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子どもが暴れる・怖がる時の歯医者での対応と親ができるサポート

・うちの子は歯医者が怖くて毎回泣いてしまう。

・診察台に座るだけで暴れてしまい、治療が進まない。

・親としてどう対応すればよいのかわからない。

・小児歯科医はどんな工夫をしているの?

・診療後も子どもの心をケアしてあげたい。

子どもが歯医者を怖がるのは自然なことです。

しかし、怖がるあまり暴れてしまったり、診療そのものができなくなってしまうと、親としてもとても心配になります。

この記事では、小児歯科医が行う暴れる・怖がる子どもへの対応法や、親ができる具体的なサポートをわかりやすくお伝えします。

読むことで、子どもが安心して歯医者に通えるようになるヒントがきっと見つかります。

最終的には「歯医者は怖くない場所」と親子で感じられるようになることを目指しましょう。

子どもが歯医者を怖がる理由とは?

子どもが歯医者を怖がるのはとても自然なことです。

特に初めての経験や以前の診療で痛みを感じた記憶があると、「怖い場所」というイメージが強くなります。

まず理解してほしいのは、子どもは大人ほど理屈で物事を受け止められないということです。

以下のような理由で恐怖心が生まれやすくなります。

・初めて見る道具や機械の音が怖い

・診察室の雰囲気が緊張を高める

・口を開けられる、抑えられる感覚が不安を呼ぶ

・「痛いかもしれない」という先入観がある

・以前の治療で嫌な思いをしたことがある

特に3歳〜5歳ごろの子どもは、自分の気持ちを言葉でうまく表現できないため、泣いたり、嫌がったり、暴れたりすることで「怖い」を表現します。

また、親の様子も子どもには大きな影響を与えます。

親が緊張していたり、「痛くないから頑張ってね」と繰り返し声をかけると、逆に「これは痛いことなんだ」と子どもが身構えてしまうこともあります。

歯科医院という場所は、子どもにとって「非日常の場所」です。

非日常だからこそ、緊張や不安が高まるのは自然な反応だと受け止めましょう。

ここで大切なのは、

・子どもが怖がることを否定しない

・「怖くないよ!」と無理に説得しない

・まずは気持ちを受け止める姿勢を持つ

ということです。

小児歯科医は、こうした子どもの心理を理解し、一人ひとりに合わせた対応を心がけています。

子どもが怖がる背景を知ることで、親としてもできるサポートが見えてきます。

次の章では、小児歯科医院で具体的にどんな対応が行われているのかを詳しく紹介していきます。

小児歯科での対応方法

小児歯科では、子どもが怖がったり暴れたりすることを前提に、特別な工夫をしています。

これは、子どもの心を守りながら治療を進めるための大切な配慮です。

まず、診療前に「ラポール形成」と呼ばれる関係作りを行います。

これは、簡単に言うと「信頼関係を築く時間」です。

いきなり治療を始めるのではなく、

・歯医者さんやスタッフと笑顔で挨拶する

・診療室を一緒に見て回る

・使う道具を触ったり見せたりする

といった小さなステップを踏むことで、子どもに「ここは怖くない場所だ」と思ってもらうのです。

診療中には、子どもが理解できる言葉を使います。

例えば「これから口の中をきれいにするよ」「お水がシャワーみたいに出るよ」など、わかりやすく、優しい表現に置き換えます。

さらに、小児歯科医やスタッフは子どもの様子をよく観察します。

少しでも不安そうな表情を見せたら声をかけたり、一旦治療を止めて落ち着かせる時間をとったりします。

強い力で抑えるような治療は避けるのが基本です。

ただし、安全を守るために必要な場合は、事前に親に説明したうえで行います。

また、小児歯科医院の多くでは「できたことをしっかり褒める」ことを大切にしています。

例えば、

・診察台に座れた

・口を開けられた

・ちょっとの間だけ頑張れた

といった小さな成功体験を積み重ねることで、次の通院が少しずつ楽になります。

親が治療中に心配しすぎてしまうと、子どもに不安が伝わってしまいます。

だからこそ、親と小児歯科医が連携し、チームとして子どもをサポートする姿勢がとても大事なのです。

次の章では、暴れてしまう子どもに対して、具体的にどんな工夫をしているのかを見ていきましょう。

暴れてしまう子どもへの工夫

暴れてしまう子どもには、特別な配慮と工夫が必要です。

小児歯科では「暴れないように抑え込む」のではなく、「暴れなくても済む環境を作る」ことを大切にしています。

まず最初に行うのは、できる限り子どもの恐怖心を減らすことです。

具体的には、

・治療内容を子どもの理解できる範囲で簡単に説明する

