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プレオルソについて調べていると、「歯並びが整う」「口呼吸の改善につながる」「舌の位置を整えられる」など、さまざまな情報が見つかります。一方で、プレオルソは装着すればすべての歯並びが整う装置ではありません。子どもの年齢、歯の生え替わり、顎の成長、噛み合わせの状態、お口の癖によって、期待できる変化は異なります。 当院では、小児歯科医として歯並びだけを見るのではなく、舌の位置、唇や頬の動き、飲み込み方、呼吸の状態など、お口全体の成長を確認することを大切にしています。プレオルソによる治療でも、装置を渡して終わりにせず、成長に合わせた診察と家庭での取り組みを重ねることが重要です。 本記事では、プレオルソで期待できる効果を一覧で整理し、出っ歯、受け口、開咬、歯のガタガタなどとの関係をわかりやすく紹介します。舌の位置や口呼吸への働きかけ、対象となる年齢、装着時間、治療期間、注意点、適応が難しいケースについても詳しく解説します。 プレオルソのメリットだけでなく、治療の限界や家庭で必要となる協力まで理解できるため、お子さんに合う治療なのかを考える際の判断材料になります。 プレオルソは、成長期の子どもの歯並びとお口の機能を整える選択肢の一つです。ただし、十分な診査と診断を行い、決められた装着方法を守りながら、定期的に経過を確認することが欠かせません。
- プレオルソには、どのような効果が期待できるのか知りたい
- 寝ている間に装着するだけで、本当に歯並びが整うのか不安
- 口呼吸や舌の癖にも関係する治療なのか知りたい
- 治療を始めてから後悔しないように、注意点も確認しておきたい
プレオルソとは?子どもの歯並びと口の機能を整える治療
プレオルソは、乳歯から永久歯へ生え替わる時期の子どもに使用する、取り外し式のマウスピース型装置です。一般的には、永久歯が生えそろう前の成長段階で使用されます。やわらかい素材で作られており、学校や外出先で一日中装着するのではなく、主に日中の一定時間と就寝中に使用します。 プレオルソの目的は、歯を一本ずつ細かく移動させて、歯並びを完成させることだけではありません。舌の位置、唇の閉じ方、頬の筋肉、飲み込み方など、歯並びに影響を与えるお口の機能にも目を向けます。 子どもの歯並びは、歯の大きさや顎の形だけで決まるものではありません。舌で前歯を押す癖、いつも口が開いている状態、指しゃぶり、唇を噛む癖、偏った飲み込み方などが続くと、歯や顎に力が加わり、出っ歯や開咬、受け口などにつながる場合があります。 プレオルソは、お口の周りの筋肉のバランスや舌の位置に配慮して設計された装置です。装着中は舌を上方へ誘導し、唇を閉じる意識を持ちやすくします。装置の使用とあわせて、お口の体操や正しい舌の使い方を練習することで、健やかな口腔機能の発達を支えていきます。日本小児歯科学会も、子どもの口腔機能を育てるためには、歯科医院の指導に基づき、舌や口周りの筋肉、噛む動作、飲み込む動作などを家庭で継続して練習することが大切だとしています。 ただし、プレオルソを装着すれば、すべての歯並びが自然に整うわけではありません。骨格の成長状態、歯の生え方、噛み合わせのずれ、年齢などによって、プレオルソが向いているケースと、別の治療を検討したほうがよいケースがあります。永久歯が生えそろった後に、ワイヤー矯正やほかの矯正装置が必要になることもあります。 プレオルソ治療を始める際は、見た目の歯並びだけで判断せず、顎の成長、噛み合わせ、舌や唇の動き、呼吸の状態まで確認することが重要です。小児歯科医による診査を受け、お子さんの成長に合った方法を選びましょう。
プレオルソで期待できる効果一覧
プレオルソは、歯を一本ずつ細かく動かして歯並びを完成させる装置ではありません。成長期の子どもが装着することで、噛み合わせや舌の位置、お口の周りの筋肉のバランスを整え、永久歯が並ぶための土台づくりを目指します。 プレオルソで期待できる主な変化は、次のとおりです。
