おしゃぶりはいつから?1日の使用時間と頻度の考え方

おしゃぶり

赤ちゃんが泣いたときや寝かしつけのときに、おしゃぶりを使いたいと考える保護者は少なくありません。一方で、「いつから使えるの?」「1日に何時間まで?」「泣くたびに使ってもよい?」など、使用時間や頻度について迷うこともあるでしょう。 おしゃぶりは、新生児期から使用を検討できる製品がありますが、すべての赤ちゃんに必要なものではありません。特に母乳育児では授乳が安定してから導入することが勧められています。また、1日の使用時間や回数には、すべての赤ちゃんに共通する一律の上限が定められているわけではありません。時間だけでなく、使用する目的や場面、月齢、授乳状況を合わせて考えることが大切です。 おしゃぶりは、吸うことで赤ちゃんが安心し、入眠しやすくなる場合があります。一方、空腹のサインを見逃したり、起きている間も常にくわえる習慣になったり、長期間使用して歯並びやかみ合わせに影響したりする可能性には注意が必要です。 この記事では、おしゃぶりを始める時期、1日の使用時間と頻度、昼間と夜間の使い分け、安全な使い方、成長に合わせた卒業の考え方を解説します。赤ちゃんの様子を観察しながら、必要な場面に無理なく取り入れるための参考にしてください。

目次

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1. おしゃぶりはいつから使える?月齢別の開始目安

おしゃぶりは、新生児期から使用を検討できる育児用品です。赤ちゃんには生まれつき吸う動き(吸啜反射)が備わっており、母乳やミルクを飲むときだけでなく、空腹ではないときにも何かを吸うことで安心したり、気持ちを落ち着かせたりすることがあります。そのため、おしゃぶりは赤ちゃんの吸いたい欲求を満たし、寝かしつけやぐずりへの対応を助ける場合があります。ただし、生まれた直後から必ず必要なものではありません。おしゃぶりを使わなくても穏やかに過ごせる赤ちゃんもいますし、口に入れることを嫌がる赤ちゃんもいます。周囲の家庭が使っているからという理由だけで、急いで導入する必要はありません。 新生児期に使用する場合は、まず授乳や体重増加が順調かを確認します。母乳育児では、母乳の分泌が十分になり、赤ちゃんが適切に乳首をくわえて効率よく飲めるようになり、体重も順調に増えていることが一つの目安です。こうした授乳が確立する前におしゃぶりを頻繁に使うと、空腹のサインに気づきにくくなったり、授乳の機会が減ったりする可能性があります。そのため、母乳育児中は授乳が安定してから導入することが勧められています。授乳が確立するまでの期間には個人差があり、生後何日になれば必ず使えるという一律の基準ではありません。 人工乳を中心に飲んでいる赤ちゃんは、母乳育児の確立を待つ必要はありません。ただし、おしゃぶりを使う前に、ミルクの量や授乳間隔が適切か、飲んだ後に苦しそうにしていないかなどを確認しましょう。混合育児の場合も、母乳の分泌や授乳状況を見ながら、必要に応じて助産師や医師に相談して導入時期を決めると安心です。生後1か月、2か月、3か月と月齢が進んでも、使用開始の判断は月齢だけで決まるものではありません。赤ちゃんの飲み方や体重増加、生活リズムを合わせて考えます。 おしゃぶりには、吸うことで安心感を得られることに加え、睡眠時に使用を提案することで乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク低減につながる可能性があるという報告もあります。ただし、おしゃぶりだけでSIDSを予防できるわけではありません。仰向けで寝かせること、硬く平らな寝具を使うこと、寝床に柔らかい物を置かないことなど、安全な睡眠環境を整えることが基本です。AAPは昼寝や夜間の入眠時におしゃぶりを提示することを勧めていますが、赤ちゃんが嫌がる場合に無理にくわえさせる必要はありません。 大切なのは、おしゃぶりを何か月から使うかだけでなく、赤ちゃんが本当に必要としている場面で使うことです。空腹、眠気、おむつの不快感、暑さや寒さ、抱っこしてほしい気持ちなど、泣く理由はさまざまです。まず赤ちゃんの様子を確認し、おしゃぶりは必要に応じて取り入れる補助的な方法として考えましょう。

2. おしゃぶりの1日の使用時間は何分まで?

