく取り組ませる工夫
口呼吸の改善には継続的なトレーニングが効果的ですが、子どもにとって「続けること」は簡単ではありません。無理やりやらせるのではなく、子ども自身が楽しんで取り組める工夫をすることが成功のカギです。ここでは、家庭で実践できる「楽しく続けるためのヒント」をご紹介します。
「遊び」の中にトレーニングを取り入れる
子どもは遊びが大好きです。お口や呼吸のトレーニングも、「遊びの延長」として取り入れることで、無理なく習慣化できます。
- ストローぶくぶく大会：コップに水を入れて、ストローでどちらが長くぶくぶくできるか競争
- 風船ふくらましチャレンジ：口を閉じたまま鼻呼吸を意識しながら、風船をたくさんふくらませる
- お口チャックゲーム：「しゃべらないで何秒我慢できるか」で唇を閉じる意識を高める
遊びの中に自然に組み込むことで、「やらされてる感」がなくなり、取り組むこと自体が楽しい時間になります。
成功体験を積み重ねる
子どもは、褒められることでモチベーションが上がります。「できたこと」に注目して、大げさなくらい褒めてあげるのがポイントです。
- 「今日は10秒お口チャックできたね！すごい！」
- 「お鼻で呼吸してたの見てたよ、かっこよかったね」
- 「毎日続けてえらいね！」
小さな成功の積み重ねが、自信とやる気に繋がります。
シールやカレンダーで「見える化」
「見える成果」があると、子どもは継続しやすくなります。トレーニングの記録をつけたり、達成ごとにごほうびシールを貼ったりする工夫もおすすめです。
- カレンダーに「お口チャックできた日」にシールを貼る
- 「〇回できたらごほうびがもらえる！」と目標設定する
- お気に入りのキャラクターと一緒に記録する
視覚的にわかりやすい進捗は、自然と「続けたい気持ち」を後押しします。
家族みんなで取り組む
子どもだけでなく、家族みんなで取り組むことも効果的です。「ママも一緒にやるね」「お兄ちゃんと競争しよう！」と声をかけることで、お子さまのやる気もアップします。
- 家族で「ペットボトルくわえチャレンジ」
- 夕食後に「お口体操タイム」
- 寝る前に「今日のお鼻呼吸チェック」
楽しい習慣として家族に浸透すれば、無理なく継続できるようになります。
子どもにとって「楽しさ」は何よりのモチベーションです。口呼吸の改善は長期的な取り組みになりますが、毎日少しずつ、笑顔でできる工夫を続けることで、自然と健康的な呼吸習慣が身についていきます。次は、生活全体の中で気をつけておきたいポイントをご紹介します。
日常生活で気をつけたいポイント
口呼吸を改善するには、トレーニングだけでなく、日々の生活習慣を整えることも重要です。普段の過ごし方やちょっとした環境の工夫によって、鼻呼吸がしやすくなったり、口呼吸の癖を減らしたりすることができます。ここでは、家庭で気をつけておきたい生活面のポイントをご紹介します。
姿勢を整えることが呼吸改善の第一歩
猫背や前のめりの姿勢は、胸やお腹を圧迫し、鼻呼吸がしにくくなる原因になります。特に食事中や勉強中、テレビを見るときなど、長時間同じ姿勢を続ける場面では以下を意識してみましょう。
- 背もたれに寄りかかりすぎず、背筋を伸ばす
- 足がしっかり床についている高さのイスを使う
- 顎を引いて前を向く姿勢を意識する
これにより、自然と呼吸が楽になり、鼻呼吸をしやすい体勢になります。
食事のときの「噛む力」も重要
やわらかい食べ物ばかり食べていると、口まわりや舌の筋肉が十分に発達しません。食事中にしっかり噛むことで、唇を閉じたまま食べる習慣が身に付き、口呼吸の予防になります。
- 繊維質の多い野菜（ごぼう、にんじんなど）を取り入れる
- よく噛んで食べるよう声かけをする
- 食事中の姿勢にも注意して、噛む力をサポートする
「噛む→唇を閉じる→鼻で呼吸する」という自然な流れを作ることが大切です。
睡眠環境を見直す
寝ているときの口呼吸は、日中よりも気づきにくく、継続的な癖になりやすいです。口呼吸を防ぐには、次のような睡眠環境の工夫が効果的です。
- 寝具の高さを見直し、呼吸しやすい姿勢を作る
- 室内の乾燥を防ぐために加湿器を使用する
- 鼻詰まりがあるときは、医師に相談して適切な対応をする
また、寝る前にお口まわりの体操をすることで、眠っている間も鼻呼吸を促しやすくなります。
鼻呼吸をしやすいお部屋づくり
アレルギーや鼻炎によって鼻呼吸が難しくなっているケースもあります。できるだけ鼻が通りやすくなるよう、住環境を整えることも大切です。