プレオルソには、噛み合わせの種類に合わせた装置があります。出っ歯、受け口、前歯が噛み合わない開咬、前歯の重なりなどに使用されることがあります。ただし、同じように見える歯並びでも、原因や顎の成長方向は一人ひとり異なります。見た目だけで装置の適応を判断することはできません。 プレオルソの大きな特徴は、歯並びだけでなく、舌、唇、頬などの働きにも目を向ける点です。舌が低い位置にある、食べ物を飲み込むときに舌が前へ出る、いつも口が開いているといった状態は、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。日本小児歯科学会も、口呼吸や舌の使い方の癖などを、子どもの口腔機能に関する問題として挙げています。 装置を使用しながら舌の位置や唇の閉じ方を練習すると、歯に加わる力のバランスを整えやすくなります。取り外し式で、一般的には日中の一定時間と就寝中に使用するため、学校へ持っていく必要がない点も特徴です。 一方で、プレオルソを装着するだけで、一覧に挙げた変化がすべて現れるわけではありません。期待できる効果は、年齢、骨格、歯の生え替わり、噛み合わせの状態、装着時間、お口の体操への取り組みなどによって変わります。 骨格的なずれが大きい場合や、永久歯の位置を細かく整える必要がある場合には、プレオルソだけでは対応が難しいこともあります。治療後に別の矯正装置が必要になる可能性もあるため、治療を始める前に目的と限界を確認することが大切です。 プレオルソで目指すのは、見た目だけを短期間で整えることではありません。子どもの成長する力を活かしながら、歯並びとお口の機能が調和しやすい環境を整えることです。
- 出っ歯や受け口、開咬などの噛み合わせを整える
- 前歯の重なりや歯列の狭さを整える
- 舌を正しい位置に置きやすくする
- 舌で前歯を押す癖を減らす
- 唇を自然に閉じる力を育てる
- 口呼吸から鼻呼吸へ切り替える意識を育てる
- 噛む、飲み込む、話すときのお口の使い方を整える
- 永久歯が生えるための歯列の環境を整える
出っ歯・受け口・開咬などプレオルソの適応となる歯並び
プレオルソは、成長期の子どもにみられる出っ歯、受け口、開咬、噛み合わせの深さ、前歯の重なりなどに対して検討されるマウスピース型装置です。プレオルソには噛み合わせの状態に応じた種類があり、診査結果をもとに適した装置を選びます。 ただし、歯並びの名称が同じであれば、すべての子どもにプレオルソが適しているわけではありません。歯の傾きによる問題なのか、上下の顎の成長に関係する問題なのかによって、治療方法や開始時期は変わります。
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が前方へ傾いている状態や、上の歯列が下の歯列より大きく前へ出ている状態です。専門的には、上顎前突と呼ばれます。 出っ歯には、次のような要因が関係します。
日本小児歯科学会は、出っ歯の原因として遺伝のほか、指しゃぶり、舌を出す癖、唇を噛む癖などを挙げています。前歯で食べ物を噛み切りにくい、唇を閉じにくいといった様子がある場合は、早めに相談することが大切です。 プレオルソでは、前歯の傾きや噛み合わせに配慮しながら、舌の位置や唇の使い方を整えることを目指します。骨格的なずれが大きい場合は、別の装置や将来の矯正治療が必要になることもあります。
- 指しゃぶりが長く続いている
- 舌で前歯を押す癖がある
- 下唇を噛む癖がある
- 口が開いている時間が長い
- 上下の顎の成長バランスに差がある
受け口
