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小児歯科受診を高校生が躊躇する理由とは?

・うちの子、高校生になってから小児歯科を嫌がるようになった
・「もう子どもじゃない」と言って、受診をためらっている
・自分で予約を取ることも億劫に感じているみたい
・定期検診を避けるようになってきて少し心配
・今通っている歯科が本当に合っているのかも悩んでいる

成長と共に訪れる「子どもから大人への移行期」。この時期、心も体も大きく変化する高校生にとって、「小児歯科」は時に“幼い場所”に感じられることもあります。でも実は、小児歯科には高校生だからこそ得られるメリットがたくさんあるのです。

本記事では、高校生が小児歯科の受診を躊躇する背景とその心理、小児歯科が高校生にも適している理由、そして保護者ができるサポートまで丁寧にご紹介していきます。

この記事を読むことで、お子さんが安心して通える歯科医院の選び方がわかり、歯の健康をしっかり守ることにつながります。

「高校生でも小児歯科でいいの?」という疑問を解消しながら、親子で納得のいく歯科受診を目指しましょう。

高校生が小児歯科をためらう理由とは?

高校生になると、これまで当たり前のように通っていた小児歯科を突然「もう行きたくない」と言い出すことがあります。親としては、「なぜ?」と疑問に思うかもしれません。実は、この変化の背景には、思春期ならではの心理や環境の変化が大きく関係しています。

まず挙げられるのが、“年齢的な違和感”です。待合室で小さな子どもや保護者が多く見られる小児歯科において、高校生自身が「ここに自分がいるのは場違いでは?」と感じてしまうことがあります。自立心が芽生え、社会の中での自分の立ち位置を強く意識し始めるこの時期、”子ども扱いされる”ことを敏感に捉える傾向が強まるのです。

また、小児歯科の診療スタイルや空間デザインも、高校生にとっては「子どもっぽい」と感じられることがあります。カラフルな内装やキャラクターの装飾、明るく元気な対応は、小さな子どもにとっては安心材料であっても、思春期の心には照れや恥ずかしさを呼び起こす要素にもなりえます。

さらに、学校生活の忙しさや部活動、友人関係の変化により、自分の歯の健康管理が後回しになってしまうことも。「虫歯はないし、今は大丈夫」と思い込んで受診を先延ばしにするケースも少なくありません。

加えて、高校生になると一般歯科の存在を意識し始め、「もう小児歯科は卒業すべき?」と感じるようになります。インターネットやSNSでの情報収集も増え、自分で歯科を選ぶ意識が芽生えることで、現在通っている小児歯科に対して漠然とした疑問を持つようになるのです。

このように、高校生が小児歯科の受診をためらうのには、心理的な抵抗感と環境的な違和感が複雑に絡み合っています。ですが、小児歯科は「子どものためだけの場所」ではなく、成長期の口腔管理に特化した大切な医療の場でもあります。次のセクションでは、高校生の心理と“子ども扱い”への抵抗感についてさらに掘り下げていきます。

思春期の心理と“子ども扱い”への抵抗感

高校生が小児歯科の受診に抵抗を感じる背景には、「思春期特有の心理的な変化」が深く関係しています。この時期の子どもたちは、身体だけでなく心も大きく成長し、自我が強くなり始めます。その中でも特に顕著なのが、「自立心の芽生え」と「他人からの見られ方への敏感さ」です。

たとえば、「もう高校生なのに子ども扱いされているようで恥ずかしい」と感じたり、「周りに小さな子どもばかりいる場所に通うのは気が引ける」と思ったりするのは自然な反応です。このような気持ちは、成長の証ともいえますが、小児歯科への通院という行動にはブレーキをかける原因にもなります。

さらに、思春期は感情の起伏が激しくなり、親や大人からの指示を素直に受け入れづらくなる時期でもあります。「行きなさい」と言われるほど、反発したくなる気持ちも湧きやすく、これが歯科受診の回避に繋がることもあります。

このような中で、「自分はもう子どもではない」と強く主張したくなる心理が働き、小児歯科という名称自体が受診意欲を下げてしまうケースも少なくありません。「小児」という言葉に、自分が当てはまらないと感じることで、診療の対象外と思い込んでしまうこともあるのです。

また、高校生は“自分の世界”を大切にし始める時期でもあります。友人関係や学校生活が中心になり、家庭の中での役割や親との関係にも変化が見られます。これにより、親が付き添うスタイルが一般的な小児歯科に違和感を覚え、1人で通える一般歯科の方が自分に合っていると考えるようになることもあります。

