当院では、「プレオルソ」というマウスピース型の装置を取り扱っています。この装置は一般的に矯正目的で使用されることもありますが、当院では以下のような口腔機能の改善を主な目的としています。
プレオルソを用いた口腔機能改善の目的
- お口ポカンの改善
お子さまのお口が常に開いている状態(お口ポカン)を改善し、正しい口閉じの習慣をサポートします。 - 口呼吸から鼻呼吸への移行
口呼吸が癖になっている場合、プレオルソを使用して鼻呼吸への移行を促します。これにより、健康的な呼吸習慣を身につけることができます。 - 成長方向の正常な誘導
成長期のお子さまの口腔や顎の発育を正常な方向へと導くことで、バランスの良い顔立ちや噛み合わせをサポートします。
プレオルソの特徴
- 夜間の就寝時と日中の1~2時間装着するだけで、無理なく継続できます。
- 透明ではありませんが、シンプルで扱いやすい形状のため、お子さまでも負担なく使用できます。
当院では矯正目的ではありません
当院では、プレオルソを**「矯正治療」の代わりに使用するものではなく、あくまで口腔機能の向上を目的とした予防的な取り組み**として位置付けています。矯正治療を検討されている方も、まずは口腔機能を整えることが大切です。
もしお子さまのお口ポカンや口呼吸が気になる場合、ぜひ当院にご相談ください。プレオルソを通じて、健康的な口腔環境のサポートをさせていただきます!
参考:プレオルソとは
プレオルソとは何か
お子さまの歯並びが気になり始めた保護者の方へ、今回は「プレオルソ」という矯正装置についてご紹介します。プレオルソは、柔らかい素材でできたマウスピース型の矯正装置で、主に成長期のお子さまの歯並びや噛み合わせを整えるために使用されます。矯正治療と聞くと「痛そう」「高額そう」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、プレオルソはそのような心配を軽減できる矯正方法の一つです。
では、なぜプレオルソが子どもの矯正に適しているのでしょうか?その理由は、成長途中のお子さまの顎の発育を活かして歯並びを改善することができる点にあります。まだ骨が柔らかく、歯や顎の位置が変わりやすい時期に使用することで、自然な成長をサポートしながら歯並びを整えることが可能となります。
例えば、指しゃぶりや口呼吸といった生活習慣によって、歯並びや顎の成長に悪影響が出ることがあります。プレオルソは、そうした習慣の改善にも役立つ設計がされており、歯列だけでなく口元全体のバランスを整えることができます。そのため、歯科矯正だけでなく、口呼吸を鼻呼吸に誘導することや、正しい舌の位置を促す働きも期待できます。
このように、プレオルソは単に歯を動かす装置ではなく、お子さまの成長を活かしながら口腔機能全体を整える矯正治療の一つとして注目されています。今回は、このプレオルソについて、その特徴やメリット、使用時の注意点まで詳しくお伝えしていきます。これからお子さまの矯正を考えている保護者の方の参考になれば幸いです。
プレオルソの特徴と仕組み
プレオルソは、成長期のお子さまのために設計されたマウスピース型の矯正装置です。柔らかいシリコン系の素材で作られており、歯に強い力をかけず、無理のない範囲で歯並びや顎の成長を整えていくのが特徴です。この柔軟性が、従来の金属ブラケット矯正とは大きく異なるポイントであり、お子さまにとって快適な装着感を提供します。
仕組みとしては、プレオルソは「機能的矯正装置」と呼ばれるタイプに分類され、単に歯を動かすだけではなく、顎の発育や口腔周囲筋(くちびるやほほ、舌などの筋肉)のバランスを整えることも目的としています。特に、口呼吸が原因で歯並びが悪くなったり、舌の使い方が不適切で歯列が崩れるケースに対して有効に働きかけます。
例えば、プレオルソのデザインには舌の位置を正しく誘導するためのガイドが設けられており、装着している間に自然と舌が正しい位置におさまるようになっています。これにより、舌の圧力が適切に歯列や顎に伝わり、バランスの良い口腔環境が育まれます。さらに、口唇閉鎖力(唇を閉じる力)を鍛える効果も期待でき、口呼吸の改善にもつながります。
また、プレオルソは取り外しができるため、食事や歯磨きの際には外すことが可能です。これにより、装置による食べかすの付着や虫歯リスクが軽減され、口腔衛生を保ちやすいのも大きなメリットです。就寝時と日中の決められた時間に装着することで、無理なく治療を進めていくことができます。
このように、プレオルソはお子さまの成長に合わせて、歯並びと顎の発育をサポートする装置です。痛みや違和感が少なく、自然な形で歯並びを整えられる仕組みが、多くの保護者の方から選ばれる理由となっています。