おしゃぶりを使い始めると、保護者が気になるのが「1日何分までなら大丈夫なのか」という問題です。30分まで、1時間までなど、具体的な時間を知りたい方も多いでしょう。しかし、おしゃぶりについては、すべての赤ちゃんに共通する1日の使用時間や1回あたりの使用時間が、医学的に一律に定められているわけではありません。赤ちゃんの月齢、授乳状況、使用目的、口の中の状態、使う頻度などによって考え方が異なります。そのため、単純に合計時間だけで判断するのではなく、必要な場面に限定できているか、長時間くわえ続ける習慣になっていないかを確認することが重要です。 例えば、眠る前に気持ちを落ち着かせる目的で短時間使用する場合と、朝起きてから夜寝るまでほとんど口に入れている場合では、同じおしゃぶりでも使用状況が大きく異なります。赤ちゃんが眠るために必要としているときや、一時的に気持ちを落ち着かせたいときに使うことはありますが、機嫌がよいときまで常にくわえさせる必要はありません。目が覚めて周囲に興味を示している時間には、おしゃぶりを外し、顔を見ながら話しかけたり、抱っこしたり、手足を動かす遊びを取り入れたりするとよいでしょう。 また、1回の使用時間についても、必ず何分経過したら外さなければならないという共通ルールはありません。ただし、長時間くわえ続ける状態が日常化している場合は、使用目的を見直すきっかけになります。おしゃぶりをくわえたまま長く過ごしていると、赤ちゃんが周囲に声を出したり、口を動かして反応したりする機会が少なくなることがあります。起きている時間には、口を自由に動かせる時間や、保護者とのやり取りを楽しむ時間も大切にしましょう。 一方、睡眠時には少し異なる考え方が必要です。米国小児科学会(AAP)は昼寝や夜間の入眠時におしゃぶりを提示することを勧めており、眠りについた後に口から落ちても、再びくわえさせる必要はないとしています。したがって、入眠時に使用したおしゃぶりを、時間を計って途中で取り上げる必要はありません。反対に、眠っている間ずっと口に入れ続けることを目標にする必要もありません。 使用時間を考える際には、赤ちゃんの生活の中でおしゃぶりが占める割合を振り返るとよいでしょう。授乳や睡眠以外の時間にも常にくわえている、外すと激しく泣くため一日中手放せない、泣くたびに反射的に口に入れているといった状況であれば、少しずつ使用場面を整理していきます。おしゃぶりは使用時間を競うものではありません。赤ちゃんの安心を助けながら、起きている時間には周囲との関わりや自然な口の動きも確保することが大切です。

3. おしゃぶりは1日何回まで?使用頻度の考え方

おしゃぶりを使う回数についても、「1日3回まで」「5回まで」といった一律の基準はありません。赤ちゃんによって眠くなるタイミングや吸いたい欲求の強さが異なるため、回数だけで適切かどうかを決めることは難しいからです。大切なのは、使用回数そのものよりも、どのような場面で、どのような目的で使っているかを把握することです。毎日数回使っていても、入眠時など必要な場面に限定されている場合と、泣くたびに無条件で使う場合では、生活への影響が違います。 例えば、昼寝の前、夜間の就寝前、外出先で一時的に落ち着かせたいときなど、使用する場面をあらかじめ決めておくと、必要以上に使うことを防ぎやすくなります。赤ちゃんが泣いたときには、すぐにおしゃぶりを与えるのではなく、まず空腹ではないか、おむつが汚れていないか、眠そうではないか、暑さや寒さで不快になっていないかを確認しましょう。抱っこや声かけで落ち着く場合もあります。こうした対応を行ったうえで、吸うことで安心できそうなときにおしゃぶりを使います。 特に注意したいのは、授乳の代わりとして使ってしまうことです。赤ちゃんは、泣くことだけでなく、口を動かす、手を口に持っていく、顔を左右に動かして乳首を探すなど、さまざまな方法で空腹を示します。おしゃぶりをくわえさせると一時的に泣き止むことがありますが、それだけで空腹が解消されたわけではありません。授乳間隔や飲んだ量、体重増加などを確認し、授乳が必要な場合にはおしゃぶりで先延ばしにしないことが大切です。 使用頻度が増えてきたと感じたら、1日の行動を振り返ってみましょう。例えば、朝から夕方まで何度も使用している場合は、どの時間帯に必要だったのか、抱っこや遊びで対応できる場面はなかったかを確認します。眠いときだけ使用する、外出時だけ使用するなど、目的を明確にすると自然に回数を整理しやすくなります。無理に急激に減らす必要はありませんが、赤ちゃんが落ち着いているときまで習慣的に使用することは避けたいところです。 また、赤ちゃんがおしゃぶりを求めるからといって、毎回必ず与えなければならないわけではありません。口から外れたときに自分で落ち着いているなら、そのまま見守っても構いません。逆に、嫌がって吐き出す場合には無理にくわえさせないようにしましょう。AAPの安全な睡眠に関する推奨でも、おしゃぶりを拒否する赤ちゃんに無理強いしないことが示されています。 おしゃぶりの使用回数は、赤ちゃんの生活に合わせて柔軟に考えることが基本です。何回使ったかだけでなく、使わなくても過ごせる時間があるか、授乳や遊びの妨げになっていないか、保護者が使用目的を把握できているかを確認しましょう。必要な場面に上手に取り入れることで、赤ちゃんの安心と健やかな成長の両方を支えられます。

