赤ちゃんが泣きやまないときや、寝かしつけに困ったときに役立つおしゃぶり。育児の負担を軽くしてくれる一方で、「生まれてすぐ使ってもよいの?」「何歳まで使って大丈夫?」「歯並びに影響しない?」と疑問を持つ保護者も少なくありません。 おしゃぶりは、乳児期の吸いたい欲求を満たし、安心感を得るための補助的なアイテムです。一方で、長期間・長時間の使用は、歯並びやかみ合わせ、口周りの発達に影響する可能性があります。日本小児歯科学会は、乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃から卒業の準備を始め、2歳過ぎまでには使用をやめられることを勧めています。 この記事では、おしゃぶりの開始時期から卒業までの目安、月齢別の使い方、歯並びへの影響、無理なく卒業する方法について、小児歯科の視点から解説します。
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1. おしゃぶりはいつから使える?開始時期の基本
おしゃぶりは、新生児期から使用できる製品があります。ただし、生まれた直後から必ず使わなければならないものではありません。赤ちゃんによって吸いたい欲求の強さや、安心する方法は異なります。おしゃぶりを好む子もいれば、口に入れることを嫌がる子もいます。使用するかどうかは、赤ちゃんの様子や授乳の状況、家庭での育児方針に合わせて考えることが大切です。 赤ちゃんには、生まれつき口に触れたものを吸おうとする吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)があります。これは母乳やミルクを飲むために必要な反射で、乳児期には吸う動作そのものが安心感につながることもあります。おしゃぶりは、このような吸いたい欲求を満たすために利用されます。空腹を満たすものではありませんが、授乳後にまだ吸いたがる場合や、眠る前に落ち着かない場合などに役立つことがあります。 生後1週間から使えるのかという質問もよくあります。製品に新生児用の表示があれば、月齢・体重などの使用条件を確認したうえで使用できる場合があります。しかし、母乳育児を始めたばかりの時期は、赤ちゃんが十分に母乳を飲めているかを優先して確認しましょう。おしゃぶりで泣きやんだとしても、空腹が解消したわけではありません。授乳間隔や体重増加が安定していない場合は、おしゃぶりを多用せず、産院や助産師、小児科に相談すると安心です。 特に母乳育児では、赤ちゃんが乳房を吸うことに慣れるまで時間が必要な場合があります。授乳がうまくいかない、吸着が浅い、母乳量や体重増加に不安があるときは、おしゃぶりを使って泣く時間を減らすことだけを優先しないようにしましょう。まずは授乳の状態を確認し、必要な栄養を確保することが重要です。混合育児やミルク育児でも、空腹のサインを見逃さないことは同じです。 また、おしゃぶりを使わないと赤ちゃんの発育に問題が起きるわけではありません。指しゃぶりや手を口に持っていく行動も、乳児期には自然にみられる行動です。おしゃぶりを嫌がる赤ちゃんに無理にくわえさせる必要はありません。抱っこ、声かけ、授乳、室温や衣類の調整など、ほかの方法で落ち着くこともあります。 使い始める際は、必ず月齢に合った製品を選び、破損や劣化がないことを確認してください。ひもやストラップを首に巻き付けたり、寝具に固定したりする使い方は避けます。使用前には製品の説明書に従って洗浄・消毒し、清潔を保ちましょう。おしゃぶりは育児を助ける選択肢の一つであり、開始時期に正解が一つあるわけではありません。赤ちゃんの状態を見ながら、必要な場面に限定して取り入れることが基本です。
2. おしゃぶりはいつまで使ってよい?卒業時期の目安