受け口は、噛んだときに下の前歯が上の前歯より前に出る状態です。反対咬合や下顎前突と呼ばれることもあります。 受け口には、前歯の傾きによって反対になっているケースと、上下の顎の大きさや位置関係が影響しているケースがあります。乳歯の時期にみられる受け口でも、成長とともに顎のずれが目立つ場合があるため、長期間そのままにせず、経過を確認することが重要です。 プレオルソは、前歯の噛み合わせや舌の位置に働きかけ、成長を見守りながら上下の歯列の関係を整える目的で使用されることがあります。一方、遺伝的な要因が強い場合や骨格的なずれが大きい場合は、プレオルソだけで治療を終えられない可能性があります。
開咬
開咬は、奥歯を噛み合わせても上下の前歯の間に隙間が残り、前歯が噛み合わない状態です。前歯で食べ物を噛み切りにくくなったり、発音に影響したりすることがあります。 開咬には、指しゃぶり、舌を前へ出す癖、口呼吸などが関係する場合があります。装置を使用するだけでなく、歯並びへ継続的な力を加えている癖を見つけ、舌や唇の使い方を練習することが大切です。 プレオルソは、開咬を含む不正咬合に使用される種類があります。 ただし、指しゃぶりや舌の癖が続いていると、装置を使用していても期待する変化を得にくくなります。家庭での声かけと、お口のトレーニングを無理のない範囲で続けましょう。
前歯の重なりや歯列の狭さ
顎の大きさに対して歯が並ぶ場所が不足すると、前歯が重なったり、ねじれて生えたりすることがあります。プレオルソは、歯列を細かく完成させる装置ではありませんが、成長期のお口の環境を整え、永久歯が並びやすい土台をつくる目的で検討されます。 適応を判断する際は、歯並びだけでなく、永久歯の位置や本数、顎の成長、噛み合わせ、お口の癖まで確認します。日本小児歯科学会と日本矯正歯科学会も、子どもの歯列や噛み合わせを評価する際には、叢生、反対咬合、上顎前突、開咬などを確認する考え方を示しています。 プレオルソが適しているかどうかは、保護者の方が見た歯並びだけでは判断できません。気になる変化を見つけた段階で小児歯科医に相談し、現在の状態と今後の成長を踏まえた治療方法を考えていきましょう。
プレオルソが舌の位置・口呼吸・お口の癖に働きかける仕組み
子どもの歯並びや噛み合わせには、歯や顎の大きさだけでなく、舌、唇、頬などの使い方も関係します。舌が低い位置にある、飲み込むときに舌で前歯を押す、口が開いている時間が長いといった状態が続くと、歯列に偏った力が加わる場合があります。 プレオルソは、歯並びへ直接働きかけるだけではなく、お口の周りの筋肉と舌のバランスに配慮して設計された装置です。装置には舌を上方へ導きやすくする構造があり、装着中に舌を望ましい位置へ置く練習につなげます。頬や舌などの口腔周囲筋のバランスにも着目した構造が採用されています。
舌を置く位置を意識しやすくする
舌は、何もしていないときに上顎の内側へ軽く触れている状態が基本です。舌先だけを前歯へ強く押し当てるのではなく、舌全体が上顎に収まり、前歯へ余計な力をかけないことが大切です。 舌が低い位置にあると、上顎の内側へ舌の力が伝わりにくくなります。飲み込むたびに舌が前方へ出る癖がある場合は、前歯の噛み合わせにも影響することがあります。 プレオルソを装着すると、舌を上へ持ち上げる感覚を覚えやすくなります。ただし、装置を入れるだけで舌の使い方が自動的に定着するわけではありません。舌を上顎につける練習や、正しい飲み込み方を意識する取り組みをあわせて行うことが重要です。
唇を閉じる習慣を育てる
口がいつも開いている子どもは、唇を閉じる力が弱かったり、鼻が通りにくかったりする可能性があります。唇が開いたままの状態では、お口の周りの筋肉のバランスが崩れ、前歯へ加わる力にも偏りが生じます。 プレオルソは、装着中に唇を閉じる意識を持たせ、お口を閉じた状態を練習するためにも使われます。日中の装着時間を利用して、姿勢を整え、唇を軽く閉じる練習を重ねることが大切です。 日本小児歯科学会は、子どもの口腔機能を育てるために、歯科医院の指導に基づいて、口を閉じる練習や唇・頬・舌の体操、噛む・飲み込む練習を家庭で続ける必要があるとしています。
口呼吸から鼻呼吸への切り替えを支える
