過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を深く覆っている噛み合わせです。見た目だけでは程度や原因を判断しにくく、歯の位置だけでなく、顎の成長や骨格、奥歯の高さ、口腔機能などが関係している場合もあります。 そのため、「自分で治したい」と考えて自己流のトレーニングや市販品を使用しても、原因によっては改善しないだけでなく、噛み合わせを不安定にする可能性があります。 また、過蓋咬合の矯正治療は一般的には自由診療ですが、状態によっては保険診療の対象となる特殊なケースもあります。治療方法や年齢によって費用も大きく異なるため、治療を始める前に保険適用の有無や総額を確認しておくことが大切です。
- 「過蓋咬合は自分で治せないの?」
- 「トレーニングや市販のマウスピースで改善できる?」
- 「矯正治療には保険が使える?」
- 「治療する場合、どのくらい費用がかかる?」
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過蓋咬合は自分で治せる?まず知っておきたい基本
過蓋咬合とは、噛んだときに上の前歯が下の前歯を深く覆っている噛み合わせのことです。正常な噛み合わせでも上の前歯は下の前歯に少しかぶさりますが、その重なりが大きくなっている状態を過蓋咬合と呼びます。 見た目だけでは「少し噛み合わせが深いだけ」と感じることもありますが、程度によっては下の前歯がほとんど見えなくなったり、下の前歯が上あごの歯ぐきに当たったりすることがあります。そのため、単に前歯の見え方だけではなく、噛み合わせ全体を確認することが重要です。 「過蓋咬合を自分で治したい」と考える方もいますが、基本的には自己判断だけで歯や顎の位置を変えることはおすすめできません。過蓋咬合には複数の原因があり、原因によって必要な対応が異なるためです。
過蓋咬合とはどのような噛み合わせか
過蓋咬合では、上下の前歯の垂直的な重なりが通常より大きくなっています。 たとえば、次のような状態がみられることがあります。
ただし、同じように前歯の噛み合わせが深く見えても、原因は一人ひとり異なります。 歯の傾きによって深く噛んでいる場合もあれば、奥歯の高さ、上下の顎の位置関係、顎の成長方向などが関係している場合もあります。 そのため、過蓋咬合かどうかだけでなく、「なぜ噛み合わせが深くなっているのか」を確認することが大切です。
- 下の前歯がほとんど見えない
- 上の前歯が下の前歯を深く覆っている
- 下の前歯が上あごの歯ぐきに当たる
- 上の前歯の裏側に強く噛み込む
- 奥歯の噛み合わせが低く見える
- 下あごが後ろに位置しているように見える
軽度でも自己判断が難しい理由
過蓋咬合が軽度に見える場合、「この程度なら自分で何とかできるのでは」と考えることもあるでしょう。 しかし、口の中を鏡で見ただけでは、噛み合わせの原因までは判断できません。 たとえば、前歯だけを見ると軽度に見えても、
といった要因が隠れていることがあります。 また、子どもの場合には、乳歯から永久歯への生え替わりや顎の成長によって噛み合わせが変化します。そのため、現在の状態だけを見て「自然に治る」「自分で治せる」と判断することは難しいのです。 自己流で歯を押したり、顎を動かしたり、市販の装置を使用したりすると、本来動かす必要のない歯に力がかかることもあります。 まずは歯科医院で噛み合わせの状態を確認し、治療が必要なのか、経過観察でよいのかを判断してもらうことが重要です。
- 奥歯の高さに問題がある
- 下あごの位置が後方にある
- 前歯が内側へ傾いている
- 顎の成長方向が関係している
成長による変化と矯正治療の違い
子どもの噛み合わせは、成長とともに変化します。 永久歯が生えてきたり、顎が成長したりすることで、噛み合わせの深さが変わることもあります。そのため、年齢や歯の生え替わりの時期によっては、すぐに矯正治療を始めずに経過をみるケースもあります。 ただし、「成長すれば必ず治る」というわけではありません。 過蓋咬合の原因によっては、成長しても噛み合わせが深いまま残ることがあります。また、成長期だからこそ治療しやすいケースもあります。 成長による自然な変化と、矯正装置によって意図的に歯や顎の位置を整える治療は別のものです。 大切なのは、自分で治そうとすることではなく、現在の噛み合わせが成長の範囲内なのか、それとも治療を検討したほうがよい状態なのかを確認することです。 過蓋咬合は、見た目だけで治療の必要性を判断することが難しい噛み合わせです。気になる場合には、自己流で改善しようとする前に歯科医院で一度評価してもらいましょう。
過蓋咬合を自分で治そうとする方法と注意点