おしゃぶりをいつまで使ってよいかについては、歯や顎の発達を考えながら、乳児期から幼児期にかけて徐々に使用を減らすことが大切です。赤ちゃんの時期は吸う動作が自然であり、おしゃぶりによって安心することもあります。しかし、成長すると食べ物をかむ、飲み込む、言葉を話すなど、口の働きが少しずつ変化していきます。そのため、乳児期と同じように長時間くわえ続ける習慣は見直していく必要があります。 日本小児歯科学会は、乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃から、おしゃぶりをやめる準備を始めることを勧めています。そして、2歳を過ぎて奥歯のかみ合わせができた後も使用が続くと、歯並びやかみ合わせ、唇の閉じ方、舌の使い方などに影響が出やすくなるため、2歳過ぎまでには卒業できることが望ましいとしています。これは、すべての子どもが1歳半で急におしゃぶりを取り上げなければならないという意味ではありません。使用頻度を減らし、少しずつ卒業を目指すための目安です。 生後6か月頃までは、吸う欲求が強く、おしゃぶりを安心のために使う赤ちゃんもいます。この時期は、必要に応じて使用しながら、授乳や睡眠など基本的な生活を優先します。生後6か月から1歳頃になると、手を使った遊びや周囲への興味が広がります。日中に何となくくわえさせるのではなく、寝る前など必要な場面に限定していくと、後の卒業が進めやすくなります。 1歳を過ぎたら、起きている時間のおしゃぶりを少しずつ減らすことを意識しましょう。歩いたり、遊んだり、言葉を理解したりするようになると、興味を別の活動に向けることで、おしゃぶりを使わずに過ごせる時間が増えていきます。1歳半頃には、日中の使用を減らし、寝かしつけなど限られた場面だけにすることを目標にします。 2歳頃になっても使用している場合は、卒業に向けた具体的な取り組みを進めたい時期です。おしゃぶりを探す頻度、使用している時間、使わないときの様子を確認しながら、少しずつ手放せる環境を作ります。2歳を過ぎたからといって、すぐに歯並びに問題が起きると決まっているわけではありませんが、継続するほど口の成長への影響が心配されます。3歳頃まで使用が続いている場合は、小児歯科で歯並びやかみ合わせを確認してもらいましょう。 海外の小児歯科専門機関では、36か月までに吸う習慣を終了することを目標にしながら、1歳以降の中耳炎リスクや、18か月以降のかみ合わせへの影響にも注意を促しています。国や機関によって表現や推奨時期に違いはありますが、共通しているのは長期間の習慣化を避け、幼児期の早い段階から卒業を進めることです。家庭では1歳半頃から準備し、2歳過ぎまでの卒業を目指すとよいでしょう。
3. おしゃぶりを使うメリットと長期間使用するデメリット
おしゃぶりの大きなメリットは、赤ちゃんの吸いたい欲求を満たし、気持ちを落ち着かせる助けになることです。乳児期には、空腹ではなくても吸う動作によって安心することがあります。授乳後にまだ口を動かしている場合や、眠る前に落ち着かない場合などに、おしゃぶりを使うことで気持ちを切り替えられる赤ちゃんもいます。保護者にとっても、抱っこや声かけだけではなかなか落ち着かない場面で、育児を助ける選択肢になることがあります。 また、おしゃぶりは指しゃぶりとは異なり、必要に応じて保護者が使用を管理し、卒業に向けて減らすことができるという特徴があります。指しゃぶりは、指が常に身近にあるため、子ども自身が無意識に続けやすい場合があります。一方、おしゃぶりは保護者が保管したり、使用する場面を限定したりできます。ただし、おしゃぶりを使えば指しゃぶりを必ず防げるというわけではありません。どちらにも個人差があります。 一部の海外の小児科・小児歯科の指針では、睡眠時のおしゃぶり使用について、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク低下との関連が示されています。ただし、これはおしゃぶりを必ず使うべきという意味ではありません。安全な睡眠環境を整えることが基本であり、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、寝床に枕やぬいぐるみなどを置かないことも重要です。また、母乳育児が安定するまでは授乳を優先し、泣いた原因をおしゃぶりだけで解決しようとしないようにしましょう。 一方、長期間・長時間使用するデメリットとして注意したいのが、歯並びやかみ合わせへの影響です。