4. 昼間と夜間で違う?おしゃぶりを使うタイミング

おしゃぶりは、昼間と夜間で使用する目的が異なることがあります。昼間は一時的に気持ちを落ち着かせたり、外出中のぐずりに対応したりする目的で使われることが多く、夜間は寝かしつけや入眠時の安心感を得るために使用されます。どちらの場合も、おしゃぶりを常にくわえさせる必要はありません。時間帯ごとの目的を考えて使い分けることが、使用頻度を適切に管理するポイントです。 日中に赤ちゃんが泣いた場合、まずは泣いている理由を考えます。授乳が必要なのか、おむつを交換したいのか、眠いのか、抱っこしてほしいのかによって対応は変わります。こうした原因を確認したうえで、特に理由が見つからず、吸うことで落ち着きそうな場合には、おしゃぶりを試してもよいでしょう。ただし、赤ちゃんが周囲に興味を示して機嫌よく過ごしている時間には、わざわざ使用する必要はありません。声をかける、目を合わせる、手遊びをするなど、保護者との自然なやり取りを大切にします。 昼寝の寝かしつけでは、眠る前におしゃぶりを提示する方法があります。赤ちゃんが吸うことで安心し、入眠しやすくなる場合があります。ただし、おしゃぶりがなければ絶対に眠れないという状態を目指す必要はありません。抱っこや静かな声かけ、室内環境の調整など、ほかの寝かしつけ方法も取り入れておくと、使用を減らしたい時期にも対応しやすくなります。 夜間の就寝時については、おしゃぶりを提示することにSIDSのリスク低減との関連が報告されています。AAPは昼寝と夜間の睡眠時におしゃぶりを与えることを推奨しています。ただし、これは安全な睡眠環境を整えたうえでの補助的な方法です。赤ちゃんは必ず仰向けに寝かせ、硬く平らな寝具を使い、枕やぬいぐるみ、柔らかい毛布などを寝床に置かないようにします。おしゃぶりを使っているからといって、こうした基本的な安全対策を省略してはいけません。 寝ている途中でおしゃぶりが口から落ちた場合、何度も拾って入れ直す必要はありません。AAPの推奨では、入眠時におしゃぶりを提示し、眠った後に外れても再び入れ直さなくてよいとされています。また、おしゃぶりを嫌がる赤ちゃんに無理に使わせる必要もありません。夜中に目覚めて泣いた場合には、おしゃぶりを入れる前に、空腹や体調不良、おむつの不快感などがないか確認しましょう。 外出中や移動中に使用する場合は、周囲の環境や衛生面にも注意します。床に落ちたおしゃぶりをそのまま口に戻さず、清潔なものに交換するか、適切に洗浄してから使用しましょう。車の移動中に使用する場合も、赤ちゃんの様子や姿勢を確認し、安全なチャイルドシートの使用を優先します。昼間は必要な場面に限定し、夜間は安全な睡眠習慣の一部として考える。このように時間帯ごとに使い分けることで、おしゃぶりに頼りすぎない生活を整えやすくなります。