一方で、本当は歯の健康に不安を抱えていても、それを言い出せなかったり、受診が遅れることで悪化してしまったりするリスクもあります。このような心理を理解し、無理に押し付けるのではなく「なぜそう思うのか?」という気持ちに寄り添う姿勢が、保護者にとって重要です。

次章では、「では小児歯科と一般歯科にはどのような違いがあるのか?」について具体的に見ていきましょう。高校生にとっての“適切な選択肢”を知るためのヒントになります。

小児歯科と一般歯科の違いを正しく理解しよう

高校生が「小児歯科から卒業した方がいいのでは?」と感じる背景には、小児歯科と一般歯科の違いが明確に理解されていないこともあります。ここでは、その違いをわかりやすく整理し、高校生の口腔ケアにとってどちらが適しているのかを考えていきます。

まず、小児歯科は子どもの成長段階に合わせた歯科医療を専門に行う診療科です。対象年齢は一般的に0歳から中学生くらいまでとされていますが、実際には高校生まで対応している小児歯科医院も多くあります。特徴としては、乳歯や生えたての永久歯のケア、歯並びの予防的管理、成長に応じた治療方針の提案が挙げられます。

また、診療環境も小児に配慮されています。治療に対する不安を軽減する工夫や、子どもとの信頼関係を築くコミュニケーション方法、痛みに敏感な子へのやさしい対応など、小児歯科ならではのきめ細やかな配慮がされています。これは高校生にとっても、過去に治療が怖かった経験がある場合などに非常に安心できる環境です。

一方、一般歯科は年齢を問わず成人を中心に診療しており、虫歯や歯周病の治療、被せ物や入れ歯、インプラントなど、成人特有の口腔管理が主な対象です。診療スピードや治療方針も効率性を重視する傾向があり、子どもや思春期の繊細な状態に対応することを前提にしていない場合もあります。

この違いから考えると、高校生という思春期の真っただ中にある年代は、実は小児歯科の方が合っていることも少なくありません。永久歯列が整ってくる一方で、顎の発達や歯並びに関わる変化が続くこの時期には、小児歯科の専門的な視点が有効なのです。

さらに、小児歯科では継続的な定期健診を通じて「虫歯にならない習慣づくり」や「正しいセルフケア」を促すサポートも重視しています。これは、学業や部活で忙しい高校生にとっても非常にありがたいポイントです。

高校生自身が「子どもではない」と感じていても、体はまだ発育途上。口腔の専門管理は成長を見守り続けてきた小児歯科だからこそ提供できる価値があります。

次の章では、なぜ小児歯科が高校生にも適しているのかを、さらに具体的に掘り下げてご紹介していきます。

小児歯科が高校生にも適している理由

「小児歯科=小さな子どもが通う場所」というイメージを持っている方は少なくありません。しかし、実際には高校生にとっても小児歯科は非常に適した診療科であり、その理由は大きく分けて3つあります。

まずひとつ目は、高校生も“成長期の真っただ中”にあることです。永久歯が生えそろい、顔貌や顎の骨格が発達する大切なこの時期は、歯やかみ合わせにも大きな変化が生じます。小児歯科では、これまでの成長記録や治療歴を踏まえて、個別に応じた対応を行うことが可能です。これまで通ってきた小児歯科に継続して通うことで、成長の流れを途切れさせずに診てもらえるという大きなメリットがあります。

二つ目は、精神的なサポートと配慮の手厚さです。高校生は自分の意見や気持ちを持ちつつも、まだ大人のようにすべてを自己管理することは難しい時期でもあります。小児歯科では、「怖い」「恥ずかしい」「不安」といった感情に丁寧に寄り添い、無理なく治療が受けられるような関わり方が基本です。治療前の丁寧な説明や、話しかけのトーン、処置のスピードに至るまで、思春期の心理に配慮した診療が行われます。

そして三つ目は、予防中心の診療スタイルです。高校生はこれから成人へと進んでいく大切な橋渡しの時期。ここで適切な歯磨き習慣や食生活の見直し、フッ素塗布などの予防処置を受けることで、将来の虫歯や歯周病リスクを大きく減らすことができます。小児歯科では、単に「治す」だけでなく、「ならないようにする」ことに力を入れており、これは高校生の生活スタイルにも非常にマッチしています。

また、小児歯科は保護者とのコミュニケーションも重視しており、成長と共に親子で歯の健康を共有する環境を整えてくれます。高校生になると、少し距離ができてしまいがちな親子の会話も、歯科受診を通じて共通の話題として見直すことができるでしょう。