・いきなり器具を口に入れず、順序立ててステップを踏む

・最初の診療で無理に治療を完了させようとしない

といった工夫があります。

診療室の環境自体にもポイントがあります。

小児歯科では、

・明るく優しい色合いの内装

・ぬいぐるみや絵本の用意

・子どもの好きな音楽を流す

など、子どもが少しでもリラックスできる工夫を施しています。

さらに、治療中には「制止帯(せいしたい)」という特別な道具を使う場合もあります。

これは体を無理に抑えつけるためではなく、急な動きで子どもがケガをしないようにするためのものです。

使用する場合は必ず事前に親御さんに説明し、理解を得たうえで行います。

暴れる子どもに対しては、

・無理に治療を進めず、一旦休憩を入れる

・保護者がそばに付き添う

・スタッフが優しく声をかけ、落ち着かせる

といった対応が重要です。

そして、何より大切なのは「できたことを褒める」ことです。

暴れてしまっても、最後まで診療室にいられた、口を少し開けられた、といった小さなことを評価します。

親御さんは「迷惑をかけてしまって申し訳ない」という気持ちを持ちやすいですが、小児歯科は暴れる子どもへの対応に慣れています。

むしろ「次につなげる診療」を目指しているので、心配しすぎず歯科医と協力する姿勢が何よりの支えになります。

次の章では、親御さんが診療前にできるサポートについて具体的にお伝えします。

親ができる事前のサポート

歯医者に行く前の家庭での準備は、子どもの不安を和らげる大きな鍵です。

親がちょっとした工夫をするだけで、子どもの気持ちはずいぶん変わります。

まず大事なのは「前向きなイメージ作り」です。

例えば、

・「歯医者さんはお口をピカピカにしてくれる場所だよ」

・「頑張ったら先生がシールくれるかも」

と、楽しみになる要素を織り交ぜて話します。

決して「痛くないから大丈夫!」と繰り返さないようにしましょう。

この言葉は逆に「痛いのかもしれない」と意識させてしまうことがあります。

それよりも「先生が優しくしてくれるから安心だよ」と伝えるほうが効果的です。

次に、当日の準備です。

診療前は十分に睡眠をとり、お腹が空きすぎていない状態にしてあげてください。

体調が悪いときや、疲れているときは、普段より不安感が強くなるものです。

また、小さなお子さんの場合は、お気に入りのぬいぐるみやハンカチを持たせるのもおすすめです。

これは安心の「お守り」になり、診療中も落ち着きやすくなります。

親の心構えとしては、

・前日から必要以上に「歯医者」の話をしすぎない

・当日はリラックスした様子で付き添う

・子どもが不安がっても一緒にいて支える気持ちを持つ

ことが大切です。

「どうしよう、暴れたら迷惑かけちゃうかも…」と親が思い詰めると、その緊張が子どもに伝わります。

小児歯科は、子どもが泣いたり暴れたりするのを前提に準備しています。

親が完璧にコントロールしようとしなくていいのです。

次の章では、診療中の親御さんの関わり方について詳しくお伝えします。

診療中の立ち振る舞いも、子どもの安心感を大きく左右しますので、ぜひチェックしてくださいね。

診療中の親の関わり方

診療中、親御さんがどのように関わるかは子どもの安心感に大きく影響します。

小児歯科では、親の立ち位置や声かけがとても重要です。

まず、基本的な立ち位置としては「そばにいて、見守る姿勢」を意識します。

親が近くにいるだけで、子どもは「自分はひとりじゃない」と感じ、気持ちが安定します。

ただし、過剰な介入は逆効果です。

例えば、

・「頑張って!」「大丈夫?」「痛くない?」と何度も声をかけすぎる

・治療中に手を握って離さない

・「早く終わらせて!」とスタッフに強く伝える

といった行動は、かえって子どもを緊張させたり、不安にさせてしまいます。

親はできるだけリラックスした表情を心がけ、歯科医やスタッフに任せる気持ちを持ちましょう。

もし子どもが泣いても、暴れても、「この場はプロに任せよう」と信頼することが大切です。

小児歯科では、親が治療中にそばで座って見守れることが多いです。

座る位置や声かけのタイミングについては、スタッフから指示がある場合もあるので従いましょう。

一方で、場合によっては子どもの集中を妨げないよう、親御さんに一時的に待合室で待ってもらうこともあります。

この場合は「なんで一緒にいられないの?」と不安に思わず、スタッフに判断を任せることがベストです。

大切なのは、

・治療中の流れを信頼すること

・親自身が落ち着いていること

・終わった後にしっかり褒める準備をしておくこと

です。

次の章では、診療後のフォローや子どもへの声かけについて詳しくお話しします。

治療後の対応は、次回の歯医者へのイメージを大きく左右する大事なポイントなので、ぜひ続けて読んでくださいね。