おしゃぶりをくわえ続けると、前歯の間にすき間ができるような開咬(かいこう)や、上下の奥歯のかみ合わせが横方向にずれる交叉咬合(こうさこうごう)などが起こる可能性があります。特に、乳歯が生えそろってくる時期以降も頻繁に使い続ける場合には注意が必要です。 おしゃぶりによる影響は、単純に使用した年数だけで決まるものではありません。使用する時間、吸う力、使用する年齢、もともとの歯並びなど、いくつかの要因が関係します。寝る前だけ短時間使用する場合と、起きている間も常にくわえている場合では、口にかかる負担が異なります。そのため、同じ年齢でも歯並びへの影響には個人差があります。 さらに、おしゃぶりをくわえている時間が長いと、声を出したり、周囲の人とのやり取りをしたりする機会が減ることがあります。おしゃぶりそのものが言葉の発達を必ず遅らせるということではありませんが、起きている間は子どもが声を出し、会話を楽しめる環境を整えることが大切です。また、海外の小児歯科専門機関は、1歳以降の使用で急性中耳炎のリスクが高まる可能性についても注意を促しています。おしゃぶりには便利な面がある一方、使用する場面と時間を意識し、成長に合わせて減らすことが重要です。
4. 月齢・年齢別のおしゃぶりの使い方
おしゃぶりの適切な使い方は、赤ちゃんの月齢や発達段階によって変わります。新生児期から使用できる製品はありますが、すべての赤ちゃんに必要なものではありません。年齢に応じて使用場面を見直し、乳児期の便利な習慣が幼児期まで続かないようにすることが大切です。 新生児期は、吸啜反射が強く、吸うことで安心する赤ちゃんがいます。授乳が安定しているかを確認し、必要な場面で使用しましょう。特に母乳育児の場合は、空腹のサインをおしゃぶりで抑えてしまわないように注意します。口を動かす、手を口に持っていく、顔を左右に向けるなどの様子が見られたら、授乳を求めている可能性があります。おしゃぶりをくわえさせる前に、赤ちゃんの状態を確認しましょう。 生後3〜6か月頃は、周囲への関心が高まり、手を動かしたり、声を出したりするようになります。おしゃぶりを使う場合は、眠る前や気持ちが落ち着かないときなど、必要な場面に限定することを意識します。おしゃぶりを使わなくても、抱っこや歌、優しい声かけなどで落ち着くことができるよう、複数の方法を取り入れるとよいでしょう。 生後6〜12か月頃は、寝返り、お座り、はいはいなど、体を使った活動が増えていきます。離乳食も進み、口の働きは吸うことだけでなく、食べ物を取り込んでかみ、飲み込むことへと広がります。この時期は、起きている間におしゃぶりを長時間使用しないようにします。遊びや食事の時間には外し、周囲の人とのやり取りや口を使う経験を大切にしましょう。 1歳から1歳半頃は、歩行や発語などの発達が進み、興味の対象も増える時期です。おしゃぶりを使わない時間を意識的に作り、日中は基本的に外して過ごすようにします。寝かしつけに使っている場合も、毎回必ず必要なのかを確認し、抱っこや絵本など別の方法を試してみましょう。乳歯の奥歯が生えてくる頃は、卒業準備を始める大切な時期です。 1歳半から2歳頃には、使用する場面をさらに絞り込みます。外出中、テレビを見ている間、遊んでいる間など、何となく使っている時間を減らします。子どもが言葉を理解できるようになってきたら、「おしゃぶりは寝るときだけにしようね」など、短く分かりやすく伝えることも効果的です。 2歳から3歳頃は、卒業を目指す時期です。おしゃぶりを必要とする場面を整理し、使用しなくても眠れる方法や、気持ちを切り替える方法を一緒に見つけていきます。卒業の途中で泣いたり、欲しがったりすることがあっても、失敗と考える必要はありません。毎日の生活の中で少しずつ使用時間を減らし、最終的に手放せる状態を目指します。なお、年齢はあくまで目安です。発達や生活環境に合わせながら、無理のない範囲で進めましょう。
5. おしゃぶりを始めるときの注意点