5. おしゃぶりを使いすぎるとどうなる?注意したい影響

おしゃぶりは赤ちゃんを落ち着かせるために役立つ一方、長期間にわたって頻繁に使用すると、口の周囲や歯並び、耳の健康などに影響する可能性があります。特に注意したいのは、乳歯が生えそろい、顎や歯列が発育していく時期にも、長時間おしゃぶりを使用し続けることです。新生児期や乳児期の一時的な使用と、幼児期まで続く習慣的な使用は分けて考える必要があります。 まず、歯並びへの影響について説明します。おしゃぶりをくわえると、乳首部分が上下の歯や歯ぐきの間に入ります。使用が長期間続くと、前歯の間に隙間ができる開咬や、上の前歯が前方に傾く状態など、かみ合わせに影響することがあります。また、奥歯のかみ合わせが横方向にずれる交叉咬合なども報告されています。ただし、使用した赤ちゃん全員に歯並びの問題が起こるわけではありません。影響の程度には、使用する年齢、期間、頻度、吸う力などの違いが関係します。 米国小児歯科学会(AAPD)は、12か月以降のおしゃぶり使用について急性中耳炎のリスク増加との関連を指摘し、18か月を超えて使用を続ける場合には、顎顔面の発育やかみ合わせへの影響に注意するよう示しています。また、口腔習癖の終了について36か月までを一つの目標としています。これは18か月になった途端に全員が歯並びの問題を発症するという意味ではありません。長期間の習慣を避けるために、年齢に応じて使用頻度を見直していく必要があるという考え方です。 次に、中耳炎との関係です。おしゃぶりを頻繁に使用する習慣と急性中耳炎の発生には関連が報告されています。おしゃぶりを吸うときの口腔内や耳管周辺の圧力変化などが関係する可能性が考えられていますが、すべての中耳炎がおしゃぶりによって起きるわけではありません。耳を気にする、発熱する、耳だれがある、眠れないほど痛がるなどの症状があれば、小児科や耳鼻咽喉科で相談しましょう。特に1歳を過ぎて使用頻度が高い場合は、必要な場面だけに限定することを考えます。 さらに、発語や親子のコミュニケーションの面にも配慮が必要です。おしゃぶりをくわえたまま過ごす時間が長いと、起きているときに声を出したり、口を動かしたりする機会が減ることがあります。ただし、おしゃぶりを使用すること自体が必ず言葉の遅れを引き起こすという十分な根拠があるわけではありません。長時間の使用によって、会話や遊びの機会が少なくならないようにすることが大切です。 おしゃぶりを使いすぎているかどうかは、1日の合計時間だけでは判断できません。起きている間も常にくわえている、外すと何もできない、授乳や食事、遊びの妨げになっているといった状況があれば見直しましょう。赤ちゃんの安心を支えるというメリットを生かしながら、成長に合わせて少しずつ使用を減らしていくことが望まれます。

6. おしゃぶりを使うときに守りたい安全ルール

おしゃぶりを使用する際は、使用時間や回数だけでなく、安全に使うためのルールを守ることが大切です。赤ちゃんは自分で危険を避けたり、壊れた部分に気づいたりすることができません。保護者が毎回状態を確認し、月齢に合った製品を清潔な状態で使用する必要があります。特に新生児や乳児は、口に入れる製品の形状や取り扱いによって思わぬ事故につながる可能性があるため、使用前の確認を習慣にしましょう。 まず、おしゃぶりを使用する前には、授乳の必要性を確認します。おしゃぶりは空腹を満たすものではなく、母乳やミルクの代わりにはなりません。赤ちゃんが口を動かして乳首を探す、手を口に持っていく、泣き始めるといった様子があれば、空腹のサインである可能性があります。授乳が必要なときにおしゃぶりで泣き止ませようとせず、赤ちゃんの飲みたい気持ちを優先しましょう。また、嫌がっている赤ちゃんに無理にくわえさせる必要もありません。 衛生管理も重要です。使用前後には製品の説明書に従って洗浄し、必要に応じて煮沸や専用の消毒方法を利用します。特に新生児期は清潔を保つことが大切です。外出時には清潔なおしゃぶりを予備として持参すると、地面に落とした場合にも交換できます。落ちたおしゃぶりを保護者が口でなめてから赤ちゃんに戻す方法は、衛生面から避けましょう。使用後は水分を十分に切り、清潔な場所で保管します。 製品の劣化や破損がないかも定期的に確認します。乳首部分に亀裂や傷がある、変形している、表面がべたつく、部品が外れそうになっているなどの異常があれば使用を中止してください。赤ちゃんが強くかんだり引っ張ったりすることで、予想以上に劣化が進むこともあります。購入時には対象月齢やサイズ、素材、耐熱温度、消毒方法を確認し、メーカーが指定する交換時期や使用上の注意に従いましょう。製品を独自に切ったり、穴を開けたり、修理したりしてはいけません。 睡眠時には、ひもやクリップの扱いにも注意が必要です。おしゃぶりを赤ちゃんの首にひもで掛けたり、寝ている間に衣服へクリップで固定したりすると、首に巻き付く事故につながるおそれがあります。ぬいぐるみや布などをおしゃぶりに取り付けたまま寝かせることも避けます。AAPも睡眠中のおしゃぶりにひもや付属物を取り付けないよう推奨しています。 また、おしゃぶりに砂糖やはちみつ、甘いシロップなどを付けることは避けてください。甘いものを付けると虫歯のリスクにつながるだけでなく、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えることは乳児ボツリヌス症の危険があるため禁止されています。おしゃぶりは、あくまでも赤ちゃんの吸いたい欲求を補助するためのものです。正しい製品選び、清潔な管理、安全な睡眠環境を守りながら使用しましょう。