過蓋咬合について調べていると、「舌のトレーニングで治る」「顎を動かせば改善する」「市販のマウスピースを使えばいい」といった情報を目にすることがあります。 しかし、過蓋咬合は原因によって治療方法が異なります。前歯の傾きが主な原因の場合もあれば、奥歯の高さ、上下の顎の位置関係、骨格、成長方向などが関係していることもあります。 そのため、原因を確認しないまま自己流で改善しようとすると、期待した効果が得られないだけでなく、噛み合わせのバランスを崩す可能性もあります。
舌や顎のトレーニングだけで治るのか
舌の位置や口の周りの筋肉の使い方は、歯並びや噛み合わせに影響することがあります。 たとえば、舌の位置が低い、口唇を閉じにくい、飲み込むときに舌が前へ出るなどの口腔機能の問題がある場合には、適切なトレーニングを行うことがあります。 ただし、トレーニングだけで過蓋咬合そのものが治るとは限りません。 歯の位置や顎の骨格に原因がある場合、舌や顎を動かす練習だけでは十分な改善が得られないことがあります。 また、インターネット上の方法を見ながら自己流でトレーニングを行うと、必要のない筋肉に力を入れたり、誤った顎の動かし方を繰り返したりする可能性もあります。 口腔機能のトレーニングは、噛み合わせの状態や原因を確認したうえで行うことが大切です。
市販のマウスピースを使うリスク
過蓋咬合を自分で改善するために、市販のマウスピースを検討する方もいます。 しかし、市販のマウスピースは、一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合わせて設計された矯正装置ではありません。 合わない装置を長時間使用すると、
といった問題が生じる可能性があります。 特に成長期の子どもでは、歯の生え替わりや顎の成長が進んでいるため、装置の選択には注意が必要です。 矯正治療で使用するマウスピース型装置は、診断に基づいて歯科医師が治療計画を立て、経過を確認しながら使用します。見た目が似ているからといって、市販品と矯正装置を同じものとして考えないことが重要です。
- 特定の歯だけに強い力がかかる
- 奥歯が噛みにくくなる
- 顎に違和感が出る
- 歯ぐきや粘膜に負担がかかる
- 噛み合わせのバランスが変化する
自己流で歯を動かす危険性
歯は、適切な力を一定期間かけることで少しずつ移動します。 そのため、「指で歯を押せば動くのでは」「強く噛めば位置が変わるのでは」と考えることもあるかもしれません。 しかし、歯を安全に動かすためには、力の方向や強さ、歯の根の状態、周囲の骨や歯ぐきなどを考慮する必要があります。 自己流で歯に力を加えると、
といった問題につながることがあります。 また、一時的に前歯の見え方が変わったとしても、過蓋咬合の根本的な原因が改善されているとは限りません。 過蓋咬合を改善する場合には、「どの歯をどの方向へ動かすのか」「奥歯との噛み合わせをどう整えるのか」「成長をどのように考えるのか」などを総合的に判断する必要があります。 自分で治そうとする前に、まず歯科医院で噛み合わせの原因を確認し、自分に合った対応方法を相談することが安全な治療につながります。
- 歯が意図しない方向へ傾く
- 噛み合わせが不安定になる
- 歯や歯ぐきに負担がかかる
- 顎関節に負担が生じる
過蓋咬合の治療が必要になるケース
過蓋咬合があるからといって、すべてのケースですぐに矯正治療が必要になるわけではありません。 一方で、噛み合わせが深いために歯や歯ぐきへ負担がかかっていたり、顎の成長や永久歯の噛み合わせに影響する可能性がある場合には、治療を検討することがあります。 治療の必要性は、前歯の重なり方だけでなく、年齢、歯の生え替わり、骨格、顎の成長、口腔機能などを含めて総合的に判断します。
下の前歯がほとんど見えない場合
過蓋咬合では、上の前歯が下の前歯を深く覆います。 噛んだときに下の前歯がほとんど見えないほど深く噛み込んでいる場合には、過蓋咬合の程度が強い可能性があります。 ただし、見た目だけで治療の必要性を決めることはできません。 同じように下の前歯が見えにくい状態でも、
などによって原因が異なります。 特に子どもの場合は、今後の顎の成長や永久歯への生え替わりを考慮して、現在の状態を評価することが重要です。
- 前歯の傾き
- 奥歯の高さ
- 下あごの位置
- 上下の顎の骨格的な関係
- 顎の成長方向
歯や歯ぐきに負担がかかっている場合
過蓋咬合が強いと、下の前歯が上の前歯の裏側や上あごの歯ぐきに強く当たることがあります。 反対に、上の前歯が下の前歯側の歯ぐきに接触するケースもあります。 このような状態では、噛むたびに同じ部分へ力が加わるため、歯や歯ぐきへの負担が大きくなる可能性があります。 また、前歯同士が強く接触している場合には、