プレオルソが適している子どもとは
プレオルソは、すべてのお子さまに適しているわけではありません。特に効果が期待できるのは、成長期にあり、顎の骨がまだ柔らかく、歯や顎の位置が変わりやすい時期のお子さまです。一般的には、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」(おおむね5歳から10歳頃)のお子さまに適応することが多いです。この時期は、顎の成長が活発で、歯並びを整えるための準備段階として最適なタイミングです。
特に以下のような特徴が見られるお子さまには、プレオルソが適しています。
- 前歯の隙間が大きい 成長に伴い歯が並び替わる時期ですが、隙間が広すぎると将来的に歯並びが悪くなる可能性があります。プレオルソは、この段階でバランス良く歯を並べるために活用できます。
- 噛み合わせが深い、または浅い 上下の歯の噛み合わせが深すぎる、あるいは開いている状態(開咬)のお子さまにもプレオルソは適応されることがあります。噛み合わせを改善することで、顎の発育を正しい方向に導きます。
- 指しゃぶりや口呼吸などの習慣がある これらの習慣が続くと、歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼします。プレオルソは、舌や唇の筋肉の使い方を改善する設計がされているため、これらの習慣を見直すサポートも行えます。
- 舌の位置や使い方に問題がある 舌が正しい位置に収まらず、歯列に悪い影響を与えている場合にも効果的です。プレオルソには舌を正しい位置に誘導するガイドが設けられており、自然な舌の動きや姿勢が身につきます。
一方で、永久歯が生えそろってからの大人の矯正や、大きく歯並びが乱れているケース、骨格的なずれが大きい場合は、他の矯正方法が適していることもあります。そのため、適応については歯科医師の診断が必要です。
このように、プレオルソは成長期のお子さまの自然な発育を利用し、歯並びや噛み合わせを無理なく整えるための装置です。お子さまの歯並びが気になり始めた際は、まず歯科医院でご相談いただくことをおすすめします。
プレオルソのメリットとデメリット
プレオルソはお子さまの歯並びや口腔機能を整えるための有効な矯正装置ですが、すべての治療方法と同様に、メリットとデメリットの両面があります。ここでは、プレオルソを検討する際に知っておきたいポイントを詳しくご紹介します。
プレオルソのメリット
まずは、プレオルソのメリットから見ていきましょう。
- 柔らかい素材で痛みが少ない プレオルソはシリコン系の柔らかい素材で作られており、金属の矯正器具と比べて歯や歯茎への刺激が少ないため、痛みや違和感を感じにくいのが大きな特徴です。お子さまが嫌がらずに矯正治療を継続しやすいという点で、多くの保護者の方に選ばれています。
- 取り外しができて衛生的 食事や歯磨きの際には取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクが軽減されます。特に成長期のお子さまにとって、口腔ケアをしやすいのは大きな利点です。
- 歯並びだけでなく口腔機能も改善できる プレオルソは、舌や唇の筋肉のバランスを整える設計がされており、口呼吸を鼻呼吸に改善したり、正しい舌の位置を習慣づけることが可能です。これにより、歯並びだけでなく、全体的な口腔機能の向上にもつながります。
- 顎の成長を利用して自然に歯並びを整える 成長期のお子さまの柔らかい骨を活かして、顎の発育をサポートしながら歯並びを整えることができます。これにより、将来的な本格的な矯正治療が必要なくなる、あるいは治療期間が短縮される可能性もあります。
プレオルソのデメリット
一方で、プレオルソにも知っておきたいデメリットがあります。
- 装着時間を守る必要がある プレオルソは取り外しができる利便性がある一方で、決められた時間(通常は就寝時+日中の1〜2時間)をしっかり守って装着する必要があります。お子さまが装着を忘れてしまったり、嫌がって外してしまうと、効果が十分に得られない場合があります。
- 適応できないケースもある 骨格的なずれが大きい場合や、永久歯がすべて生えそろった大人には適応できないことがあります。状態によっては、他の矯正治療が必要になる場合がありますので、歯科医師の診断が欠かせません。
- 見た目の変化がゆるやか プレオルソは無理に歯を動かすのではなく、成長を活かして少しずつ歯並びや顎を整える装置です。そのため、劇的な変化を短期間で実感できるわけではありません。じっくりと継続することが求められます。