鼻呼吸では、唇を閉じ、舌を上顎側へ置きやすくなります。一方、口呼吸が習慣になると、舌が低い位置へ下がりやすく、口が開いた状態も続きやすくなります。 プレオルソ治療では、装置の使用とお口のトレーニングを通じて、鼻で呼吸する意識を育てます。しかし、鼻呼吸を妨げる原因がある場合は、歯科での取り組みだけでは対応できません。 次のような様子が続く場合は、鼻や喉の状態も確認する必要があります。
アレルギー性鼻炎や扁桃の問題などが疑われる場合は、必要に応じて耳鼻咽喉科との連携を検討します。鼻が通りにくい子どもへ、無理に口を閉じるよう求めることは避けなければなりません。
- 鼻づまりが長く続いている
- 就寝中にいびきをかく
- 口を閉じると苦しそうにする
- 睡眠中に呼吸が不規則になる
- 日中も口が開いていることが多い
装置と家庭での練習を組み合わせる
プレオルソは、お口の癖を整えるきっかけをつくる装置です。装置だけに任せるのではなく、毎日の生活の中で正しい使い方を繰り返すことが欠かせません。 家庭では、歯科医院で指導された方法に従い、舌の位置、唇の閉じ方、飲み込み方、姿勢などを確認します。強く注意したり、できないことを責めたりすると、子どもの負担になるため、短時間でも継続できたことを認めてあげましょう。 日本小児歯科学会も、口腔機能を育てる取り組みは一時的な訓練ではなく、家庭で継続することが大切だと示しています。 プレオルソが目指すのは、装置を装着している間だけ舌や唇の位置を整えることではありません。装置を外した後も、舌、唇、頬をバランスよく使える状態へ近づけることです。お子さんの成長や呼吸の状態を確認しながら、小児歯科医と一緒に無理のない取り組みを続けていきましょう。
プレオルソを始める年齢と治療期間の考え方
プレオルソは、乳歯と永久歯が混在する時期を中心に検討されるマウスピース型装置です。子どもの顎が成長し、歯が生え替わっている時期に使用することで、歯並びだけでなく、舌の位置や唇の使い方、噛み合わせなどを整える土台づくりを目指します。 ただし、「何歳になったら必ず始める」という一律の基準はありません。プレオルソを始める時期は、年齢だけではなく、歯の生え替わり、顎の成長、噛み合わせの状態、お口の癖、装置を使用できる生活環境などを確認して判断します。
プレオルソは何歳ごろから検討するのか
プレオルソは、一般的に永久歯が生えそろう前の子どもに使用されます。前歯が生え替わり始める時期は、歯並びや噛み合わせの変化が見つかりやすく、相談のきっかけにもなります。 対象年齢として示される範囲には幅がありますが、年齢だけを見て治療の必要性を判断することはできません。同じ7歳でも、永久歯への生え替わりが進んでいる子どももいれば、乳歯が多く残っている子どももいます。顎の成長速度やお口の機能にも個人差があります。 日本小児歯科学会は、子どもは成長発育の途中にあり、上下の顎の骨のバランスや発達に影響する状態では、子どもの時期から矯正治療を始めたほうがよい場合があると説明しています。一方で、すべての歯並びに早期治療が必要とは限りません。経過を観察し、適した時期を待つ選択もあります。
早く始めればよいとは限らない
保護者の方にとって、子どもの歯並びが気になり始めると、「少しでも早く治療したほうがよいのでは」と不安になることがあります。しかし、治療開始が早いほど、治療期間が短くなるとは限りません。 歯の生え替わりが十分に進んでいない時期や、装置を毎日使うことが難しい時期に始めると、長期間の管理が必要になる場合があります。子どもが装置を嫌がり、家庭での声かけが大きな負担になることも考えられます。 反対に、受け口や前歯が噛み合わない状態など、成長やお口の機能へ影響する可能性がある場合は、早めに確認したほうがよいケースがあります。治療をすぐに始めるか、定期的に成長を見守るかは、診査結果をもとに決めることが大切です。
プレオルソの治療期間には個人差がある
プレオルソの治療期間は、最初から一律に決められるものではありません。治療前の歯並び、顎の成長、歯の生え替わり、装着状況、お口の癖によって変わります。 治療期間に影響する主な要素は、次のとおりです。