おしゃぶりを使い始めるときには、赤ちゃんの授乳状況、安全性、製品の選び方、衛生管理などを確認しておく必要があります。便利なアイテムだからといって、泣くたびに使ったり、長時間くわえさせたりするのではなく、赤ちゃんの状態に合わせて適切に利用することが大切です。 まず、母乳育児をしている場合は、授乳が安定しているかを確認しましょう。母乳を飲むためには、赤ちゃんが乳房に適切に吸着し、舌や口周りを使って効率よく吸う必要があります。生後間もない時期に授乳がうまくいかない場合、おしゃぶりの使用よりも授乳方法の確認を優先します。母乳量や体重増加に不安がある場合は、産院や助産師に相談してください。母乳とミルクを組み合わせる混合育児や、完全ミルク育児の場合も、授乳の代わりにおしゃぶりを使わないことが基本です。 次に注意したいのが、空腹や体調不良のサインを見逃さないことです。赤ちゃんが泣く理由は、空腹だけではありません。おむつの汚れ、暑さや寒さ、眠気、体の不快感、抱っこしてほしい気持ちなど、さまざまな原因があります。おしゃぶりをくわえさせると一時的に落ち着くことがありますが、泣いている原因そのものが解決したわけではありません。いつもと違う泣き方をする、発熱がある、呼吸が苦しそう、飲みが悪いなどの症状があれば、医療機関に相談しましょう。 製品選びでは、必ず赤ちゃんの月齢に合ったものを選びます。新生児用、3か月以上、6か月以上など、メーカーによって対象年齢が分かれています。口に入れる部分が大きすぎたり、小さすぎたりすると、使いにくさや安全面の問題につながる可能性があります。素材にはシリコーン製や天然ゴム製などがありますが、どちらが必ず優れているということではありません。赤ちゃんが受け入れやすい形状や、家庭で衛生管理しやすい製品を選びましょう。傷、ひび割れ、変色、べたつきなどがあれば交換します。 また、おしゃぶりは清潔に保つ必要があります。使用前や使用後の洗浄・消毒方法は、製品の説明書に従います。新生児や低月齢の赤ちゃんでは、特に衛生面に注意し、煮沸や専用ケースなど、製品に適した方法を選びましょう。保護者が口で吸ってきれいにしたり、床に落ちたものを洗わずに再使用したりすることは避けてください。使用後は水分をしっかり乾かし、清潔なケースなどに保管します。 安全面では、ひもやリボンを赤ちゃんの首に巻き付けないことが重要です。長いストラップは窒息や首への巻き付きにつながる危険があります。寝るときに衣服や寝具へ固定する使い方も避けましょう。また、はちみつや砂糖などをおしゃぶりにつけることも、虫歯や健康上のリスクにつながるため行ってはいけません。おしゃぶりを使う場合は、安全性と衛生面を確認し、必要な場面だけで活用することを心がけましょう。
6. おしゃぶりの卒業を始めるサインと進め方
おしゃぶりの卒業は、突然取り上げるよりも、使用する場面や時間を少しずつ減らしていく方法がおすすめです。日本小児歯科学会は、乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃から卒業の準備を始め、2歳過ぎまでにやめられるようにすることを勧めています。この時期は口の働きが吸うことから、食べ物をかむことへと移行していくため、生活の中でもおしゃぶりに頼らない時間を増やしていきましょう。 卒業を考えるサインには、日中も頻繁におしゃぶりを欲しがる、遊んでいる間もくわえ続ける、寝るときに必ず必要になる、外出先でも手放せないといった様子があります。また、おしゃぶりがないと強く泣く場合は、安心を得るための習慣になっている可能性があります。こうした状態が見られても、無理に取り上げる必要はありません。まずは、どのような場面でおしゃぶりを求めるのかを観察することから始めます。 最初の段階では、日中の使用を減らすことを目標にします。起きている間に何となくくわえさせている場合は、遊び始めたら外す、食事のときには使わない、散歩や外出中は持ち歩かないなど、具体的なルールを決めてみましょう。最初からすべての場面で使用をやめるのではなく、子どもが比較的落ち着いて過ごせる時間帯から取り組むと進めやすくなります。 日中の使用が減ってきたら、次に寝かしつけでの使用を見直します。寝る前におしゃぶりを求める子どもには、絵本の読み聞かせ、子守歌、背中を優しくなでることなど、別の安心できる習慣を取り入れます。