このように、プレオルソにはさまざまな利点がありますが、しっかりと理解した上で治療を始めることが大切です。
プレオルソと他の矯正装置との違い
矯正治療にはさまざまな装置がありますが、それぞれ目的や仕組みが異なります。ここでは、プレオルソと他の一般的な矯正装置(ワイヤー矯正、マウスピース型矯正装置など)との違いについて詳しくご紹介します。
ワイヤー矯正との違い
最も広く知られているのが、ブラケットとワイヤーを使った矯正装置です。これは歯の表面に小さなブラケットを接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法で、細かい調整が可能なため、複雑な歯並びの改善にも対応できます。しかし、金属製の器具が常に口の中にあるため、違和感や痛みが出やすく、見た目が気になるというデメリットもあります。また、取り外しができないため、歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる場合もあります。
一方、プレオルソは取り外しができ、柔らかい素材でできているため、違和感や痛みが少なく、見た目も気になりません。 ただし、ワイヤー矯正ほど細かな歯の移動には対応しておらず、成長期の子どもの顎の成長を利用するタイプの装置であるため、適応範囲が異なります。
マウスピース型矯正(インビザラインなど)との違い
透明なマウスピースを使った矯正方法も人気があります。これは、成⼈を中心に使われることが多く、歯を少しずつ動かすために段階的にマウスピースを交換していく仕組みです。見た目がほとんど気にならず、取り外しも可能で、日常生活への影響が少ないのが特徴です。
プレオルソもマウスピース型の装置ですが、最大の違いはその目的と機能です。
インビザラインなどのマウスピース型矯正は「歯そのものを動かす」ことが主目的ですが、プレオルソは「顎の成長を促しながら歯並びや口腔機能を整える」ことを目的としています。さらに、プレオルソは舌や唇、頬の筋肉といった口腔周囲筋のバランスを整える働きもあり、単なる歯列矯正にとどまらず、呼吸や発音、姿勢の改善にも寄与するのが特徴です。
床矯正との違い
床矯正は、歯が並ぶスペースが足りない場合に、装置で顎を少しずつ広げていく方法です。こちらも取り外し可能で、成長期のお子さまに適していますが、主に「スペースの確保」が目的です。
一方、プレオルソは、スペースを広げるだけでなく、噛み合わせや口腔機能も同時に改善できるという点で異なります。特に、口呼吸や舌癖がある場合にその改善を図れる点が、他の矯正装置とは大きく異なるポイントです。
このように、プレオルソは「成長期の顎の発育」と「口腔機能の改善」に重きを置いた矯正装置であり、他の矯正方法とは目的や効果が異なります。
プレオルソ使用中の注意点とケア方法
プレオルソは取り外し可能なマウスピース型矯正装置で、快適に使えることが大きなメリットですが、効果をしっかり得るためには、いくつかの注意点と適切なケアが必要です。ここでは、プレオルソを使用する際に押さえておきたいポイントを詳しくお伝えします。
装着時間をしっかり守る
プレオルソの効果を発揮するためには、1日に決められた装着時間を守ることが非常に重要です。一般的には、夜間の就寝時+日中の1~2時間の装着が推奨されています。この装着時間をきちんと守ることで、顎の成長を促し、歯並びや口腔機能の改善が期待できます。
ただし、お子さまが装着を嫌がったり、忘れてしまったりすることもあるため、保護者の方のサポートが不可欠です。お子さまと一緒に装着する時間を確認したり、生活のルーティンに組み込んだりすることで、自然と習慣化しやすくなります。
装置の洗浄と保管方法
プレオルソは口の中に入れる装置のため、常に清潔に保つことが大切です。使用後は、流水でよく洗い、専用の洗浄剤や柔らかいブラシを使って汚れを落としましょう。歯磨き粉には研磨剤が含まれていることがあるため、プレオルソの洗浄には使用しないように注意してください。
また、使用しないときは専用のケースに入れて保管することで、衛生的に保てます。ケースを使わずにそのまま置いておくと、ほこりや雑菌が付着し、口腔内トラブルの原因になることがありますので、忘れずにケースを利用しましょう。
口腔内の清掃を丁寧に行う
プレオルソを使っている間は、通常よりも口腔内の清掃を丁寧に行うことが大切です。特に、食事後は歯磨きをしっかり行い、食べかすやプラークを取り除くように心がけましょう。口腔内を清潔に保つことで、虫歯や歯肉炎のリスクを防ぐことができます。
また、装置の装着前には必ず歯磨きを行い、清潔な状態で装着することが望ましいです。これにより、装置と歯の間に汚れがたまるのを防ぎ、健康な口腔環境を維持できます。
