プレオルソとは?歯を並べる矯正との違いと向いている子

歯並び

「プレオルソは普通の矯正と何が違うの?」「マウスピースだけで歯並びが良くなるの?」と気になる保護者の方もいらっしゃるでしょう。プレオルソは、主に成長期の子どもの歯列やかみ合わせの改善を目指す取り外し式の装置です。歯を一本ずつ精密に動かす矯正とは目的や仕組みが異なります。 お子さんの歯並びを考える際には、見た目だけでなく、顎の成長、乳歯と永久歯の生え替わり、舌や唇の使い方にも目を向けます。装置を使うだけで口腔機能が必ず改善するわけではありません。 この記事ではプレオルソの特徴から向いている子、治療期間、メリット・デメリットまで小児歯科医の視点で解説します。適した治療はお子さんによって異なるため、正しい診断と経過観察が大切です。

  • プレオルソがどのような装置で、何を目的に使用するのか
  • ワイヤー矯正や透明なマウスピース矯正との違い
  • プレオルソが向いている子の特徴と、向いていない場合
  • 治療開始の年齢、装着時間、通院や家庭での注意点
  • 口呼吸や舌の位置など、口腔機能との関係と治療の限界
目次

小児歯科の情報をSNSでも発信中!

歯並び・虫歯予防・子育てに役立つ情報をお届けします

プレオルソとは?子どもの成長期に使うマウスピース型矯正装置

プレオルソは、主に成長期のお子さんの歯並びやかみ合わせの改善を目指す、取り外し式のマウスピース型矯正装置です。ワイヤー矯正のように歯に装置を固定するのではなく、上下の歯列を覆う形の装置をお口に入れて使用します。取り外して食事や歯磨きができることは特徴ですが、使用時間を守る必要があります。

プレオルソの基本的な仕組み

プレオルソは比較的弾力のある素材で作られた既製の装置です。歯並びやかみ合わせに応じて種類を選び、必要な調整を行います。歯を一本ずつ精密に動かす装置とは異なり、装置の形状や弾性を利用して歯列やかみ合わせに働きかけます。舌や唇、頬などの筋肉の状態にも着目しますが、装置を入れるだけで舌の位置や口呼吸が必ず改善するわけではありません。

成長期に使用する理由

乳歯から永久歯への生え替わりが進む時期は、歯列とかみ合わせが大きく変化します。プレオルソはそのような時期に選択肢となる装置です。ただし顎の成長には個人差があり、装置で成長を自由にコントロールできるわけではありません。年齢だけで決めず、歯の状態と成長発育の評価が必要です。

取り外せることの利点と注意点

食事や歯磨きの際には外せるため、口腔清掃をしやすい点は利点です。一方、外したままにして装着時間が不足すると期待した効果が得られにくくなります。家庭で装着を習慣づけること、お子さんが無理なく続けられることが大切です。

歯並びを完成させる装置ではない

強い叢生や細かな歯の位置調整が必要な場合、ワイヤー矯正など別の方法が必要になることがあります。一時的に改善しても生え替わりや成長によって再評価が必要です。装置の名前だけで決めず、治療目的と限界を理解して選択しましょう。

プレオルソと歯を並べる矯正の違い|目的・仕組み・治療範囲を比較

子どもの矯正治療にはプレオルソ以外にも、ワイヤー矯正や透明なマウスピース矯正があります。どれも歯並びやかみ合わせを改善する方法ですが、得意な治療は同じではありません。プレオルソは歯を一本ずつ精密に配列することを主目的とした装置ではないという点を理解しておきましょう。

プレオルソの目的

プレオルソは上下の歯列を覆う既製のマウスピース型装置で、歯列やかみ合わせの改善を目指します。舌や唇、頬の働きも評価します。反対咬合、過蓋咬合などで適応が検討されますが、歯の傾きが原因か、顎の骨格的な関係が原因かによって対応は異なります。

ワイヤー矯正との違い

ワイヤー矯正では歯にブラケットなどを付け、ワイヤーの力で歯を移動させます。歯のねじれや傾き、位置を細かく調整できる点が特徴です。永久歯列期に多く用いられますが、混合歯列期の部分矯正にも用いられます。一方、固定式のため歯磨きに工夫が必要です。

透明なマウスピース矯正との違い

歯を動かす透明なマウスピース矯正では、個別に作製した装置を段階的に交換して計画的に歯を動かします。取り外しができる点は同じでも、プレオルソとは装置の設計と歯の移動の制御方法が異なります。透明な装置だから同じ治療というわけではありません。

どちらが優れている?