7. 月齢が進んだら使用時間と頻度を減らすべき?

おしゃぶりは乳児期には安心感を得るために役立つことがありますが、成長に合わせて使用時間や頻度を見直していくことが大切です。赤ちゃんのうちは吸うことで落ち着く場面が多くても、月齢が進むにつれて、遊びや会話、食事など、口や身体を使ったさまざまな活動が増えていきます。そのため、乳児期と同じように長時間おしゃぶりを使用するのではなく、発達段階に合わせて使用する場面を限定していきましょう。 生後6か月頃になると、周囲への興味が広がり、寝返りやお座りなど身体の動きも発達していきます。この時期は、おしゃぶりを使用しなくても遊びや抱っこで気持ちを切り替えられる場面が増えてくることがあります。日中に機嫌よく過ごしている時間は、おしゃぶりを外して、保護者とのコミュニケーションや遊びを楽しみましょう。ただし、6か月になったら必ず使用を中止しなければならないという意味ではありません。入眠時など必要な場面での使用については、赤ちゃんの状況や安全面を考慮して判断します。 1歳を過ぎたら、おしゃぶりの使用頻度を意識的に見直したい時期です。米国小児歯科学会(AAPD)は、12か月以降のおしゃぶり使用と急性中耳炎のリスク増加との関連を示しています。さらに、18か月を超えて使用が続くと、顎や歯列の発育に影響する可能性があるとしています。そのため、1歳を過ぎた頃から、起きている時間の使用を減らし、必要なときだけ使う習慣に移行していくことが望まれます。 1歳半頃になると、歩く、指さす、言葉を理解する、簡単なやり取りをするなど、できることが増えていきます。おしゃぶりを使う時間を減らすために、外遊びや絵本、手遊び、おもちゃなど、赤ちゃんが興味を持つ活動を増やすとよいでしょう。おしゃぶりが欲しくなったときに、抱っこや声かけで安心できる経験を積み重ねることも役立ちます。急に取り上げて泣かせるのではなく、まずは日中の使用を減らし、落ち着いて過ごせる時間を増やしていく方法がおすすめです。 2歳頃になったら、卒業に向けた具体的な準備を考えます。日中の使用をほぼなくし、眠る前だけ使用している場合には、寝かしつけの方法を少しずつ変えていきます。お気に入りの絵本を読む、決まった歌を歌う、安心できる声かけをするなど、おしゃぶり以外の方法でも眠れる環境を整えましょう。ただし、ぬいぐるみやタオルなどを安心材料にする場合は、窒息などの危険がない年齢かどうか、安全性を確認する必要があります。 日本の母子健康手帳情報でも、2〜3歳以降のおしゃぶり使用は顎の発育やかみ合わせに影響する可能性があるとして、外遊びや会話など子どもの興味を引く活動を取り入れながら、使用頻度を少しずつ減らすことが紹介されています。AAPDは36か月までに非栄養性吸啜習癖を終了することを目標としています。 卒業に向けて大切なのは、周囲の子どもと比較しないことです。使用を減らす途中で一時的に欲しがることがあっても、叱ったり、恥ずかしいことだと伝えたりする必要はありません。赤ちゃんや子どもの安心感を大切にしながら、少しずつ使用場面を減らしていきましょう。歯並びや顎の発育が気になる場合は、かかりつけの小児歯科で早めに相談すると安心です。

8. おしゃぶりの使用時間・頻度に関するよくある質問

おしゃぶりの使用時間や頻度については、月齢や授乳方法、寝かしつけの習慣によって疑問が異なります。ここでは、保護者からよく寄せられる質問を取り上げ、日常生活で判断するときのポイントを整理します。

Q1. 新生児のおしゃぶりは1日何時間まで使えますか?