数か月で噛み合わせに変化が見られる子どももいますが、成長や生え替わりを確認しながら、年単位で管理することもあります。変化が見え始めた段階で装置の使用を自己判断で中止すると、舌や唇の使い方が十分に定着しない可能性があります。
- プレオルソを始めた時点の歯並びと噛み合わせ
- 上下の顎の成長バランス
- 永久歯への生え替わりの進み方
- 毎日の装着時間
- 舌や唇のトレーニングへの取り組み
- 指しゃぶりや舌で歯を押す癖の有無
- 鼻づまりや口呼吸の状態
- 定期的な通院ができているか
治療中は定期的な確認が必要
プレオルソは、装置を受け取ったら同じものを長期間使い続ければよい治療ではありません。治療中は定期的に通院し、歯の生え替わりや顎の成長、装置の適合状態を確認します。 診察では、主に次の内容を確認します。
子どもの口の中は、成長とともに短期間でも変化します。永久歯が生えて装置が合わなくなった場合や、噛み合わせが変化した場合は、装置の調整や交換、治療計画の見直しが必要です。
- 歯並びや噛み合わせの変化
- 永久歯が生える位置と方向
- 装置の変形や破損
- 装着時間と使用状況
- 舌の位置や唇の閉じ方
- 口呼吸や飲み込み方
- 歯や歯ぐきの清掃状態
プレオルソだけで治療が終わらない場合もある
プレオルソは、成長期のお口の環境を整えるための選択肢です。永久歯が生えそろった後の歯並びを、細部まで完成させることを目的とした装置ではありません。 プレオルソによる治療を行っても、永久歯の重なりやねじれが残ったり、上下の歯の位置を細かく調整する必要が生じたりすることがあります。その場合は、成長後にワイヤー矯正やほかのマウスピース型装置などを検討します。 日本矯正歯科学会も、矯正治療の開始時期は成長発育や症状によって異なるため、個別に判断する必要があるという考え方を示しています。 プレオルソを始める時期と治療期間を考える際は、年齢や平均的な期間だけにとらわれないことが大切です。現在の歯並び、お口の機能、これからの成長を確認したうえで、お子さんが無理なく続けられる治療計画を立てましょう。
プレオルソの効果を引き出す装着時間と家庭での取り組み
プレオルソは取り外しができるため、子どもの負担を抑えながら続けやすい装置です。一方で、取り外せるからこそ、決められた時間に装着できるかどうかが治療の進み方に関わります。装置を持っているだけでは、期待する変化にはつながりません。 プレオルソは一般的に、日中の1時間と就寝中に装着する方法が案内されています。 ただし、必要な装着時間や使用方法は、歯並び、噛み合わせ、年齢、装置の種類などによって異なります。歯科医院から受けた指示を優先し、自己判断で装着時間を増減しないことが大切です。
日中の装着時間を生活に組み込む
日中の装着は、毎日続けやすい時間帯を決めると習慣になりやすくなります。帰宅後から夕食まで、宿題をしている時間、動画やテレビを見る時間など、会話や激しい運動が少ない時間を選ぶと取り組みやすくなります。 日中の装着時間には、唇を軽く閉じ、鼻で呼吸することを意識します。装置を強く噛み続けたり、舌や指で頻繁に動かしたりする使い方は避けましょう。正しい使い方がわからないときは、次回の診察まで待たず、歯科医院へ確認することが大切です。 装着を忘れやすい場合は、次のような工夫が役立ちます。
毎日完璧にできることより、無理なく続けられる仕組みをつくることが重要です。装着できなかった日があっても強く叱らず、翌日から生活の流れを整え直しましょう。
- 毎日同じ時間に装着する
- 装置のケースを目につきやすい場所に置く
- カレンダーへ装着できた日を記録する
- 保護者の方が短い言葉で声をかける
- 装着後の流れを歯磨きと組み合わせる
就寝中は外れ方や痛みを確認する