このように、小児歯科は高校生の身体的成長と精神的変化、生活習慣の変化にしっかり寄り添う体制が整っているため、むしろこの時期こそ小児歯科の専門性が生かされるタイミングとも言えます。

次の章では、特に高校生に多い「歯並び」や「矯正」に関する悩みに、小児歯科がどのように対応しているのかを詳しく見ていきましょう。

歯並びや矯正など思春期特有の悩みに寄り添う診療

高校生になると、見た目への意識がこれまで以上に強くなり、歯並びや口元の印象に敏感になる時期でもあります。実際、思春期は矯正治療を始めるかどうかを考える最後のチャンスともいえる大切なタイミングです。小児歯科では、このような思春期特有の悩みに対して、成長に合わせた矯正の提案心理的サポートを含めた丁寧な診療が行われています。

小児歯科の最大の特長の一つは、成長発育を見越した矯正治療ができることです。高校生はすでに永久歯がすべて生えそろっていることが多いですが、骨格や顔の形はまだ発展途上にあります。そのため、小児歯科では「顎の成長を利用した矯正」や「後戻りを防ぐ保定管理」など、一般歯科では見落とされがちな視点からも診療が進められます。

また、矯正治療に対する不安や羞恥心を抱きやすいのもこの時期の特徴です。矯正装置が目立つことへの抵抗感、友達からの視線、会話や笑顔への影響など、本人の心の中にはさまざまな葛藤があります。小児歯科では、そのような心情にしっかり寄り添いながら治療を進める体制が整っており、無理に治療を進めるのではなく、本人のペースに合わせた配慮が大切にされています。

たとえば、「矯正を始めたいけど不安」という高校生には、最初にカウンセリングの時間をしっかり取り、矯正の目的や期間、装置の種類、見た目への影響、費用などを丁寧に説明することで、不安を和らげることができます。また、目立ちにくいマウスピース型矯正装置など、ライフスタイルに合わせた治療提案も行われています。

さらに、小児歯科では矯正中の虫歯予防や歯磨き指導にも力を入れています。矯正装置がついている間は特に歯磨きが難しくなりがちですが、小児歯科では専門的な指導を通じて、治療の質を高く保つサポートが充実しています。

思春期の矯正は、単に見た目を整えるだけでなく、「自信を持って笑えるようになる」「人前で話すのが怖くなくなる」といった心の変化にもつながります。そのきっかけを、小児歯科で安心してスタートできることは、大きなメリットといえるでしょう。

次の章では、保護者としてどのように高校生の歯科受診を支えればよいのか、その具体的な方法についてご紹介していきます。

保護者としてできるサポートとは

高校生になると、自分の意志や判断で行動する場面が増えてきます。その一方で、まだまだ心身の発達途中であり、歯科受診の継続や健康意識の維持には保護者のサポートが欠かせません。思春期特有の反発心や自立心とうまく向き合いながら、お子さんの歯の健康を守るためにできる具体的な関わり方を見ていきましょう。

まず大切なのは、“受診を押し付けないこと”です。たとえ小児歯科をためらっていたとしても、「行きなさい」と強制的に伝えるのではなく、「どうして行きたくないと感じているのか」を一緒に考える対話の姿勢が重要です。本人が自分の気持ちを言葉にできるよう促し、尊重しながら寄り添うことで、心を開いてくれるきっかけが生まれます。

また、“歯の健康が将来に与える影響”を共有することも効果的です。たとえば、「高校生の今からのケアが、将来の自分の見た目や健康につながること」「虫歯や歯並びの影響が進学・就職にも関係すること」など、本人にとって身近で実感しやすいテーマに置き換えて伝えることで、自分事として捉えやすくなります。

次に、生活リズムに合わせた受診スタイルの見直しも検討してみましょう。部活や塾、友人との付き合いなどで忙しい高校生にとって、歯科受診の優先順位はどうしても下がりがちです。夕方以降や土日の診療がある小児歯科を選ぶ、本人の希望するタイミングで予約を取るなど、無理のない通院方法を一緒に考えるとよいでしょう。

さらに、保護者自身がお口の健康に関心を持ち、積極的にケアしている姿勢を見せることも大切です。親の行動が、無意識のうちに子どもの行動に影響を与えることはよくあります。「私も歯医者に行ってきたよ」「一緒に検診を受けようか」など、前向きなメッセージを発することで、お子さんも自然と受診に前向きになってくれることがあります。