- 部屋をこまめに掃除してホコリや花粉を減らす
- 空気清浄機を活用する
- ペットの毛やカビにも注意する
鼻でスムーズに呼吸できる環境をつくることで、自然と口呼吸が減っていきます。
無理せず、でも継続的に
生活の中で「全部を完璧にしよう」と思うと、親子ともに疲れてしまいます。できることから少しずつ取り入れて、徐々に生活習慣が整っていくことを目指しましょう。
口呼吸の改善は、生活環境や日常の習慣に大きく左右されます。トレーニングだけでなく、こうした身の回りの工夫を通じて、呼吸の質を高めていくことが大切です。次は、専門家への相談が必要なケースについてお伝えします。
こんなときは歯科医院へ相談を
自宅でのトレーニングや生活習慣の見直しだけでは、口呼吸がなかなか改善しない場合もあります。特に、成長期の子どもは体の変化が早く、見た目や行動だけでは気づきにくい問題が潜んでいることも。そうしたときこそ、小児歯科の専門的な視点からのチェックが重要です。ここでは、歯科医院への相談が推奨されるケースについて解説します。
自宅での取り組みでも変化が見られない
家庭でできるトレーニングや生活改善を数か月試しても、
- 口が常に開いている状態が続く
- 鼻呼吸がなかなか定着しない
- いびきや口の乾きが改善しない
といった場合は、歯科医院での評価を受けることをおすすめします。単なる癖ではなく、骨格や歯並び、舌の動きに原因があるかもしれません。
歯並びやあごの発育に不安がある
口呼吸が続くと、歯並びやあごの成長に悪影響を及ぼします。以下のようなサインが見られたら、早めの相談が安心です。
- 前歯が出てきている（出っ歯）
- 口元が突出しているように見える
- あごが小さく、顔全体が細長い印象
- 奥歯がかみ合っていない
- 噛む・飲み込む動作がぎこちない
小児歯科では、こうした成長の過程に合わせて、子どもに適した予防的なアプローチを行うことができます。
鼻づまりやアレルギーが関係していそう
口呼吸の背景に、慢性的な鼻づまりやアレルギー性鼻炎などがある場合、耳鼻科との連携が必要なこともあります。小児歯科では、
- 鼻腔の狭さのチェック
- 鼻づまりと歯並びの関係の確認
- 適切な呼吸指導や紹介
などを通して、必要に応じて他科への紹介を行うこともあります。呼吸のしやすさを総合的に見ることが大切です。
舌や口の使い方に違和感がある
「食べこぼしが多い」「発音がはっきりしない」「舌の位置がいつも低い」など、舌や口の機能に関する違和感がある場合も、専門的なチェックが必要です。小児歯科では、MFT（口腔筋機能療法）というトレーニング法を通じて、
- 舌の正しい位置を覚える
- 唇を閉じる力をつける
- 正しい嚥下（飲み込み）を学ぶ
といったアプローチで、自然な鼻呼吸と口腔機能の発達をサポートします。
早期発見・早期対応が将来を守る
成長期のうちに口呼吸を改善しておくことは、将来の歯並び、顔貌、健康状態にとって非常に大きな意味を持ちます。乳歯の時期だからこそできること、早めに始めることで負担を少なく済ませられることがたくさんあります。
口呼吸が続いていることに少しでも不安を感じたら、早めに小児歯科に相談することをおすすめします。家庭では気づきにくいサインも、専門家の視点から丁寧にチェックすることで、安心につながります。次の章では、これまでのポイントを振り返りながら、まとめとして締めくくります。
終わりに
口呼吸は、「ただの癖」として見過ごされがちですが、実はお子さまの健康や成長に深く関係している大切なサインです。口を閉じて鼻で呼吸するという、当たり前のようで難しいこの行動が、正しい発育や歯並び、集中力、さらには免疫力まで左右します。
家庭でできるトレーニングや生活習慣の見直しは、どれも特別な道具がいらず、日常の中で無理なく取り入れられるものばかりです。そして何より、「楽しく続けること」が改善への近道になります。お子さまにとっての「できた！」の積み重ねは、呼吸だけでなく自己肯定感も育みます。
もし、「うちの子、もしかして口呼吸かも…？」と気になったときは、今日からできることを少しずつ取り入れてみてください。そして、不安な点がある場合や変化が見られないときには、どうぞ遠慮なく小児歯科へご相談ください。お子さまの未来の笑顔と健康を守るために、私たちも一緒にサポートいたします。
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