毎晩同じ流れで寝る準備をすると、子どもが次に何をするのか理解しやすくなります。おしゃぶりがなくても眠れた日は、「今日はおしゃぶりなしで眠れたね」と具体的に褒めてあげるとよいでしょう。 さらに、言葉で気持ちを伝えられるようになってきたら、卒業について短く説明します。「お口を休ませようね」「もう大きくなってきたね」など、子どもが理解しやすい表現を使います。ただし、歯並びが悪くなると怖がらせたり、使うことを叱ったりする必要はありません。おしゃぶりを使って安心したい気持ちを否定せず、別の方法でも安心できるようにサポートします。 卒業までの期間は子どもによって異なります。数日で手放せる場合もあれば、数週間かけて少しずつ減らす必要がある場合もあります。途中で欲しがる日があっても、それまでの取り組みが無駄になるわけではありません。旅行、引っ越し、入園、家族の生活環境の変化など、子どもにとって大きな出来事があるときは、卒業の開始時期を調整してもよいでしょう。大切なのは、卒業するという目標を持ちながら、子どもの安心感を守って段階的に進めることです。
7. おしゃぶりをやめられないときの対処法
おしゃぶりの卒業を始めても、なかなか手放せない子どもは珍しくありません。特に、寝るときに必ず必要になる、外出時に欲しがる、おしゃぶりが見つからないと激しく泣くといった場合、単なる癖ではなく、安心するための習慣として定着している可能性があります。そのため、無理に取り上げたり、叱ってやめさせたりするのではなく、子どもの気持ちを受け止めながら対応することが大切です。 まず、おしゃぶりを使う場面を整理しましょう。朝起きてから寝るまで常に使っているのか、眠る前だけなのか、外出時だけなのかによって、対応方法が変わります。日中は使わずに過ごせるのに寝るときだけ必要な場合は、寝かしつけの習慣を中心に見直します。一方、遊んでいるときも常にくわえている場合は、遊びや会話の時間には外すところから始めます。一度にすべての使用をやめるのではなく、子どもが比較的受け入れやすい場面から取り組むことがポイントです。 寝るときだけ手放せない場合は、おしゃぶりの代わりになる安心できる習慣を用意します。例えば、絵本を1冊読む、同じ子守歌を歌う、背中をなでる、保護者がそばで優しく声をかけるなどです。毎日同じ方法を続けることで、子どもが眠る前の流れを理解しやすくなります。ぬいぐるみやタオルなどを安心材料にする場合は、年齢に応じた安全な使い方に注意し、乳児の睡眠環境には窒息につながるものを置かないようにしてください。 外出時に欲しがる場合には、興味を別の方向へ向ける方法が役立ちます。散歩中に花や乗り物を見つける、手遊びをする、短い歌を歌うなど、子どもが楽しめる活動を取り入れます。おしゃぶりを欲しがったときにすぐ渡すのではなく、まずは抱っこや声かけで気持ちを切り替えられるか試してみましょう。ただし、泣き続ける子どもに無理をさせたり、欲しがることを叱ったりする必要はありません。 卒業を始めたことで夜泣きが増えたり、寝つきが悪くなったりすることもあります。このような場合は、進め方が子どもにとって急すぎる可能性があります。使用時間を一度に減らしすぎず、段階を戻して様子を見ることも選択肢です。体調不良や生活環境の変化が重なっている場合は、卒業を一時的に中断してもかまいません。大切なのは、無理に予定どおり進めることではなく、子どもの状態に合わせて調整することです。 なお、2歳を過ぎても使用頻度が高い場合や、卒業を進めても難しい場合は、小児歯科で相談してみましょう。歯並びやかみ合わせへの影響を確認してもらい、必要に応じて卒業に向けた具体的なアドバイスを受けられます。おしゃぶりを長期間使っていることだけで、親の育て方に問題があるわけではありません。子どもが安心できる方法を少しずつ増やしながら、家庭に合った卒業方法を見つけていきましょう。
8. おしゃぶりの開始と卒業に関するよくある質問
おしゃぶりについては、使用を始める時期や卒業のタイミング、歯並びへの影響など、保護者からさまざまな質問があります。ここでは、よくある疑問を整理します。
Q1. おしゃぶりは生後1週間から使えますか?