就寝中の装着は、長い時間プレオルソを使用するために欠かせません。ただし、治療を始めた直後は、寝ている間に装置が外れることがあります。子どもが無意識に舌で押し出したり、口が開いたりするためです。 朝に装置が外れていても、子どもを責める必要はありません。まずは日中の装着に慣れ、唇を閉じる練習を重ねます。装置が毎晩外れる場合や、口の中へ正しく収まらない場合は、装置の大きさや使い方を診察時に確認してもらいましょう。 強い痛み、歯ぐきへの食い込み、口内炎、出血などがある状態で、無理に使用を続けることは避けてください。多少の違和感と、使用を中止すべき痛みは異なります。子どもの言葉だけでなく、保護者の方が口の中も確認することが大切です。
お口のトレーニングも一緒に続ける
プレオルソは、装置を入れている時間だけ歯並びへ働きかけるものではありません。舌、唇、頬、呼吸、飲み込み方などを整える練習と組み合わせることで、お口の機能が育ちやすい環境を目指します。 日本小児歯科学会は、子どもの口腔機能を育てるためには、歯科医院の指導に基づき、家庭でも口を閉じる練習、唇・頬・舌の体操、噛む・飲み込む練習、呼吸を意識した姿勢の練習を継続する必要があると説明しています。 家庭で行う内容は、子どもの状態によって異なります。インターネット上で紹介されている体操を自己流で増やすのではなく、歯科医院で指導された方法を、正しい姿勢と回数で続けましょう。
装置を清潔に保つ
プレオルソは毎日口の中へ入れるため、清潔な状態を保つ必要があります。使用後は歯科医院で案内された方法で洗浄し、よく乾かして専用ケースへ保管します。 熱いお湯を使うと、装置が変形するおそれがあります。歯磨き粉には研磨剤が含まれていることがあり、装置に細かな傷がつく場合もあります。洗浄方法や使用できる洗浄剤は、歯科医院へ確認しましょう。 装置をティッシュに包んで置くと、誤って捨ててしまうことがあります。ペットが噛んで破損するケースもあるため、使用しない時間は必ずケースへ入れ、子どもやペットの手が届きにくい場所で保管してください。
保護者の方の声かけが継続を支える
プレオルソ治療では、保護者の方の協力が欠かせません。ただし、毎日の装着を厳しく管理しすぎると、子どもが装置を嫌いになる可能性があります。 「どうしてできないの」と注意するよりも、「今日は自分からつけられたね」「昨日より長く続けられたね」と、できた行動を具体的に認めるほうが継続につながります。子ども自身が治療の目的を理解できるよう、年齢に合った言葉で説明することも大切です。 装着記録をつけておくと、診察時に正確な状況を伝えやすくなります。装着時間が不足している場合も隠さず伝えてください。使用状況がわかれば、生活に合わせた方法を小児歯科医と一緒に考えられます。 プレオルソの効果を引き出すために必要なのは、長時間の装着を無理に強いることではありません。決められた使用方法を守り、家庭でのお口の練習と定期的な診察を続けることです。子どもが前向きに取り組める環境を整え、成長に合わせて治療を進めましょう。
プレオルソ治療の注意点・デメリット・適応できないケース
プレオルソは、取り外しができ、成長期の歯並びとお口の機能に働きかける装置です。ただし、すべての子どもに適しているわけではなく、装着すれば必ず歯並びが整うものでもありません。 治療を始める前には、期待できる変化だけでなく、注意点や限界も理解しておく必要があります。お子さんの歯並び、顎の成長、永久歯の位置、お口の癖などを詳しく確認し、プレオルソを選ぶ目的を明確にすることが大切です。
毎日の装着を続ける必要がある
プレオルソは取り外し式の装置です。食事や歯磨きの際に外せる点はメリットですが、決められた装着時間を守れなければ、治療計画どおりの変化を得にくくなります。 子どもが装置を嫌がる、装着を忘れる、就寝中に外れてしまうといったこともあります。保護者の方による声かけは必要ですが、強く叱ったり、無理に装着させたりすると、治療への苦手意識が強くなるかもしれません。 治療を始める前に、毎日の生活の中で装着時間を確保できるか考えておきましょう。子ども本人が治療の目的を理解し、家庭全体で無理なく取り組めることが重要です。