新生児のおしゃぶりについて、1日何時間までという一律の医学的上限は定められていません。大切なのは、授乳の妨げにならないことと、必要な場面に限定して使用することです。母乳育児の場合は、授乳が安定しているかを確認してから導入しましょう。空腹のサインがあるときには、おしゃぶりではなく授乳を優先します。

Q2. 生後1か月で長時間使っても大丈夫ですか?

生後1か月は授乳や睡眠のリズムがまだ安定していない時期です。使用時間だけで判断せず、授乳回数や体重増加、赤ちゃんの様子を確認しましょう。長時間くわえ続けている場合は、必要な場面だけに限定できないか見直します。特に母乳育児中で授乳がうまくいかない場合は、助産師や小児科医に相談してください。

Q3. おしゃぶりを1日中くわえていてもよいですか?

1日中くわえ続ける使用方法はおすすめできません。起きている時間には、赤ちゃんが声を出したり、周囲を観察したり、保護者とやり取りしたりする機会も大切です。機嫌よく過ごしているときには外し、眠いときや落ち着きたいときなど、必要な場面に使用を限定しましょう。

Q4. 泣くたびにおしゃぶりを使ってもよいですか?

泣くたびにおしゃぶりを与えるのではなく、まず泣いている理由を確認しましょう。空腹、おむつの不快感、眠気、暑さや寒さ、体調不良など、原因によって必要な対応が異なります。抱っこや声かけで落ち着く場合もあります。おしゃぶりは、こうした対応を補助する方法として利用するとよいでしょう。

Q5. 寝ている間ずっとおしゃぶりを使わせてもよいですか?

入眠時におしゃぶりを提示することは、AAPがSIDSリスク低減の観点から推奨しています。ただし、眠った後におしゃぶりが外れても、再び入れ直す必要はありません。睡眠中に口へ押し込んだり、ひもで固定したりすることも避けましょう。また、おしゃぶりの使用だけでなく、仰向け寝や安全な寝具などを徹底することが重要です。

Q6. おしゃぶりが外れたら何度も入れ直すべきですか?

眠った後に自然に外れたのであれば、何度も入れ直す必要はありません。赤ちゃんが自分で眠り続けているなら、そのまま見守りましょう。目覚めて泣いた場合には、空腹やおむつ、体調などを確認し、必要に応じて対応します。おしゃぶりが外れるたびに入れ直すことを習慣にすると、保護者の負担も増えてしまいます。

Q7. おしゃぶりを使わないほうがよい赤ちゃんはいますか?

おしゃぶりを嫌がる赤ちゃんや、使用する必要が特にない赤ちゃんには、無理に使わせる必要はありません。また、授乳がうまくいかない、体重増加が十分でない、吸う動きや飲み込みに問題があるといった場合には、自己判断で使用を続けず、小児科医や助産師に相談しましょう。おしゃぶりを使わないこと自体が問題になるわけではありません。

Q8. いつ頃から使用時間を減らせばよいですか?

乳児期は必要な場面で使用し、1歳を過ぎたら使用頻度を意識的に見直していくとよいでしょう。特に1歳半以降は、日中の使用を減らし、2歳頃から卒業に向けた準備を進めることが一つの目安になります。AAPDは3歳までにおしゃぶりなどの非栄養性吸啜習癖を終了することを目標としています。ただし、卒業の進め方には個人差があるため、子どもの様子を見ながら段階的に進めましょう。 おしゃぶりは、赤ちゃんの吸いたい欲求を満たし、安心して過ごすための補助になる育児用品です。しかし、使えば使うほどよいというものではありません。使用開始時期、1日の使用時間、使用頻度を考えるときには、赤ちゃんの月齢や授乳状況、睡眠、成長発達を合わせて確認することが大切です。 特に意識したいのは、空腹や不快感をおしゃぶりで覆い隠さないこと、起きている時間まで常に使用しないこと、成長に合わせて少しずつ使用を減らすことです。歯並びや顎の発育が気になる場合には、小児歯科で定期的に口の中を確認してもらうとよいでしょう。 おしゃぶりを使うか使わないかに正解が一つあるわけではありません。赤ちゃんにとって必要な場面で上手に活用しながら、親子ともに無理のない方法で付き合っていくことが大切です。

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参考資料

※使用開始時期や卒業時期は、赤ちゃんの授乳状況、発達、歯並びなどによって異なります。個別の判断が必要な場合は、小児科・助産師・小児歯科に相談してください。

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