新生児用として販売されている製品であれば、生後1週間頃から使用できる場合があります。ただし、母乳育児を始めたばかりの場合は、授乳が安定しているかを確認することが大切です。母乳を十分に飲めているか、体重が適切に増えているかを確認し、心配があれば産院や助産師に相談してください。おしゃぶりを使わなければならない決まりはありません。
Q2. おしゃぶりは生後何か月から使うのが理想ですか?
すべての赤ちゃんに共通する理想的な開始月齢はありません。新生児期から使用できる製品もありますが、赤ちゃんが必要としていなければ使う必要はありません。授乳が安定していることや、月齢に合った製品を選ぶこと、安全に使用できることを確認してから取り入れましょう。
Q3. おしゃぶりは1歳までにやめるべきですか?
必ず1歳までに卒業しなければならないわけではありません。日本小児歯科学会は、1歳半頃から卒業準備を始め、2歳過ぎまでにはやめられることを勧めています。1歳を過ぎたら日中の使用を減らし、寝かしつけなど必要な場面に限定していくとよいでしょう。
Q4. 2歳や3歳でもおしゃぶりを使っていて大丈夫ですか?
2歳を過ぎても使っている場合は、卒業に向けて取り組むことが大切です。長期間使用すると開咬や交叉咬合など、歯並びやかみ合わせに影響する可能性があります。3歳頃まで使用が続いている場合は、小児歯科で口の状態を確認してもらいましょう。使用しているからといって、必ず歯並びが悪くなるわけではありません。
Q5. おしゃぶりを使うと出っ歯になりますか?
長期間・長時間の使用は、前歯のかみ合わせに影響する可能性があります。ただし、おしゃぶりを使った子ども全員が出っ歯になるわけではありません。使用時間や年齢、吸う力、もともとの歯並びなどによって影響は異なります。使用頻度を減らし、適切な時期に卒業することが大切です。
Q6. 指しゃぶりとおしゃぶりはどちらがよいですか?
どちらにもメリットと注意点があります。おしゃぶりは保護者が使用時間を管理できる一方、指しゃぶりは子どもが自分でいつでも行えるため、習慣として続きやすい場合があります。どちらも長期間続けば歯並びやかみ合わせに影響する可能性があるため、年齢に合わせて使用状況を見直しましょう。
Q7. おしゃぶりを卒業できないときは何科に相談すればよいですか?
歯並びやかみ合わせへの影響が気になる場合は、小児歯科への相談がおすすめです。子どもの年齢や口の状態を確認し、卒業に向けた方法についてアドバイスを受けられます。授乳や体重増加、睡眠、発達などにも心配がある場合は、小児科や助産師にも相談しましょう。 おしゃぶりは、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせるための便利な育児用品ですが、必ず使う必要があるものではありません。使用を始める時期は授乳や赤ちゃんの状態を考慮し、卒業は1歳半頃から準備して2歳過ぎまでを目標に進めることが大切です。年齢だけにとらわれず、使用時間や頻度、歯並びの状態を確認しながら、無理のない方法で卒業を目指しましょう。
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参考情報
※使用開始時期や卒業時期は、赤ちゃんの授乳状況、発達、歯並びなどによって異なります。個別の判断が必要な場合は、小児科・助産師・小児歯科に相談してください。
- 日本小児歯科学会
- American Academy of Pediatric Dentistry:Policy on Pacifiers
- American Academy of Pediatrics:乳幼児の安全な睡眠に関する推奨

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