といった問題がみられることもあります。 現在痛みがない場合でも、歯や歯ぐきに継続的な負担がかかっていないかを確認しておくことが大切です。
- 歯がすり減る
- 歯に強い力がかかる
- 歯ぐきに傷がつく
- 噛んだときに違和感が出る
顎の成長や永久歯の噛み合わせへの影響
子どもの過蓋咬合では、現在の噛み合わせだけではなく、これからの顎の成長や永久歯列への影響も考える必要があります。 成長期には、上下の顎が発育し、乳歯から永久歯へと生え替わります。 そのため、噛み合わせが深い状態をそのままにしてよいのか、それとも成長期から対応したほうがよいのかは、一人ひとり異なります。 たとえば、
といった場合には、成長を見ながら治療時期を検討することがあります。 一方で、すぐに治療を始める必要がなく、定期的な経過観察でよいケースもあります。 重要なのは、「過蓋咬合だから必ず矯正する」と考えるのではなく、現在の状態と今後の成長を含めて判断することです。 下の前歯がほとんど見えない、歯ぐきに歯が当たっている、噛み合わせが以前より深くなっているなど気になる変化がある場合には、歯科医院で一度確認してもらうとよいでしょう。
- 下あごが後方に位置している
- 永久歯が生えるスペースに問題がある
- 前歯の噛み込みが強い
- 顎の成長バランスに注意が必要
過蓋咬合の矯正にはどんな治療方法がある?
過蓋咬合の治療方法は、年齢や原因、噛み合わせの深さ、歯並び、顎の成長状態によって異なります。 前歯だけを見て治療法を決めるのではなく、奥歯の高さや上下の顎の位置関係、永久歯の生え方などを確認したうえで治療計画を立てることが大切です。 子どもでは成長を利用した治療を行うことがあり、大人では歯を動かして噛み合わせを整える方法が中心になります。
子どもの成長を利用した矯正
子どもの過蓋咬合では、顎の成長や永久歯への生え替わりを利用しながら治療することがあります。 成長期は顎の発育が続いているため、現在の歯並びだけでなく、これからどのように噛み合わせが変化していくかを考えることが重要です。 治療では、
といった点を確認しながら進めます。 使用する装置は症例によって異なり、取り外し式の装置を使用することもあれば、固定式の装置を使用することもあります。 また、口唇閉鎖や舌の位置、飲み込み方などに問題がある場合には、矯正治療とあわせて口腔機能へのアプローチを行うことがあります。 ただし、子どもだから必ず早期治療が必要というわけではありません。歯の生え替わりや成長を観察し、適切な時期を選ぶことも重要です。
- 前歯の噛み込みを改善する
- 奥歯の噛み合わせを整える
- 下あごの位置や成長を考慮する
- 永久歯が生えるスペースを確認する
- 口腔機能を整える
マウスピース型装置による治療
過蓋咬合の治療では、マウスピース型の矯正装置が使用されることもあります。 透明で目立ちにくく、取り外しができることが特徴です。 マウスピース型矯正では、少しずつ形の異なる装置を交換しながら歯を動かし、前歯の重なりや奥歯の噛み合わせを調整していきます。 ただし、すべての過蓋咬合に適しているわけではありません。 骨格的な問題が大きい場合や、歯の移動量が多い場合などでは、別の治療方法が適していることもあります。 また、取り外し式の装置では、決められた装着時間を守ることが治療結果に大きく影響します。 市販のマウスピースとは異なり、矯正治療で使用する装置は、検査と診断をもとに歯科医師が治療計画を立てて使用します。
ワイヤー矯正など成人の治療方法
成人の過蓋咬合では、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正などを用いて歯を動かし、噛み合わせを改善する方法があります。 ワイヤー矯正では、歯にブラケットなどを装着し、ワイヤーの力を利用して歯の位置を調整します。 過蓋咬合では、単に前歯を並べるだけでなく、前歯の高さや傾き、奥歯の噛み合わせを調整しながら治療する必要があります。 症例によっては、
といった治療が行われます。 また、骨格的な問題が大きい重度の過蓋咬合では、通常の矯正治療だけでは十分に改善できず、外科的な治療を組み合わせることもあります。 どの治療方法が適しているかは、見た目だけでは判断できません。 過蓋咬合の矯正では、年齢や原因、骨格、歯並びを確認したうえで、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。
- 前歯を適切な位置へ移動する
- 奥歯の高さを調整する
- 歯列全体のバランスを整える
- 必要に応じて抜歯を検討する
過蓋咬合の矯正は保険適用になる?