プレオルソとワイヤー矯正にはそれぞれ適応があります。比較的軽度のかみ合わせの問題ではプレオルソを検討できることがある一方、歯の位置を細かく整える必要がある場合はワイヤー矯正などが適することがあります。プレオルソの治療後に追加の矯正が必要になる場合もあります。現在の状態と将来の永久歯列を見据えた診断が重要です。

プレオルソが向いている子の特徴|歯並び・かみ合わせ・お口の癖

プレオルソが向いているかどうかは、歯並びの見た目だけでは決まりません。かみ合わせの種類、原因、顎の成長発育、口腔機能、装着への協力度を合わせて評価する必要があります。

反対咬合がある子

反対咬合は下の前歯が上の前歯より前にある状態です。歯の傾きによるものと、骨格的な問題によるものでは治療方針が異なります。プレオルソが候補になる場合もありますが、骨格的な問題が強いと十分に対応できないことがあります。改善後も成長に伴って再び反対咬合が現れる可能性があり、経過観察が必要です。

過蓋咬合がある子

上の前歯が下の前歯を深く覆う過蓋咬合にも、プレオルソの適応を検討する場合があります。ただし歯の位置や骨格的な特徴など原因を確認する必要があります。装置だけで改善するとは限りません。

開咬がある子

奥歯をかみ合わせても前歯に隙間がある開咬には、指しゃぶりや舌突出癖が関係することがあります。原因や程度により治療方法は異なり、習癖への対応が必要な場合もあります。装置を入れるだけで癖がなくなると考えないことが大切です。

お口の機能にも目を向ける

口が開いたまま、舌が低い位置にある、飲み込む際に舌を押し出すなどの特徴がある場合には口腔機能の評価も必要です。鼻づまりや鼻の病気が関係していれば、耳鼻咽喉科での評価が必要になることもあります。口腔機能の問題があるからといってプレオルソが必ず適応になるわけではありません。

向いていない場合

歯の重なりが強い場合や、精密な歯の移動が必要な場合、強い骨格的不正咬合がある場合には別の治療が適することがあります。また、装置を強く嫌がる、必要な装着時間を確保できない場合も検討が必要です。

プレオルソは何歳から?乳歯列期・混合歯列期の始めどき

プレオルソは一般に5〜10歳頃が検討の目安とされますが、治療開始を年齢だけで決めることはできません。乳歯から永久歯への生え替わり、顎の成長、かみ合わせの種類、お子さんが装置を使えるかどうかで判断します。

乳歯列期の相談

乳歯が生えそろう3〜6歳頃にも反対咬合や開咬などがみられることがあります。前歯のかみ合わせや顎の動きから早期対応を考える場合がある一方、自然な変化を見守ったり、指しゃぶりなどの習癖への対応を優先したりする場合もあります。装置を嫌がる低年齢のお子さんには無理をさせず、まず診察で必要性を確認しましょう。

混合歯列期の特徴

6〜12歳頃は乳歯と永久歯が混在する混合歯列期です。生え替わりに伴い歯列やかみ合わせが変わるため、プレオルソが検討されることがあります。ただし歯の並ぶ場所を必ず確保できるわけでも、顎の成長を自由に促すわけでもありません。この時期の治療が将来の本格矯正を不要にする保証もありません。

10歳を過ぎたら遅い?

