・プレオルソを使っているのに効果がわからない
・装着時間を守っているつもりなのに結果が出ない
・矯正治療に対して不安を感じている
・情報が多くて正しい判断ができない
・子どものやる気が続かないことに悩んでいる
プレオルソはお子さまの歯並びを整えるための優しい矯正方法ですが、正しい使い方や理解がないと「効果なし」と感じることもあります。
この記事では、プレオルソの基本や効果が現れにくい主な原因、親御さんができる工夫などをわかりやすく解説していきます。
プレオルソの失敗を防ぎ、正しく活用することで、お子さまの歯並びだけでなく健やかな成長もサポートできます。この記事を読むことで、今抱えている不安や疑問のヒントがきっと見つかるはずです。
最終的には、プレオルソを無理なく活かして、お子さまの未来に自信をもってつなげていけるサポートができるようになることを目指します。
プレオルソの効果とは?基本の仕組みを知ろう
プレオルソとは、柔らかい素材でできたマウスピース型の矯正装置で、お子さまの成長期に合わせて歯並びや咬み合わせを整える装置です。見た目はシンプルですが、正しく使うことで多くのメリットが得られます。
プレオルソは「筋機能矯正装置」と呼ばれるカテゴリに属しており、主に口の周りの筋肉や舌の動き、呼吸の癖などに働きかけて歯並びの改善を促します。つまり、歯そのものを無理に動かすのではなく、成長中の骨格と筋肉のバランスを整えることで、自然なかたちで歯列が改善されていくという仕組みです。
プレオルソが持つ3つの働き
- 舌の位置を正しくする 舌が上あごにしっかり収まるように導くことで、口腔内の環境を整えます。これにより、開咬や出っ歯などの不正咬合を予防・改善する効果があります。
- 口呼吸から鼻呼吸へ導く 口呼吸は歯並びの乱れや姿勢不良の原因にもなります。プレオルソを使うことで、自然に鼻呼吸の習慣が身につきやすくなります。
- 唇や頬の筋肉をバランス良く鍛える 唇を閉じる力や、頬の筋肉が強くなり、歯列を外側から圧迫するクセが減少します。結果として歯が本来の位置に戻りやすくなります。
対象年齢と使用時期
プレオルソは5歳〜10歳前後の、骨格がまだ柔軟な成長期に使用するのが一般的です。乳歯列から永久歯への生え変わり期に使うことで、顎の成長を利用しながら効果的に歯並びを整えることができます。
治療に必要な期間とポイント
プレオルソの効果はすぐに現れるものではなく、数ヶ月〜1年単位で少しずつ現れていきます。使用時間(基本的には日中1時間+就寝時)をしっかり守り、定期的に歯科医院でチェックを受けることが、効果を高めるカギとなります。
プレオルソは「育てる矯正」
従来のワイヤー矯正が「動かす矯正」ならば、プレオルソは「育てる矯正」といえます。成長期に合わせて、自然な形で歯と顎のバランスを整えることができるので、負担が少なく、子どもにとってもストレスの少ない方法です。
プレオルソの効果を最大限に引き出すには、保護者の理解とサポートも不可欠です。まずはその基本を正しく知ることからスタートしていきましょう。
プレオルソの効果が感じられない主な原因5選
プレオルソを始めたものの、「あまり効果が見えない」「ちゃんと使っているのに変化がない」と感じる親御さんも少なくありません。ですが、それにはいくつかの共通した原因が存在します。ここでは、プレオルソの効果が感じられにくい5つの代表的な理由を詳しく解説します。
1. 装着時間が足りない
プレオルソの基本的な使用目安は「日中1時間+就寝時の装着」です。しかし、これを継続できていないと、期待する効果は得られません。お子さまの生活リズムや意思に任せきりにしてしまうと、装着が不規則になり、十分な作用が発揮されなくなります。
2. 正しい装着ができていない
プレオルソはただ口に入れているだけではなく、「きちんと歯列と合っているか」「舌の位置が正しいか」なども大切です。装置がずれていたり、口が開いたままだと筋機能訓練としての効果が半減します。歯科医院でのフィッティング確認や、家庭でのチェックが重要になります。
3. 成長のタイミングに合っていない
プレオルソは成長期の柔らかい骨格を利用して矯正していくものです。すでに顎の骨の成長が進んでしまったタイミングで始めると、効果が現れにくい場合があります。開始時期の見極めは、歯科医師の判断を仰ぐことが大切です。
4. お子さまの協力が得られていない