過蓋咬合の矯正治療を考えたとき、「健康保険は使えるの?」と気になる方は多いでしょう。 結論からいうと、一般的な過蓋咬合の矯正治療は、原則として自由診療になります。 見た目を整える目的だけでなく、噛み合わせを改善するための治療であっても、通常の歯列矯正は健康保険の対象外となることが多いためです。 ただし、すべての矯正治療が保険適用外というわけではありません。一定の条件を満たす場合には、保険診療として矯正治療を受けられることがあります。
原則として自由診療になる理由
健康保険は、病気やけがなどに対して必要とされる治療を対象とする制度です。 一方、一般的な歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを整える治療であっても、原則として保険適用の対象にはなりません。 そのため、過蓋咬合の治療でも、
といった一般的なケースでは、自費診療になることが多くなります。 自由診療では、治療方法や装置、料金体系が医療機関によって異なります。 同じ「過蓋咬合の矯正」でも、使用する装置や治療期間によって費用が大きく変わることがあります。
- 前歯の噛み合わせが深い
- 歯並びが気になる
- 見た目を改善したい
- 噛み合わせを整えたい
保険適用が検討される特殊なケース
矯正治療でも、一定の条件を満たす場合には保険が適用されることがあります。 代表的なのは、先天的な疾患などに伴う噛み合わせの異常や、顎の骨格的な問題が大きく、外科手術を伴う矯正治療が必要なケースです。 このような場合には、一般的な自由診療の矯正とは異なり、保険診療として治療を受けられる可能性があります。 ただし、「過蓋咬合が重度だから」という理由だけで自動的に保険適用になるわけではありません。 保険適用になるかどうかは、
などによって判断されます。 また、保険診療として矯正治療を行える医療機関には条件があります。 そのため、保険適用の可能性がある場合には、対応できる医療機関で診断を受ける必要があります。
- 原因となる疾患の有無
- 顎の骨格的な状態
- 外科的治療の必要性
- 保険診療の対象となる条件を満たしているか
医療機関で確認しておきたいポイント
過蓋咬合の治療を始める前には、保険が使えるかどうかだけでなく、治療全体の費用について確認しておくことが大切です。 特に次のような点を確認しておくと安心です。
矯正治療は長期間になることが多いため、最初に提示された金額だけでなく、治療完了までにどの程度の費用が必要になるのかを確認しておくことが重要です。 また、子どもの矯正では、成長や永久歯への生え替わりによって治療計画が変わることもあります。 「過蓋咬合だから保険が使える」「子どもだから安く治療できる」と思い込まず、まずは診断を受けて、自分のケースがどのような治療に該当するのか確認しましょう。
- 保険診療か自由診療か
- 検査や診断にかかる費用
- 矯正装置の費用
- 毎回の調整料が必要か
- 保定装置の費用が含まれているか
- 治療期間が延びた場合に追加費用があるか
過蓋咬合の矯正費用はいくらくらい?