10歳を超えたから使用できないとは限りません。ただし永久歯の萌出が進み、細かな歯の移動が必要な場合は別の矯正方法が適することがあります。同じ年齢でも生え替わりや成長の進み方は異なります。

早い相談と早い治療は違う

早めに相談する意義は、現在の問題を把握し適切な時期を考えられることです。すぐに装置を使うことが最良とは限りません。経過観察を選ぶ場合もあります。年齢だけで自己判断せず、成長を踏まえて治療方法を相談しましょう。

プレオルソの使い方と治療の流れ|装着時間・通院・家庭での協力

プレオルソは取り外せるため日常生活に取り入れやすい一方、必要な装着時間を守ることが大切です。治療は装置を渡して終わりではなく、診断、装着の練習、定期検査、必要に応じた方針の見直しを通して進めます。

治療前の検査と診断

反対咬合、過蓋咬合、開咬などの状態だけでなく、歯の生え替わり、顎の発育、舌や唇の使い方を確認します。必要に応じて口腔内写真やエックス線写真などで評価します。結果によってはプレオルソではなく別の矯正装置や経過観察が選ばれます。

装着時間の考え方

一般的には日中の一定時間と就寝中に使うことがあり、日中1時間程度と就寝時が指示される場合もあります。ただし装置や症例によって異なるため、担当歯科医師の指示に従います。寝ている間に外れる、痛い、吐き気がある、呼吸しづらい場合は無理に続けず相談してください。

お子さんが装置に慣れるまで

初めて使うときは異物感で嫌がる子もいます。歯科医師の指導のもと、短時間から慣れることもあります。強く嫌がるときに無理に装着させるのではなく、適合や使用方法の問題がないか確認することが大切です。家庭では声かけや習慣づくりで支えましょう。

清掃と保管

食事や歯磨きの際は原則として取り外します。装置にも汚れが付くため、指示された方法で洗浄し、専用ケースに清潔に保管しましょう。熱湯は変形の原因となることがあるため避けます。

通院と治療期間

通院では装置の適合、装着状況、歯列やかみ合わせの変化を確かめます。成長や生え替わりで治療方針の変更が必要になる場合もあります。治療期間には個人差があり、改善後も経過観察や追加の矯正が必要なことがあります。

プレオルソのメリットとデメリット|できること・できないこと

プレオルソには、取り外しができる、成長期の歯列やかみ合わせに対応する選択肢になるといった利点があります。一方、装着時間に左右されることや、歯を精密に並べる治療には限界があることも知っておきましょう。

取り外して歯磨きができる

食事や歯磨きのときに取り外せるため、固定式装置に比べて通常の口腔清掃を行いやすい点は利点です。ただし装置の清掃は必要で、虫歯予防のための日々の歯磨きや定期検診が不要になるわけではありません。

成長期のかみ合わせへの対応

反対咬合や過蓋咬合、開咬などに対して状態に応じて検討できます。ただし骨格的な問題をすべて改善できるわけではなく、永久歯の配列やスペースを保証することもできません。治療効果には個人差があります。

口腔機能を見るきっかけ

舌の位置や唇の閉じ方などの問題があれば、歯並びとあわせて確認できます。しかしプレオルソを装着するだけで口呼吸や舌癖が必ず改善するわけではありません。必要に応じて口腔筋機能療法や耳鼻咽喉科での評価を検討します。

装着への協力が必要

取り外し式なので、決められた時間に使わなければ期待した効果が出にくくなります。異物感が強い場合や就寝中に外れてしまう場合には、装置の状態や使用方法を確認します。

歯の精密な移動には限界

強い歯の重なりや歯のねじれを細かく改善する必要があれば、ワイヤー矯正など別の治療が必要になることがあります。プレオルソを使えば将来の本格矯正が必ず不要になるわけではありません。

かみ合わせの変化にも注意

前歯が改善しても奥歯の接触が不十分になるなど、治療中に別の変化が起こる可能性があります。見た目だけで効果を判断せず、歯の接触状態や顎の動きを定期的に確認することが重要です。