加えて、「もう高校生だから」と任せきりにするのではなく、必要に応じて保護者が予約や通院に関わることも必要です。本人の意思を尊重しつつ、必要なサポートはさりげなく提供していく姿勢が理想的です。

高校生という時期は、親子の関係も変化しやすい繊細な時期ですが、その分、適切な距離感と信頼関係が築けると、歯科受診に対する意識も安定しやすくなります。

次の章では、高校生が無理なく、そして安心して通える小児歯科を選ぶためのポイントをご紹介します。どのような医院を選べばよいのか、迷っている方は必見です。

高校生が安心して通える小児歯科の選び方

「高校生でも通いやすい小児歯科ってどう選べばいいの?」と迷う保護者の方は多いかもしれません。思春期の子どもにとって、通院のハードルが下がるかどうかは、歯科医院の雰囲気や対応、配慮の質に大きく左右されます。ここでは、高校生が無理なく、そして安心して通える小児歯科を選ぶ際のポイントをご紹介します。

まず重要なのは、年齢に応じた対応をしてくれる小児歯科であるかという点です。小児歯科というと、乳幼児や小学生を対象としたイメージが強いですが、実際には中高生まで継続して診療している医院も多く存在します。その中でも、診療内容や言葉がけ、コミュニケーションにおいて高校生にふさわしい対応がされているかどうかを確認することが大切です。

次に、プライバシーや恥ずかしさに配慮された環境が整っているかも大きなポイントです。たとえば、診療室がパーティションや個室で区切られている、待合室が子ども向けのデザインに偏っていない、スタッフが丁寧で思春期に適した声掛けをしてくれるなど、少しの工夫が安心感につながります。

また、矯正治療や思春期特有の悩みに対応しているかどうかも確認しておきたい要素です。高校生に多い歯並びやかみ合わせの相談に乗ってくれる、生活に合わせた治療計画を立ててくれる、治療の選択肢やメリット・デメリットを本人にもわかりやすく説明してくれる医院は、信頼できる小児歯科の特徴といえます。

診療時間の柔軟さも、学校や部活で忙しい高校生には欠かせません。平日の夕方や土日にも診療しているか、予約が取りやすいか、急な変更にも対応してもらえるかなど、通院しやすさの点も重要です。

さらに、保護者との連携がスムーズに取れるかどうかも確認したいところです。治療の説明をしっかりしてくれる、疑問に丁寧に答えてくれる、家庭でのケアについても具体的なアドバイスがあるなど、保護者が信頼できる対応があることで、子どもも安心して通院できます。

そして、可能であれば事前にカウンセリングを受けられる歯科医院を選ぶのもおすすめです。いきなり治療に入るのではなく、まずは本人の気持ちや不安を聞きながら方針を決めてくれる医院なら、通院へのハードルも下がりやすくなります。

高校生は、自分の選択を大切にしたいと感じる時期です。そのため、「この歯医者に通う意味がある」「自分に合っている」と思えるような医院選びが重要です。保護者主導ではなく、本人と一緒に医院選びをすることで、納得感と継続性のある通院につながります。

次は、ここまでの内容をまとめつつ、保護者としてどのように行動すればよいかを再確認する「終わりに」の章です。高校生の歯科受診を温かく見守るためのヒントを一緒に整理していきましょう。

終わりに

高校生になると、自立心が芽生える一方で、心や体はまだ成長の途中にあります。「もう小児歯科は卒業?」と感じる年頃ですが、実はこの時期こそ、小児歯科の専門性が活きる大切なタイミングです。

思春期特有の“子ども扱いされたくない”という心理や、忙しい日々の中で歯の健康管理が後回しになってしまう現実。それでも、歯の状態は高校生以降の人生に大きな影響を与える重要な要素です。

今回ご紹介したように、小児歯科はただの「子ども専用の歯医者」ではありません。成長に合わせた診療、思春期に寄り添う対応、矯正や予防に関する専門的な知識を持つ場所として、高校生にも十分に価値があります。

保護者としては、無理に通わせるのではなく、お子さんの気持ちを尊重しながら対話を重ね、信頼できる小児歯科を一緒に探す姿勢がとても大切です。本人の納得があってこそ、継続的な通院が実現します。そしてその継続が、健康な口腔環境を未来にまでつなげてくれます。

「高校生にとっての小児歯科」について少しでも視野が広がり、親子で安心して歯科を選べるヒントになれば幸いです。

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