治療において、お子さま本人のやる気や習慣づけも効果に直結します。嫌がって装着をしなかったり、勝手に外してしまう場合、矯正力が持続せず、治療効果が得られません。装着の必要性や目的をわかりやすく伝えることが保護者の役割となります。
5. 他の原因が歯並びに影響している
歯並びの乱れは、遺伝だけでなく、指しゃぶりや口呼吸、舌癖など、様々な生活習慣や癖が関与しています。プレオルソ単体で全てを改善できるとは限らず、これらの要因を見直さなければ根本的な改善は難しくなります。
プレオルソの効果が出ないと感じた場合、単なる「合わない」ではなく、こうした原因をひとつずつ丁寧に見直していくことで改善できるケースも多くあります。次章では、特に多い原因「間違った使い方」が子どもの口腔環境にどのような影響を与えるかを深掘りしていきます。
間違った使い方がもたらす影響
プレオルソは、正しく使えば自然なかたちで歯並びや咬み合わせを改善していける優れた矯正装置です。しかし、使用方法を誤ってしまうと、期待される効果が得られないばかりか、逆に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。ここでは、間違った使い方が引き起こす具体的な問題について見ていきましょう。
不適切な装着状態による影響
装着時にプレオルソがずれていたり、しっかり奥まで噛み込んでいない状態が続くと、筋機能への刺激が十分に働かなくなります。本来の位置で舌が上あごに収まらず、口呼吸や舌癖の改善が見込めないままになることもあります。
また、顎の成長や歯の生え変わりのタイミングに合わせて装置が合わなくなる場合もあるため、定期的なフィッティングの確認は欠かせません。サイズが合っていないまま続けてしまうと、むしろ顎のズレや噛み合わせのバランスを乱すリスクもあります。
不十分な装着時間
日中の1時間+就寝時という基本的な使用時間を守らなければ、プレオルソの効果は大幅に低下します。とくに、寝ている間の装着ができていないと、筋肉への継続的な刺激が失われ、結果として装置が「ただ口に入っているだけ」になってしまいます。
忙しい生活の中で、装着が習慣になっていない家庭では、いつのまにか装着を忘れてしまっていたり、夜中に外してしまっていたりということもよくあります。装着時間を確保するためには、生活リズムへの組み込みや保護者のサポートが大切です。
口呼吸のまま使用している
プレオルソの大きな目的の一つは「口呼吸から鼻呼吸への誘導」です。しかし、口が常に開いていたり、無意識に口呼吸をしてしまっていると、本来の機能訓練効果が得られません。特に睡眠時、口が開いてしまっている場合は、口テープや就寝前の声かけなどの対策が必要です。
お手入れ不足による問題
装置の清掃が十分に行われていないと、菌の繁殖や口臭、粘膜トラブルの原因になります。これによりお子さまが装着を嫌がるようになり、継続が困難になるという悪循環に陥ることもあります。使用後は水洗いと定期的な消毒を心がけましょう。
プレオルソの効果を最大限に引き出すためには、「ただ使う」のではなく「正しく使う」ことが何よりも重要です。次章では、プレオルソの装着時間と効果との関係について、より具体的に解説していきます。
装着時間と効果の関係
プレオルソを使用するうえで非常に重要なのが「装着時間」です。プレオルソは、歯や顎の位置を強制的に動かすのではなく、筋肉や舌の使い方、呼吸の仕方などを改善することで、間接的に歯並びや咬み合わせを整えていく矯正方法です。そのため、毎日の積み重ねが何よりも効果に直結します。
効果的な装着時間の目安
プレオルソの基本的な装着時間は、
- 日中に約1時間
- 就寝中の装着(約8時間) です。
この「日中1時間+夜の就寝中の装着」を継続することが、治療の成功には欠かせません。とくに、就寝時の装着はお口の周囲の筋肉がリラックスしている時間帯であり、プレオルソの機能が最も活かされる時間です。
なぜ装着時間が重要なのか
筋肉や習慣の変化には「繰り返し」が必要です。プレオルソは歯そのものではなく、口腔周囲の筋肉に働きかけて、正しい咬み合わせ・呼吸・舌の動きを「再教育」する装置です。そのため、短時間だけの装着では変化を体に覚えさせることができません。
また、成長期の子どもの骨や筋肉は変化しやすい一方で、元の癖にも戻りやすい傾向があります。一定期間以上、適切な装着時間を保ち続けることで、定着させることができるのです。
装着時間が不足するとどうなる?