プレオルソと口腔機能の関係|口呼吸・舌の位置・飲み込み方

歯並びやかみ合わせには、歯や顎の成長のほかに、舌や唇、頬の働きも関係しています。お口が開いたまま、舌が低い位置にある、飲み込む際に舌を押し出すといった状態は、矯正治療を考える際に確認したいポイントです。装置を装着することと口腔機能を改善することは同じではありません。

口呼吸と鼻呼吸

口呼吸には鼻づまり、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大などが関係する場合があります。歯列や顎顔面の発育との関連も指摘されていますが、口呼吸だけが歯並びの原因とは限りません。鼻呼吸が難しい、いびきが強い、睡眠中に呼吸が止まるように見える場合は医療機関へ相談しましょう。プレオルソは鼻の病気を治す装置ではありません。

舌の安静時位置

舌が低い位置にある状態を低位舌と呼びます。口唇閉鎖不全や口呼吸などを伴う場合もありますが、低位舌があれば必ず歯並びが悪くなるわけではありません。装置だけで舌の位置が自然に改善するとも限らないため、安静時の姿勢や機能を評価します。

舌突出癖と嚥下

飲み込む際に舌が前歯の間へ出る舌突出癖は、開咬などと関係することがあります。ただし舌癖が原因の場合も、開咬に適応した動きとして現れる場合もあります。原因を一つに決めつけず、かみ合わせと舌の動きを両方確認します。

口唇閉鎖と筋肉

普段から唇を自然に閉じにくい場合には、鼻の通り、唇の働き、前歯の位置、骨格などを確認します。呼吸しづらいお子さんに無理に唇を閉じさせることは避けます。

MFTと食事姿勢

口腔筋機能療法(MFT)は舌や唇の働き、安静時の姿勢や飲み込み方に働きかけるトレーニングです。矯正装置とは目的が異なり、必要に応じて組み合わせます。食事中に足が安定しているか、体を横に向けていないかなども確認します。ただし姿勢を直すだけで歯並びが治るわけではありません。

プレオルソを選ぶ前に|小児歯科専門医に相談したいポイント

プレオルソは取り外し式で使用できる矯正装置ですが、使いやすそうだからという理由だけで選ぶことはおすすめできません。大切なのは、お子さんの歯並びやかみ合わせの原因を把握し、その問題に適した治療方法を選ぶことです。

適応を診断する

反対咬合、過蓋咬合、開咬などでプレオルソを検討することはありますが、歯の傾きが原因か、骨格的な問題があるかによって適切な方法は異なります。強い歯の重なりや精密な移動が必要な場合は別の装置が適する可能性があります。

治療目標を明確にする

前歯のかみ合わせの改善が目標なのか、深いかみ合わせの改善が目標なのかを確認しましょう。口唇閉鎖不全や舌突出癖などの口腔機能の問題があれば、装置による矯正と機能への対応は分けて考えます。装置一つですべて改善するとは限りません。

治療期間と通院

治療期間は年齢、装着状況、歯の生え替わりなどによって異なります。定期的な診察で適合状態とかみ合わせの変化を確認し、必要なら治療方針を見直します。改善後も成長に合わせた観察が必要になる場合があります。

追加治療の可能性

プレオルソで一定の改善が得られても、永久歯列期にワイヤー矯正や透明マウスピース矯正が必要になることがあります。将来の追加治療や再評価の可能性について、治療開始前に説明を受けましょう。

費用と専門的な連携

矯正治療は原則として自由診療ですが、特定の条件を満たす場合には保険適用となることもあります。検査料、装置代、調整料、交換費用、経過観察費用などの範囲を確認することが大切です。小児歯科では成長発育や口腔機能を総合的に評価しますが、複雑な歯の移動や骨格的問題では矯正歯科を専門とする歯科医師との連携が必要になることもあります。

まとめ

どの装置を使うかよりも、お子さんに今どのような対応が必要かを判断することが大切です。すぐに治療する場合も経過観察する場合もあります。歯並びが気になったら、年齢だけで判断せず相談しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次