診療後のフォローと声かけ

診療が終わったあとのフォローは、子どもの心に安心感を残し、次回の通院への気持ちを前向きにする大切な時間です。

まず一番大事なのは、どんな小さなことでも「頑張ったね!」と褒めることです。

たとえ診療中に泣いてしまったり、暴れてしまったりしても、

・診療室に入れたこと

・椅子に座れたこと

・少しでもお口を開けられたこと

など、一歩前進した部分を見つけて褒めましょう。

親が「もう、泣かないって約束したのに…」と責めてしまうと、子どもは「歯医者は嫌な場所」という記憶だけが残ってしまいます。

終わった後は、ぜひポジティブな言葉を意識してください。

次に、治療内容を簡単に振り返り、子どもが理解できる言葉で伝えることも大切です。

例えば「今日は先生が虫歯をきれいにしてくれたんだよ」「お口の中を見せられてえらかったね」と、子どもが自分の頑張りを実感できるようにしましょう。

また、診療後は次回の通院への気持ちを整えるタイミングでもあります。

「次はもっとスムーズにできるといいね」「今度は好きなシールを選ぼうね」といった前向きな声かけをすると、次回の通院に対する不安が少し和らぎます。

そして、診療後は子どもの疲れや緊張が一気に出ることがあります。

できるだけ静かに過ごし、好きなことをしてリラックスできる時間を用意してあげましょう。

まとめると、診療後の親の役割は、

・頑張ったことを具体的に褒める

・治療内容を簡単に伝える

・次回の通院を前向きにイメージさせる

・リラックスできる時間を用意する

という4つです。

次の章では、失敗体験を引きずらないために親が意識できることを詳しく解説します。

最後までぜひ読んでくださいね。

失敗を引きずらないために大切なこと

子どもが歯医者で泣いたり暴れたりしてしまうと、親御さんは「うまくできなかった」「次が心配」と悩むことが多いです。

ですが、失敗体験を引きずらせないことが、次の診療をうまく進めるカギです。

まず大事なのは、親が自分を責めないことです。

小児歯科の現場では、泣く・暴れるはよくあること。

むしろ、それにどう向き合って次につなげるかが大事です。

次に意識したいのは、「次回に期待をつなぐ声かけ」です。

例えば、

・「今日はここまで頑張れたから次はもっとできるね」

・「先生が優しくしてくれたから安心だね」

・「少しずつ慣れていこうね」

と、子どもが「また行ってみよう」と思えるような言葉を選びましょう。

さらに、家に帰ってからの話題の出し方も大切です。

ネガティブなこと(泣いた・暴れた)ばかりを話題にするのではなく、

・診療後にもらったシールやおもちゃの話

・先生やスタッフが褒めてくれた場面の話

・待合室で見た面白い絵本の話

など、楽しい・嬉しい記憶を強調してください。

親が「今度はどうしよう」「また暴れたらどうしよう」と不安を抱えると、その空気は子どもに伝わります。

必要なら歯科医院に事前相談をして、次回はステップを調整してもらうのもおすすめです。

ポイントをまとめると、

・親が必要以上に心配しない

・子どもの小さな成長をしっかり認める

・前向きな言葉を意識する

・家で楽しい話題を優先する

・必要なら歯科医院と相談する

次の章「終わりに」では、この記事のまとめと、親御さんが覚えておいてほしいポイントをお伝えします。

ぜひ最後まで読んでくださいね。

終わりに

子どもが歯医者を怖がったり、暴れたりするのはとても自然なことです。

親御さんがそれを過剰に心配したり、責任を感じすぎる必要はありません。

この記事では、

・子どもが怖がる理由

・小児歯科での対応方法

・暴れる子どもへの具体的な工夫

・親ができる事前準備

・診療中の親の立ち振る舞い

・診療後のフォローと声かけ

・失敗を引きずらない心構え

を詳しくお伝えしてきました。

最後に、親御さんにぜひ覚えておいてほしいポイントをまとめます。

  • 子どもの不安を受け止めることが最初の一歩
  • 小児歯科は子どもの心に寄り添った診療をしている
  • 親は「完璧」を目指さなくてよい
  • 小さな成功を一緒に喜び、前向きな声かけをする
  • 歯医者は少しずつ慣れていく場所

親子で一緒に少しずつステップを踏みながら、歯医者さんを「怖くない場所」「安心できる場所」にしていけたら素敵ですね。

その過程でわからないことや不安なことがあれば、遠慮なく歯科医院に相談してください。

私たちはいつでも親子をサポートする準備をしています。

一緒に、笑顔で通える歯医者さんを目指していきましょう。

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