装着時に違和感や痛みが出ることがある
プレオルソを使い始めた頃は、口の中に装置が入る違和感、唾液の増加、話しにくさなどがみられる場合があります。装置が歯や歯ぐき、頬の内側に触れ、痛みや口内炎が生じることもあります。 軽い違和感は使用に慣れると落ち着くことがありますが、強い痛みや出血、傷が続く場合は、無理に装着してはいけません。装置の大きさや形が合っていない可能性があるため、使用を中断して歯科医院へ相談してください。 子どもは痛みの場所や程度をうまく伝えられないことがあります。保護者の方が定期的に口の中を確認し、赤みや傷がないか見てあげましょう。
プレオルソだけで歯並びが完成するとは限らない
プレオルソは、永久歯を一本ずつ細かく移動させ、最終的な歯並びを完成させる装置ではありません。舌や唇の使い方を整えながら、成長期の噛み合わせや歯列の環境を整える目的で使用します。 治療後も永久歯の重なり、ねじれ、隙間などが残る場合があります。上下の歯を細かく噛み合わせる必要があるときは、永久歯が生えそろった後にワイヤー矯正や別のマウスピース型装置を検討することがあります。 プレオルソを始めることで、将来の矯正治療が必ず不要になるとは断定できません。治療前には、プレオルソで目指す範囲と、その後に考えられる治療について説明を受けておくことが大切です。
骨格的なずれが大きい場合は適応が難しい
出っ歯や受け口には、前歯の傾きが主な原因となるケースと、上下の顎の大きさや位置関係が強く影響するケースがあります。骨格的なずれが大きい場合は、プレオルソだけで十分に対応できない可能性があります。 顔立ちの左右差が大きい場合や、顎の成長方向に強い特徴がある場合も、慎重な診断が必要です。必要に応じて、ほかの装置を使う治療や、成長を見守りながら治療方針を見直す方法を検討します。 日本矯正歯科学会は、矯正治療では歯だけでなく、顎や顎関節などの変化も定期的に確認する必要があると説明しています。治療方法は見た目だけで決めず、成長や骨格を含めて判断しなければなりません。
鼻づまりがある子どもは原因の確認が必要
口呼吸がみられる子どもに対して、プレオルソを使いながら鼻呼吸を意識する練習を行うことがあります。ただし、鼻が通りにくい原因がある場合は、装置を使うだけでは対応できません。 アレルギー性鼻炎、鼻づまり、扁桃の腫れなどがあると、口を閉じること自体が苦しくなる可能性があります。いびきが強い、睡眠中に呼吸が止まるように見える、日中も口が開いているといった様子がある場合は、耳鼻咽喉科や小児科への相談が必要になることもあります。 鼻が通っていない状態で、無理に唇を閉じさせることは避けましょう。呼吸の安全を優先し、原因を確認したうえで治療を進めます。
むし歯や歯ぐきの状態にも注意する
取り外し式のプレオルソは、固定式の矯正装置と比べて歯磨きをしやすい特徴があります。それでも、歯磨きが不十分なまま装置を入れると、歯と装置の間に汚れが残りやすくなります。 装置自体が汚れている場合も、においや衛生面の問題につながります。装着前には歯を磨き、使用後は指定された方法で装置を洗浄してください。 むし歯や歯肉炎がある場合は、矯正治療より先に治療や清掃状態の改善を優先することがあります。子どもの矯正治療では、歯の生え替わりだけでなく、むし歯や歯ぐきの状態を継続的に管理することが大切です。
装置の変形や紛失が起こることがある
プレオルソはやわらかい素材で作られていますが、扱い方によっては変形や破損が起こります。熱湯につける、強く引っ張る、必要以上に噛むといった行為は避けてください。 装置をティッシュに包んで置くと、誤って捨ててしまうことがあります。ペットが噛んでしまうこともあるため、使用しないときは専用ケースに入れて保管しましょう。 変形した装置をそのまま使用すると、歯や歯ぐきへ不自然な力がかかるおそれがあります。壊れたり合わなくなったりした場合は、自己判断で修理せず、歯科医院へ持参してください。