- 筋肉への刺激が不十分になり、歯列の自然な改善が進まない
- 舌癖や口呼吸などの悪習癖が改善されない
- 顎の正しい成長が妨げられ、噛み合わせが整いにくくなる
- 結果として、矯正期間が長引いたり、満足のいく結果が得られなかったりする
装着を継続させるための工夫
お子さまが嫌がらずに装着を続けられるようにするためには、以下のような工夫も効果的です。
- 装着する時間帯を「毎日の習慣」に組み込む(例:入浴後〜就寝まで)
- スケジュール表を活用して記録をつける
- 親子で装着時間を確認する習慣を作る
- 頑張りを「見える化」してほめる工夫をする
装着時間は、プレオルソの効果を引き出すための“基礎の柱”です。どんなに優れた装置でも、正しく使われなければ十分な力を発揮できません。次の章では、装着時間だけではカバーできない「成長のタイミング」の大切さについて解説していきます。
成長期に合った治療タイミングとは?
プレオルソのようなマウスピース型の矯正装置は、成長中の子どもだからこそ効果を発揮します。しかし、その効果を最大限に引き出すためには「いつ始めるか」がとても重要です。成長期は子どもの身体が大きく変化する時期であり、歯並びや咬み合わせにも大きな影響を与えるからです。
プレオルソを始める最適な年齢
一般的にプレオルソの治療開始は5歳〜10歳前後が推奨されています。これは、
- 顎の骨がまだやわらかく、成長によって形が変えられる
- 乳歯から永久歯への生え変わりが始まる時期
- 生活習慣が安定し、装着の継続が可能になってくる という理由からです。
このタイミングでの治療は、将来的に大がかりな矯正治療を避けられる可能性を高める意味でも有効です。
早すぎても遅すぎても効果が出にくい理由
早すぎるタイミング(例:3〜4歳)では、装着自体が難しく、本人の協力も得にくいため、継続が困難になりがちです。一方、11歳以降の思春期に入ると顎の成長がほぼ終わりかけているため、筋機能のトレーニング効果が弱くなり、プレオルソの目的である「自然な歯列改善」が難しくなる場合があります。
また、永久歯列が完成し始める時期になると、歯を動かすための装置(ワイヤー矯正など)が必要になるケースも増えてきます。
成長の“波”を活かす
子どもの成長には、急激に骨や筋肉が発達する「スパート期」があります。この時期にプレオルソを使用することで、自然な成長力を後押しとして活用することができます。たとえば、顎が狭いお子さまも、スパート期に合わせて装置を使えば、無理なく口腔内のスペースを確保することができる可能性があります。
タイミングを見極めるポイント
- 前歯の永久歯が生えてきたタイミング(6〜8歳ごろ)
- 乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」
- 指しゃぶり・口呼吸・舌癖が見られる場合
こうした状態が見られる場合は、早めに歯科医院で相談することが大切です。成長の流れに合わせた矯正ができるかどうかは、タイミングの見極めにかかっているといっても過言ではありません。
プレオルソ治療の成否は、「始めるタイミング」に大きく左右されます。早すぎず、遅すぎず、成長のリズムに合わせてスタートすることで、お子さまの自然な力を最大限に引き出せるのです。次章では、プレオルソが歯並びだけでなく、全身に与えるプラスの効果について紹介していきます。
歯並び以外にもあるプレオルソのメリット
プレオルソは「歯並びを整える」ための矯正装置として知られていますが、実はそれ以外にもお子さまの成長にプラスとなる多くの効果があります。歯並びだけに注目していると見落としがちな、プレオルソの“全身的なメリット”についてご紹介します。
1. 口呼吸の改善による健康への影響
プレオルソは舌や唇の位置を正しく導くことで、自然と口呼吸から鼻呼吸へ移行できるようサポートします。鼻呼吸には以下のような健康メリットがあります:
- ウイルスやアレルゲンの侵入を防ぎやすくなる
- 鼻の中で空気が加湿・加温され、喉の乾燥を防げる
- 睡眠の質が向上し、成長ホルモンの分泌が促される
特に就寝中の口呼吸は、風邪やいびき、集中力の低下にもつながるため、呼吸の質を改善することはとても大切です。
2. 姿勢改善への波及効果
顎や舌の位置、呼吸が整うと、自然と身体のバランスにも良い影響が出てきます。たとえば:
- 猫背や前傾姿勢が改善される
- バランス感覚が安定しやすくなる
- 首や肩への余計な負担が軽減される
顎の成長や呼吸の通り道は、首や背骨のラインと密接に関係しています。そのため、プレオルソを使うことで無理なく自然な姿勢が身につくお子さまも多く見られます。
3. 発音や滑舌の改善
舌の位置が正しくなると、発音も明瞭になります。サ行・タ行など、舌の動きが重要になる音の発音がしやすくなるため、学校生活やコミュニケーションの自信にもつながります。