定期的な歯科医院でのチェック
プレオルソを使用する期間中は、定期的に歯科医院で診察を受けることが必要です。装置のフィット感や歯並び、顎の成長具合を確認し、必要に応じて調整を行います。装置が合わなくなってきた場合や、お子さまの成長によって状態が変わった場合には、早めに対処することでスムーズな治療が続けられます。
このように、プレオルソを効果的に活用するためには、装着時間の管理、装置や口腔内の清潔さの維持、そして定期的な歯科医院でのチェックが欠かせません。
プレオルソを始めるタイミングと治療の流れ
お子さまの歯並びや噛み合わせが気になり始めたとき、「いつから矯正治療を始めればいいのか?」と悩まれる保護者の方も多いのではないでしょうか。プレオルソは成長期の顎の発育を利用する矯正装置であるため、適切なタイミングで始めることが治療効果を最大限に引き出すポイントとなります。ここでは、プレオルソを始める時期と治療の流れについて詳しくご紹介します。
プレオルソを始める最適なタイミング
プレオルソの適応時期は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」(一般的には5歳から10歳頃)がおすすめです。この時期は、顎の骨がまだ柔らかく、成長が活発なため、歯並びや噛み合わせを自然な成長とともに整えることが可能です。特に、指しゃぶりや口呼吸、舌癖(舌の位置が悪い習慣)などが見られるお子さまには、早めの対応が効果的です。
また、前歯が並ぶスペースが不足している場合や、噛み合わせが深い・浅いといった状態も、早期に改善することで将来的な矯正治療の負担を軽減できる可能性があります。お子さまの口元や歯並びが気になった際は、早めに歯科医院を受診し、診断を受けることが大切です。
プレオルソ治療の基本的な流れ
- 初診・カウンセリング まずは歯科医院でのカウンセリングを行います。お子さまの歯並び、噛み合わせ、口腔内の状態を詳しく確認し、プレオルソが適応となるかどうかを判断します。この際、保護者の方から気になる点をお聞きしながら、治療方針を立てていきます。
- 精密検査 必要に応じて、レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の採取などを行い、歯や顎の状態をより詳しく分析します。これにより、治療計画を具体的に立てていきます。
- 装置の製作とフィッティング お子さま専用のプレオルソを製作し、フィッティングを行います。装着方法やお手入れの仕方を保護者の方とお子さまに丁寧にご説明します。この時、違和感やフィット感を確認し、必要に応じて微調整を行います。
- 装着開始と定期的なチェック 治療がスタートしたら、1日に就寝時+1~2時間の装着を目標に進めていきます。定期的に歯科医院で装置の状態や歯並び、噛み合わせの変化を確認し、成長に合わせた調整を行います。お子さまの成長段階によっては、装置の交換や新たな治療計画が必要になる場合もあります。
- 治療終了と経過観察 プレオルソによる治療が完了したら、次は経過観察の段階です。歯並びや口腔機能が安定しているかを確認し、必要があれば簡単な保定処置(歯並びを安定させるための管理)を行います。成長が落ち着くまでは、定期的なチェックを続けていきます。
このように、プレオルソは早期のタイミングで始めることで、自然な成長を活かしながら無理のない矯正治療が進められます。保護者の方とお子さまが安心して治療を受けられるよう、歯科医院としっかり連携しながら進めていくことが大切です。
終わりに
今回は、お子さまの歯並びや噛み合わせを整えるための矯正装置「プレオルソ」について詳しくご紹介しました。プレオルソは、成長期のお子さまの顎の発育を利用しながら、無理なく歯並びや口腔機能を改善していくマウスピース型矯正装置です。柔らかい素材で作られており、痛みや違和感が少なく、取り外しが可能なため、矯正治療へのハードルが低く感じられるのが大きな特徴です。
また、歯並びを整えるだけでなく、舌の位置や口呼吸といった口腔機能にもアプローチできる点は、他の矯正装置にはないプレオルソならではの魅力です。お子さまの将来的な健康や発育において、歯並びや噛み合わせはとても大切な要素です。早い段階で正しい成長をサポートすることが、将来のお子さまの健康的な生活につながります。
とはいえ、すべてのお子さまがプレオルソの適応となるわけではありません。骨格や歯並びの状態、生活習慣によっては、他の矯正治療が適している場合もあります。お子さまの状態に合わせて、最適な治療方針を立てるためには、まずは歯科医院での診察とご相談が必要です。