口腔機能の治療と歯並びの治療は同じではない
プレオルソでは、舌の位置や唇の閉じ方、飲み込み方などに取り組むことがあります。しかし、お口の機能を育てる治療と、歯を移動させて歯並びを整える矯正治療は、目的や考え方が同じではありません。 日本小児歯科学会は、食べ方や話し方などが気になる場合には、まず機能への働きかけを検討し、必要に応じて歯並びや噛み合わせの矯正治療を考えることを示しています。また、口腔機能への指導に矯正装置による歯並びの治療が含まれるわけではない点にも注意を促しています。 「口呼吸があるからプレオルソが必要」「舌の位置を整えれば歯並びも必ず整う」と単純に判断することはできません。どの問題へ、どの方法で対応するのかを整理する必要があります。 プレオルソ治療では、メリットだけを見て判断せず、装着への協力度、骨格、歯の生え替わり、呼吸、口腔機能まで確認することが大切です。定期的な診察を受けながら、お子さんの成長に合った治療方法を小児歯科医と一緒に考えていきましょう。
終わりに
プレオルソは、成長期の子どもの歯並びや噛み合わせだけでなく、舌の位置、唇の閉じ方、飲み込み方、口呼吸など、お口の機能にも目を向けるマウスピース型装置です。出っ歯、受け口、開咬、前歯の重なりなどに対して検討されることがあります。 ただし、プレオルソを装着すれば、すべての子どもに同じ効果が現れるわけではありません。期待できる変化は、歯並びの状態、上下の顎の成長、永久歯への生え替わり、お口の癖、装着時間などによって異なります。 プレオルソ治療で大切なポイントをまとめると、次のとおりです。
プレオルソの特徴は、永久歯を細かく動かして最終的な歯並びを完成させることではなく、成長中のお口に良い環境をつくる点にあります。舌や唇から歯へ加わる力のバランスを整えながら、永久歯が並ぶための土台づくりを進めます。 一方で、装置は毎日使わなければなりません。子ども本人が装着を嫌がる場合や、就寝中に外れてしまう場合もあります。装着できなかったことを叱るのではなく、続けやすい時間帯や声かけの方法を家族で考えることが大切です。 治療を始めた後も、強い痛み、口内炎、装置の変形、噛み合わせの変化などがないか確認してください。気になる症状があるときは、自己判断で装置を調整したり、無理に使い続けたりせず、早めに歯科医院へ相談しましょう。 また、口が開いている原因が鼻づまりや喉の状態にある場合は、プレオルソだけでは対応できないことがあります。いびきが続く、鼻で呼吸しにくそうにしている、睡眠中の呼吸が気になるといった様子がある場合は、必要に応じて耳鼻咽喉科や小児科への相談も検討します。 子どもの歯並びが気になったとき、すぐに治療を始めなければならないとは限りません。歯の生え替わりや顎の成長を定期的に確認し、適した時期を待つ場合もあります。早く始めることより、お子さんの状態に合った時期と方法を選ぶことが重要です。 プレオルソが適しているかどうかは、見た目の歯並びだけでは判断できません。歯や顎の状態に加えて、舌、唇、呼吸、飲み込み方、生活習慣まで確認する必要があります。 お子さんの歯並びやお口の癖が気になる場合は、まず小児歯科医へ相談しましょう。現在の状態と今後の成長を丁寧に確認することで、プレオルソを含めた治療の選択肢を落ち着いて考えられます。
- 成長期の歯並びとお口の機能を整えることを目指す
- 出っ歯、受け口、開咬などに使用される場合がある
- 舌の位置や唇の使い方にも働きかける
- 決められた装着時間を守る必要がある
- 家庭でのお口のトレーニングも重要になる
- 定期的に歯の生え替わりや顎の成長を確認する
- プレオルソだけで歯並びが完成するとは限らない
- 骨格や呼吸の状態によっては別の対応が必要になる

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