特に、舌足らずな話し方や滑舌の悪さを気にしているお子さまには、プレオルソの使用がプラスの変化をもたらすことがあります。
4. 食べ方・飲み込み方のトレーニング
プレオルソの装着によって、口の周囲の筋肉が鍛えられると、食事時の咀嚼や飲み込みの動作も改善されます。食べこぼしや飲み込みにくさが軽減され、食事の姿勢や口の動きにも良い影響を与えます。
また、唇を閉じる力が強くなることで、食事中に口を開けっぱなしにしない習慣もついていきます。
プレオルソは「歯並び矯正」の枠を超え、呼吸、姿勢、発音、食事といったお子さまの生活全般に寄り添う総合的なサポート装置です。次章では、こうした効果を十分に引き出すために、親御さんが日常でできるサポートについてお伝えしていきます。
効果を引き出すために親ができること
プレオルソの矯正治療は、お子さまの成長をサポートする自然な方法ですが、その成果を最大限に引き出すには保護者の協力が欠かせません。とくに幼いお子さまの場合、自発的な継続は難しく、親の関わり方ひとつで、装着の習慣化や治療の進み具合が大きく変わってきます。ここでは、家庭でできる具体的なサポート方法を紹介します。
1. 毎日の装着時間を一緒に管理する
プレオルソの使用は「日中1時間+就寝時」が基本ですが、忙しい日々の中では忘れてしまうこともあります。そんなときに効果的なのが、タイムスケジュールの可視化です。
- カレンダーやシール表を使って記録をつける
- 使用時間を親子で一緒に確認する時間を作る
- 「使えたね!」「頑張ったね!」と日々の声かけをする
これにより、子ども自身が達成感を持てるようになり、継続へのモチベーションが高まります。
2. 無理なく装着できる環境を整える
装着中にテレビを見たり、本を読んだりする時間と重ねると、自然な流れでプレオルソを使うことが習慣化しやすくなります。また、寝る前のルーティンの中に「装着する」という動作を取り入れることも効果的です。
- 寝室に行く前にプレオルソを装着するよう促す
- リラックスできる環境で、ストレスなく装着できるようにする
嫌がるときは無理強いせず、徐々に慣れるよう寄り添う姿勢が大切です。
3. 装置のお手入れを一緒にする
プレオルソを清潔に保つことは、快適な装着と治療効果の維持につながります。親子で一緒にお手入れをすることで、衛生面の意識づけにもなります。
- 使用後は必ず流水で洗い、週1〜2回は専用洗浄剤を使う
- 「今日はきれいにできたかな?」と一緒にチェックする
- 洗い忘れがないよう、手順をルーティンに組み込む
お手入れの時間が親子のコミュニケーションにもなります。
4. お子さまの変化に敏感になる
プレオルソの使用中に口の中に違和感が出たり、噛み合わせに変化がある場合は、すぐにかかりつけの歯科医院に相談することが大切です。成長に伴って装置が合わなくなることもあるため、違和感や痛みを見逃さないことが大事です。
また、呼吸や発音、姿勢などに良い変化が見られたら、しっかりとそれを伝えてあげましょう。「前よりうまくできてるね!」という言葉は、子どもにとって大きな励みになります。
親御さんが日常の中でちょっとした気づかいや工夫を積み重ねることが、プレオルソの効果を最大限に高める大きな力になります。矯正治療はお子さま一人で行うものではなく、「親子で一緒に取り組む健康習慣」として、楽しく前向きに進めていきましょう。次章では、ここまでのまとめとして「終わりに」をお届けします。
終わりに
プレオルソは、成長期のお子さまの自然な力を活かして、歯並びや口の機能を整えていくやさしい矯正方法です。しかし、「効果がない」と感じてしまう背景には、装着時間の不足、誤った使い方、治療のタイミングのズレなど、見逃しやすい落とし穴が潜んでいることも少なくありません。
今回ご紹介したように、
- プレオルソの正しい仕組みや目的を理解すること
- 使用状況やお子さまの成長に合わせたサポートを行うこと
- 保護者のあたたかい関わりを習慣として続けること これらのポイントを押さえることで、装置本来の力をしっかり引き出すことができます。
矯正治療は長い道のりに感じられるかもしれませんが、日々の積み重ねが必ず結果へとつながります。そしてその過程こそが、お子さまの健康と笑顔を守るための大切なステップです。
「使っているのに効果が見えない」と不安に感じたときは、一人で抱え込まず、ぜひかかりつけの歯科医院に相談してみてください。適切なアドバイスや見直しを行うことで、新たな前進が見えてくるはずです。
お子さまの健やかな成長と素敵な笑顔のために、これからも一緒にサポートしていきましょう。
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