過蓋咬合の矯正費用は、年齢や治療方法、使用する装置、治療期間によって大きく異なります。 また、同じ過蓋咬合でも、前歯の噛み合わせだけを調整するケースと、歯列全体や顎の成長まで考慮して治療するケースでは、必要な治療内容が変わります。 そのため、「過蓋咬合の矯正はいくら」と一律に決めることはできません。 治療を検討するときは、装置代だけでなく、検査料や調整料、保定装置の費用なども含めて総額を確認することが大切です。
子どもの矯正にかかる費用
子どもの過蓋咬合では、顎の成長や永久歯への生え替わりを利用しながら治療を進めることがあります。 いわゆる一期治療では、取り外し式の装置や機能的な装置、部分的な固定式装置などを使用することがあります。 一般的には、子どもの矯正費用は数十万円程度になることが多いですが、治療内容によって差があります。 また、一期治療だけで終了するケースもあれば、永久歯が生えそろった後に二期治療が必要になることもあります。 二期治療へ進む場合は、追加費用がかかることがあります。 そのため、最初の相談時には、
についても確認しておくとよいでしょう。
- 一期治療だけで終わる可能性
- 二期治療が必要になる可能性
- 二期治療へ進んだ場合の追加費用
成人矯正にかかる費用
成人の過蓋咬合では、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正などを使用して歯列全体を整えることがあります。 治療費は一般的に数十万円から100万円前後、あるいはそれ以上になることがあります。 費用に幅があるのは、
などによって治療内容が変わるためです。 過蓋咬合では、前歯を並べるだけではなく、前歯の高さや奥歯との噛み合わせを調整する必要があるため、全体矯正が必要になるケースも少なくありません。 部分矯正のほうが費用を抑えられる場合がありますが、過蓋咬合の原因によっては適応できないこともあります。
- 全体矯正か部分矯正か
- ワイヤー矯正かマウスピース型矯正か
- 抜歯が必要か
- 治療期間がどのくらいか
- 骨格的な問題があるか
検査料・調整料など治療費以外の費用
矯正治療では、装置そのものの費用以外にもさまざまな費用がかかることがあります。 代表的なものには、
などがあります。 料金体系は医療機関によって異なります。 治療費を一括して提示する「トータルフィー制」の医院もあれば、装置代とは別に毎回調整料がかかる医院もあります。 そのため、最初に提示された金額だけを見るのではなく、「治療終了までに必要な総額」を確認することが大切です。 また、矯正治療中に虫歯や歯周病の治療、抜歯などが必要になった場合には、別途費用がかかることもあります。 費用を比較するときは、単純に金額の安さだけで判断するのではなく、どこまでが料金に含まれているのかを確認しましょう。 過蓋咬合の治療費は、症状の程度や治療方法によって大きく異なります。まずは検査と診断を受け、自分の場合にどのような治療が必要で、総額がどの程度になるのかを確認することが重要です。
- 初診相談料
- 精密検査料
- 診断料
- 矯正装置料
- 毎回の調整料
- 保定装置料
- 定期的な経過観察料
費用だけで矯正方法を決めないことが大切
過蓋咬合の矯正治療を考えるとき、費用はとても重要な判断材料です。 ただし、「できるだけ安く治したい」という理由だけで治療方法を選ぶのはおすすめできません。 過蓋咬合は、前歯の位置だけでなく、奥歯の高さ、上下の顎の関係、骨格、成長、口腔機能などが関係していることがあります。 そのため、自分の原因に合わない方法を選ぶと、十分な改善が得られなかったり、あとから別の治療が必要になったりすることがあります。
年齢や原因によって適した治療が異なる
過蓋咬合の治療方法は、子どもと大人で同じではありません。 子どもの場合は、顎の成長や永久歯への生え替わりを利用できることがあります。 一方、大人では顎の成長がほぼ終了しているため、歯を動かして噛み合わせを整える治療が中心になります。 また、同じ年齢でも原因によって適した治療は異なります。 たとえば、
など、過蓋咬合にはさまざまな背景があります。 そのため、「この装置が安いから」「知人がこの方法で治ったから」という理由だけで治療方法を決めるのではなく、自分の状態に合っているかを確認することが大切です。
- 前歯の傾きが主な原因
- 奥歯の高さが関係している
- 下あごの位置が後方にある
- 骨格的な問題がある
- 口腔機能に問題がある
安い治療が必ずしも負担が少ないとは限らない
治療費が安い方法は魅力的に感じますが、必ずしも身体的な負担や通院の負担が少ないとは限りません。 たとえば、部分的な矯正は全体矯正より費用を抑えられることがありますが、噛み合わせ全体の改善が必要な過蓋咬合には適さない場合があります。 また、取り外し式の装置では費用を抑えられる場合があっても、装着時間を守れなければ十分な効果が得られないことがあります。 逆に、最初は費用が高く感じる治療でも、原因に合った方法で計画的に進めたほうが、結果的に追加治療を減らせる場合もあります。 治療費を見るときは、単純な金額だけでなく、
なども確認することが重要です。
- どこまで改善できる治療なのか
- 自分の症状に適しているか
- 追加治療の可能性があるか
- 治療後の保定まで含まれているか
治療開始前に総額と期間を確認する
矯正治療は、数か月で終わることもあれば、数年かかることもあります。 特に子どもの場合は、成長や永久歯への生え替わりを見ながら治療を進めるため、治療期間が長くなることがあります。 治療開始前には、次のような点を確認しておきましょう。
また、治療計画は途中で変更になることもあります。 歯の動き方や成長には個人差があるため、予定より治療期間が長くなるケースもあります。 過蓋咬合の矯正では、「一番安い方法」ではなく、「自分の原因や年齢に合った方法」を選ぶことが大切です。 費用、治療期間、装置の特徴、期待できる改善範囲などを十分に説明してもらい、納得したうえで治療を始めましょう。
- 治療費の総額
- 検査料や診断料
- 毎回の調整料
- 保定装置の費用
- 追加装置が必要になった場合の費用
- おおよその治療期間
- 子どもの場合は二期治療の可能性
終わりに|自分で治そうとする前に歯科医院で確認しよう
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を深く覆っている噛み合わせです。 一見すると「前歯の重なりが深いだけ」に見えることがありますが、その原因は歯の傾き、奥歯の高さ、上下の顎の位置関係、骨格、成長方向などさまざまです。 そのため、自分で歯を押したり、市販のマウスピースを使用したり、自己流のトレーニングだけで改善しようとすることはおすすめできません。
過蓋咬合は自己判断だけでは原因を見極めにくい
過蓋咬合の治療で重要なのは、まず原因を確認することです。 同じように噛み合わせが深く見えていても、
によって、適した対応は異なります。 特に子どもでは、永久歯への生え替わりや顎の成長が続いています。 すぐに治療したほうがよい場合もあれば、定期的に経過を確認しながら適切な治療時期を待つ場合もあります。 見た目だけで「軽いから大丈夫」「自然に治る」と判断せず、必要に応じて歯科医院で確認することが大切です。
- 前歯の傾きが原因なのか
- 奥歯の高さが関係しているのか
- 下あごの位置が後方にあるのか
- 骨格的な問題があるのか
- 成長によって今後変化する可能性があるのか
保険適用や費用は治療内容によって異なる
一般的な過蓋咬合の矯正治療は、原則として自由診療になります。 ただし、特定の疾患に伴う噛み合わせの異常や、外科的な治療を必要とする顎変形症など、一定の条件を満たす場合には保険診療の対象となることがあります。 また、自由診療の費用についても、治療方法や医療機関によって異なります。 子どもの矯正、ワイヤー矯正、マウスピース型矯正などでは、それぞれ費用や治療期間が異なります。 治療を始める前には、
などを確認しておくことが重要です。
- 保険適用の対象になるか
- 治療費の総額はいくらか
- 調整料などの追加費用があるか
- 保定装置の費用が含まれているか
- 子どもの場合は二期治療が必要になる可能性があるか
まず現在の噛み合わせを診断してもらうことが重要
過蓋咬合が気になったときに、最初に行うべきことは「自分で治す方法を探すこと」ではなく、現在の噛み合わせを正しく評価してもらうことです。 検査によって原因が分かれば、すぐに治療が必要なのか、経過観察でよいのか、どのような矯正方法が適しているのかを検討できます。 また、診断を受けたからといって、必ずすぐに矯正治療を始めなければならないわけではありません。 まず現在の状態を知り、治療の必要性、開始時期、費用、期間について説明を受けたうえで判断することが大切です。 過蓋咬合は、自己流で治そうとするよりも、原因に合った方法を選ぶことが重要です。 「下の前歯がほとんど見えない」「歯ぐきに歯が当たる」「噛み合わせが深いのが気になる」といった場合には、一度歯科医院で相談してみましょう。
